(2023.1.5 Vatican News staff writer)
教皇フランシスコは5日、バチカンの聖ペトロ広場で、名誉教皇ベネディクト 16 世の葬儀ミサを主宰され、説教で、名誉教皇を父なる神の愛情深い御手に委ね、その御顔と直接向き合う時、喜びが完全なものとなるように、と祈られた。
教皇は、このミサで読まれた福音書のイエスの言葉、「父よ、私の霊を御手に委ねます」(ルカ福音書 23章46節)を思い起こされ、「この言葉は、主の全生涯を凝縮したもの。父の手に自らを、絶えることなく委ねることを意味します」と語られた。
そして「主の手は、赦しと思いやり、癒しと憐れみ、油注ぎと祝福の手であり、兄弟姉妹の手に自己を委ね、他者を愛し、奉仕する人生の究極の犠牲を捧げる手なのです」と指摘。 さらに、「私たちの霊を父の御手に委ねるように」との主の招きは、「主とその民への奉仕において、感謝に満ちた献身、主とその民への奉仕ー恵みあふれた賜物への感謝から生まれる奉仕ーに調和するように、すべての司牧者の霊を奮い立たせ、育てる人生のプログラム。これは『弟子たちの弱い手』に自分自身を委ねる偉大な『神の近さ』を示してもいます」と説かれた。
続けて教皇は、主に従おうと努める司牧者に必要なのは、「司牧者の誰もが直面せねばならない挑戦と抵抗の中で静かに形作られ、洗練された、祈りに満ちた献身」である、と指摘され、「主のように、羊飼いはとりなしの重荷を負い、人々に油をそそぐという重荷を負います。善が勝つために奮闘しなければならない。兄弟姉妹の尊厳が脅かされている状況では特にそうです」と強調された。
そして、「主は、司牧者が自信を持ってご自身を信頼することから生まれる『理解し、受け入れ、希望し、危険を冒す用意のある柔和な精神』を提供してくださいます…それは、祈りと崇敬から生まれる信頼そのものであり、司牧者が、自分に期待されていることを識別し、神の善き時に合わせて、心を形成し、決定することを彼の心と決定することを可能にします」と説かれた。
また教皇は、司牧者が生涯の奉仕を通じて福音の美しさと喜びを分かち合おうと努めるとき、どのようにして「使命において常に先を歩む聖霊の慰めによって保たれる献身」と同調するよう努めているか、について語られた。 教皇は続けて、「私たちが教会共同体として主に従おうと努めるように、私たちはまた、主の足跡に従い、私たちの兄弟(ベネディクト16世)を父の手に委ねたいと思います… 父の慈悲深い手が、彼が生涯にわたって広め、証しした福音の油で灯された、彼のランプを見つけることができますように」と願われた。
そして、互いを主に委ねる中で、互いに祈りを込めて支え合うことの重要性を指摘され、私たちがベネディクト 16 世を偲ぶ中で、「ここに集まった神の忠実な民は今、自分たちの司牧者であった方の命に寄り添い、主に委ねます。 私たちは、彼が何年にもわたって私たちに与えてくれたのと同じ知恵、優しさ、そして献身をもって、これを行いたいと思います」と参加者たちに呼びかけ、次のように祈られた。
「ベネディクト、花婿の忠実な友よ、主の声を聞いて、あなたの喜びが、今も、そしてこれからも永遠でありますように!」