・教皇フランシスコ、サンタ・マルタ館で結婚20周年の英国王夫妻と私的会見

教皇フランシスコ、チャールズ英国王夫妻と 2025年4月9日 (教皇フランシスコ、チャールズ英国王夫妻と 2025年4月9日)  

 療養中の教皇フランシスコは9日午後、英国のチャールズ3世国王とカミラ王妃をサンタ・マルタ館にお迎えになり、二人の結婚記念日のお祝いの言葉を述られた。結婚20周年と国王の父であるエディンバラ公フィリップ殿下の死去から4年目という、英国王室にとって特に意義深いこの日、英国王ご夫妻は、ミラ王妃は、同館を訪問され、教皇と非公式に面会された。

 現地時間9日夜(日本時間10日未明)に発表した声明で、バチカン報道官は、「教皇が9日午後、英国王ご夫妻と非公式に面会された。面会の中で、教皇はお二人の結婚記念日を祝う言葉を述られるとともに、ご自分の健康の早期回復を願われた国王のお気持ちに感謝された。

 教皇の国王夫妻へのお祝いの言葉は、国王が1年前にがんと診断され、3月末にその治療の副作用で入院されたことを気遣うものだった。

 教皇の英国国王夫妻との面会は、教皇が両側肺炎で入院・治療を始められた3月初旬に前後して、バチカン報道官室から発表されていた。だが、3月24日付けの追加発表では、教皇の回復状態を考慮し、面会は見送られる、とし、「国王ご夫妻は、教皇の回復を祈念し、教皇が回復された暁にはバチカンを訪問することを楽しみにしておられる」としていた。

 この追加発表は訂正される形となり、英国王夫妻は9日午後、教皇に直接、お見舞いの言葉を伝えることができた。10日朝、英国王室の公式ホームページに投稿された記事は「国王夫妻は、結婚20周年について教皇が述べられた優しい言葉に深く感動し、直接お見舞いの言葉を伝えることができたことを光栄に思っている」としている。

 3日間のローマ訪問中、チャールズ国王は、イタリアのセルジョ・マッタレッラ大統領、ジョルジャ・メローニ首相とも面会。9日は、英国君主として初めてイタリア議会で演説された。

 チャールズ国王は英国(および14の英連邦王国)の君主であるだけでなく、英国国教会の最高指導者でもあり、2019年、40年以上ぶりに英国人が聖人に列せられることとなったジョン・ヘンリー・ニューマン枢機卿の列聖式の前日の2019年10月12日、当時、皇太子だった国王は『L’Osservatore Romano』誌に記事を寄稿し、この出来事を「英国のみならず、カトリック教徒のみならず、彼が体現した価値観を大切にするすべての人々にとって、祝うべき出来事である」と述べ、よく13日にバチカンで行われた列聖式に出席され、式後、教皇と挨拶を交わされていた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2025年4月10日