・「家庭の愛:召命と聖性への道」テーマに第10回世界家庭大会、26日まで

(2022.6.22-25 バチカン放送)

世界家庭大会初日:教皇参加の開会フェスティバル

 カトリック教会の「世界家庭大会」が22日に始まった。第10回目を迎える大会のテーマは「家庭の愛:召命と聖性への道」。新型コロナの世界的大感染で二年ぶりの開催となった今回は、バチカンおよびローマでのミサやイベントを中心に、中継を交えつつ、世界の教区のそれぞれの行事と並行して、26日まで行われる。

  主会場となるバチカンでは、初日のイタリア時間22日午後6時(日本時間23日午前1時)から、教皇フランシスコが出席され、パウロ6世ホールで開会フェスティバルが催された。23日から25日まで、連日バチカンおよびローマ市内で、ミサ・講演・パネルディスカッションが予定されている。

 ミサは、聖ペトロ大聖堂・司教座の祭壇で、イタリア時間23日午前8時半(日本時間同日午後3時半)から英語によるミサ、同24日午前8時半からイタリア語によるミサを予定。25日午後5時15分(日本時間26日午前0時15分)から、教皇フランシスコによるミサが聖ペトロ広場で捧げられ、日曜日の26日正午(日本時間26日午後7時)の教皇の「お告げの祈り」の集いをもって終了する。

 パウロ6世ホールで連日開かれる講演会は、「家庭教会と共働性」、「結婚当初の司牧」、「キリスト者の家庭のあり方と使命」などをテーマに、パネルディスカッションは、「夫婦たちと司祭、共に教会を築くために」、「デジタル時代のキリスト者」、「家庭の交わり、教会の交わりの形」などをテーマに、バチカンやローマの小教区を会場に行われる。

 「世界家庭大会」は、国連が1994年を「世界家族年」と定めたのを受けて、聖ヨハネ・パウロ2世が同年10月に最初の大会をローマで開いた。以来、3年毎に開かれ、家庭司牧を司牧者と信者が共に考える貴重な機会を提供してきた。

世界家庭大会2日目:「家族愛」テーマに、講演やパネル会議

「第10回世界家庭大会」パネル会議 2022年6月23日 バチカン・パウロ6世ホール「第10回世界家庭大会」パネル会議 2022年6月23日 バチカン・パウロ6世ホール 

 この朝、聖ペトロ大聖堂の司教座の祭壇でミサに与った家族たちは、パウロ6世ホールを会場とする講演会とパネル会議に出席した。25日まで続く一連の研究集会は、日毎に異なるメインテーマを冠している。23日は「家族愛」をメインテーマに、2つの講演、4つのパネル会議が行われた。

 午前と午後にそれぞれ行われた講演は、「家庭教会とシノダリティ」と「結婚初期の司牧」を主題にしたもの。一方、パネル討論では、午前に「夫婦たちと司祭、共に教会を築くために」、「若者と高齢者、共に未来の教会のために」、午後に「試練の中の家族愛」、「父親・母親に寄り添う」をテーマに、家族や司牧者が自らの体験を紹介しながら、家庭司牧をめぐる提案を行った。

 午前のパネル会議「夫婦たちと司祭、共に教会を築くために」では、ラトビア出身の夫婦と司祭が、既婚者の司牧の重要性に触れるとともに、「夫婦たちは司祭を手助けするだけでなく、自分たちの召命とカリスマにおいて、教会生活に実りをもたらす、真の主役となるべき」と呼びかけた。

 また、ローマ教区で家庭司牧に携わるイタリア人の夫婦は、「司祭たちと夫婦たちの間で完全な協力関係がある時、教会は新たにされ、その満ちあふれる息吹は教会全体に伝わっていく」、「家族たちは世の中に深く接しており、時に小教区の中に閉じ込められた司祭たちに新鮮な空気を与えることができる」と話した。

 23日のワークショップは、祈りの時間と共に一日を終えた。

世界家庭大会3日目:「召命」テーマに研究集会続く

「第10回世界家庭大会」パネル会議 2022年6月24日 バチカン・パウロ6世ホール「第10回世界家庭大会」パネル会議 2022年6月24日 バチカン・パウロ6世ホール 

 カトリック教会の「第10回世界家庭大会」は3日目を迎えた24日は、バチカンでは「召命」をメインテーマに研究集会が続けられた。

 この日もワークショップの一日は、聖ペトロ大聖堂でのミサから始まり、その後、パウロ6世ホールを会場に、午前は「キリスト者の家庭のアイデンティティーとミッション」、午後は「結婚のカテキズムを学ぶ人々」をタイトルに、2つの講演が行われた。

 さらに、同会場で、午前に「デジタル時代のキリスト者」、「社会の片隅での召命とミッション」、午後に「霊的指導者と育成者を育てる」をテーマにした、3つのパネル会議が催された。

 パネル会議「デジタル時代のキリスト者」では、ジャーナリストで、教皇庁立サンタ・クローチェ大学コミュニケーション学部で教鞭をとるラファエッレ・ブシェーミ氏が、家庭生活にも深く入り込んでいるインターネットについて「現実の世界に対して、インターネットという架空の世界があるわけではない、インターネットも生身の人間が関わる一つの現実と認識すべきだ」と指摘。

 また、「世の中には様々なメディアがあるが、それを使う人のアイデンティティーは一つだ」とし、「キリスト者として言動一致を生きるなら、オフラインでは良い人でも、オンラインでは別の態度をとる、というような”二重生活”があってはならない」と話した。

 夜からは、「家庭の交わり、教会の交わりの形」をテーマにした4つ目のパネル会議が、ローマ市内の小教区で開かれた。

 「第10回世界家庭大会」4日目、25日は、「聖性の道」をメインテーマに最後のワークショップが開かれる。そして、18時半(日本時間6月26日午前1時半)から、聖ペトロ広場で、教皇フランシスコによるミサがとり行われる。

世界家庭大会4日目:「聖性への道」めぐり講演と会議

 「世界家庭大会」の4日目の25日、バチカンで「聖性への道」をメインテーマに最終ワークショップが行われた。

 「聖性への道」をメインテーマに据えたこの最終ワークショップでは、「ベルトラメ・クアットロッキ:聖性への道としての家庭」をタイトルに講演が行われた。

 ここでは、2001年に夫婦共に列福されたルイジ・ベルトラメ・クアットロッキ(1880-1951)とマリア・コルシーニ(1884-1965)夫妻の信仰に基づいた家庭について、孫(次女エンリケッタの養子)フランチェスコ・ベルトラメ・クアットロッキ氏が証言した。

 同氏は、「福者クアットロッキ夫妻の家庭は、普通の人々によって築かれたごく普通の家庭でしたが、夫妻は毎日の言動一致と、模範、祈りを通して、子供たちに『喜びのうちに生き、考えること』を教え、『常に天の御父に愛されている』という自覚のもとに、自由な心をもって、あらゆる出来事・試練を超えて神を愛するように、子供たちを導きました」と語った。

 また、この日、「聖性への道」、「聖なる夫婦たちへの支援」について、2つのパネル会議が催された。

 そして、同日夕方、参加者らは、翌日の同大会閉会を前に聖ペトロ広場での記念ミサに参列した。

(編集「カトリック・あい」)

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2022年6月23日