・破門されたピオ十世会の司祭、信徒のカトリック教会への復帰の条件・手続きについて、バチカン教理省が世界の全司教に通達

(2026.7.2  Vatican News)

 教理省は2日、分裂行為によって破門されたピオ十世会からの離脱を決めた司祭、信徒を再びカトリック教会に迎え入れるために必要な手続きについて、世界各国のバチカン大使館を通じて全司教に通達した。7月1日に遡って適用される。

 

 

*司祭の破門を解かれ、カトリック教会に復帰する条件

 

 通達によると、ピオ10世会の司祭については、会からの離脱を決意し、古代の典礼に固執しつつも、第二バチカン公会議およびNovus Ordo Missae(1969年に教皇パウロ6世によって公布され、現在のカトリック教会で世界的に行われている「新しいミサ典礼」)の正当性を受け入れる意思がある司祭は、「ad experimentum(試行)として自分を受け入れる意思のある管轄者(教区司教、教皇権に属する聖職者修道会または教皇権に属する使徒的生活聖職者団体の大修道院長など)を見つけねばならない」と規定。

 その後、その司祭は「教皇宛てに自筆の手紙を書き、自己紹介を行うとともに、破門された、あるいは不適格な司教から受けた叙階、あるいは有効かつ合法的に叙階された後にピオ10会の会員となったことによる懲戒の免除を求める必要がある」としている。

 また司祭は、司祭叙階証明書を添付し、署名・日付入りの「Professio fidei(信仰告白)およびFormula adhaesionis(忠誠の誓約)」を同封せねばならない。カトリック信仰の内容を要約した「信仰告白」と、司祭が教皇への忠誠を誓い、教皇やその教導権を公に攻撃しないことを約束する「帰順の誓約」である。

 司祭は、教会の教導権への従属に関する公会議の教義憲章『Lumen gentium』第25条の教えを受け入れなければならない。また、教皇パウロ6世およびヨハネ・パウロ2世によって公布された典礼に従って行われるミサの祝典を有効であると見なし、教皇ヨハネ・パウロ2世によって公布された教会法典の規範に従うことを宣言せねばならない。

 司祭は、これらの文書―証明書付きの書簡、宣誓書、および順守宣言書―を同会の管区長を通じて送付せねばならない。「管区長は、同封の書簡において、当該司祭をad experimentumとして自身の教区または修道会に受け入れる意思を表明する」ものとする。

 教理省は、管区長から書類を受け取り次第、破門処分を免除し、管区長に対し、申請を行った司祭を「少なくとも1年、かつ3年を超えない試用期間」で受け入れることを許可する勅令を作成する。試用期間の終了後、その司祭の所属教区への編入手続きを進めることができる。

*信徒の破門解除、復帰の条件

 教理省の文書の同会の信徒についての規定は、「ピオ10世会の正式な会員となっている、あるいは同会の(ミサ等)に参加している信徒のうち、カトリック教会との完全な交わりに入ることを求める者たちの、帰責性、すなわち主観的責任の程度に関する問題」に関わるもの、とし、信徒に対する破門の適用は、実際には「自動的に推定されるものではなく、個々の事例ごとに評価されねばならない」としている。

 そのうえで、「復帰可能性には、完全な認識と意図的な同意が必要である」とし、復帰の可能性が立証される例として、「ピオ10世会に所属する信徒、同兄弟会の典礼に習慣的に参加し、その教義的立場を正式に共有している信徒」などを挙げている。

 そして、カトリック教会との完全な交わりに入ることを求める信徒が従うべき条件は、「特定の教会の統一の保証者である管轄の司教の管轄下において、カトリック教義への完全な順守およびカトリック教会の階層への服従を示す正式な行為」であるとし、ピオ10世弟会を脱退する決意した信徒は、日付と署名入りのProfessio fideiおよびFormula adhaesionisを管区司教に提出する必要がある。そして、管区司教は、「書類が提出され次第、最も適切と判断する時期と方法において、当該信徒を受け入れる手配を行う」としている。

 また、破門に足る責任を帰されない信徒として、①典礼上または霊的な理由のみでピオ10世会の祭儀に参加していた信徒②同会のバチカンとの対立を認識しつつも、教導権や教皇の権威を拒絶していない信徒、の二つを挙げ、②の信徒については、「今後、ピオ十世会の祭儀には参加しない」という決意を持って、完全な交わりにある司祭に申し出ること」破門を解除される、としている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2026年7月3日