バチカンでメキシコ先住民の少年殉教者たち35人の列聖式(CJC)

 【2017.10.23 CJC】バチカン放送(日本語電子版)などによると、教皇フランシスコは10月15日、バチカン(ローマ教皇庁)のサンピエトロ広場でミサを捧げ、この中で列聖式を行った。参加者は約3万5千人に達した。

 「聖人」として宣言されたのは、17世紀のブラジル、16世紀のメキシコでの殉教者、また19世紀のスペイン、17~18世紀のイタリアで使徒職のために尽くした司祭たち、合わせて35人。列聖の儀式では、教皇庁列聖省長官アンジェロ・アマート枢機卿が、35人の人となりを紹介した。

 教皇は、「彼らは、愛することに、安易に『はい』と言ったのではありません。自らの命を懸け、まさに最期に至るまで『はい』と言ったのです」と語った。

 列聖された35人は次の通り。□

 ▽アンドレ・デ・ソベラル神父、アンブロジオ・フランチスコ・フェロ神父、マテウス・モレイラ信徒と27人の同志殉教者。

 16世紀末、ブラジル東北部で、ポルトガルからの宣教師による福音宣教が開始されたが、数十年後にオランダから訪れたカルヴァン派による迫害によって、1645年、多くのカトリック教徒が殉教した。その中で名前が確認されたのが、神父2人と28人の信徒。

 ▽クリストバル、アントニオ、ホアンの少年殉教者3人。

 16世紀のメキシコの初期殉教者。3人はフランシスコ会の最初の宣教者たちによって堅固なカトリックの教育を受けた。クリストバルはその信仰のために、父から暴力を受け1527年、13歳で殉教。アントニオとホアンは宣教師たちのために先住民インディオスの通訳として奉仕、死を覚悟の上で、宣教師らが偶像を破壊するのを助け、1529年、インディオスたちに殺害された。

 ▽ファウステイノ・ミゲス神父。

 1831年生まれ。50年、エスコラピオス会に入会。56年、司祭叙階。57年、キューバに同会の最初の学校を創立するために派遣された。ミゲス神父の教育における奉仕は50年以上にわたった。また、特に貧しい人や、弱い立場の人、病者に愛を注いだ。当時の貧しい女性たちの置かれた状況に、早期からの教育の必要を痛感したミゲス神父は、『牧者マリアの娘カラサンス修道会』を創立、少女たちの教育に尽くした。

 ▽アンジェロ・ダクリ神父。

 1669年、南イタリアのアクリ生まれ、カプチン会に入会。1700年、司祭叙階。カラブリア地方を中心に、南イタリア各地で説教師、告解師、霊的指導者として精力的に奉仕した。1726年、アクリに同会の修道院を創立したほか、各地の修道院で修練長を務め、38年間の熱心な使徒職の後、帰天した。

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2017年10月25日