Ukrainian President Volodymyr Zelensky attends a press conference after meeting EU leaders in Kyiv (AFP or licensors)
(2025.5.12 Vatican News Deborah Castellano Lubov)
教皇レオ14世とウクライナのヴォロディミル・ツェレンスキー大統領は12日、教皇がウクライナの長期的かつ永続的な平和と、すべての子どもたちを家族のもとに返すために「あらゆる努力がなされるように」と訴えたのを受けて、初の電話会談を行った。
バチカンのマッテオ・ブルーニ報道官が同日明らかにしたところによると、この電話会談は、教皇が11日の正午の祈りで、ウクライナの平和を訴えたことを受けたもの。
正午の祈りに続いて、教皇は、「私は愛するウクライナの人々の苦しみを胸に抱いている」と述べられ、「真の、公正な、そして恒久的な平和に一刻も早く到達するためにあらゆる努力がなされるように 。すべての囚人が解放され、子どもたちが家族のもとに戻されますように」と訴えてられた。
さらに、80年前の5月8日に「第二次世界大戦という計り知れない悲劇 」が、「6000万人の死者を出した末に終結した」ことを想起され、”分散的な第三次世界大戦”の状態にある今、特にウクライナ、ガザ、そしてインドとパキスタンの国境での紛争の早期、永続的な終結を訴え、「戦争は絶対に繰り返されてはなりません」と強調されたいた。
教皇との電話会談の後、ゼレンスキー大統領はXへの投稿で、「教皇のウクライナ支援に感謝する」と述べ、「私たちは、私たちの国のための公正で永続的な平和を達成する必要性とロシアに捕らわれている人々の釈放についての、彼の言葉を深く受け止めている 」と語った。
さらに大統領は、この会談で、「ロシアによって強制拉致された何千人ものウクライナの子供たち 」についても議論されたことを明らかにし、「バチカンが、子供たちを家族のもとに帰してくれることを期待している」と強調。
教皇に「ウクライナと我々のパートナーの国々との間で、今日から少なくとも30日間は完全かつ無条件の停戦を開始する必要がある、との合意がなされた 」ことを伝えたと述べ、「ウクライナは、直接会談を含め、いかなる形式でもさらなる交渉に応じる用意があることを再確認した」と語り、この精神に基づき、「ウクライナはこの戦争を終わらせたいと思っており、そのためにあらゆることをしている。ロシアからの同様の措置を待っている」と述べた。
また大統領は、会談で教皇にウクライナ訪問を招請したことも明らかにし、「教皇の訪問は、ウクライナのすべての信者とすべての国民に真の希望をもたらすだろう 」とし、「教皇と私は、今後も連絡を取り合い、近い将来に直接会うことを計画することで合意した」と説明した。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)