
(2020.6.30 VaticanNews)
聖職者の未成年者性的虐待問題は世界的に一向に終息の気配が見られないが、聖ヨハネ・パウロ2世の故郷、ポーランドも例外ではない。
同国の信徒635人が30日付けのイタリアの日刊紙La Repubblicaに自己負担で、教会が国内での性的虐待に抜本的な措置を取るよう、教皇に訴える意見広告を載せた。これに対して、バチカンのマッテオ・ブルーニ報道官は30日の記者会見で教会は性的虐待の諸案件を白日の下にさらすために、出来る限りのことをせねばならない、とした。
会見で、報道官は「教皇フランシスコは、(注:ポーランドの信徒たちの訴えを)知らされています。教皇は彼らのために祈っておられます」としたうえで、「全カトリック教会は、教会法の規則が適用され、全面的な解明がなされ、重大な犯罪は罰せられるように、出来る限りのことをせねばなりません」と語った。
La Repubblicaに掲載した意見広告でポーランドの信徒たちは、「聖なる父、フランシスコよ!私たちの教会を直してください!お願いします!」と求め、「いくつもの(聖職者による)ペドフィリア(幼児性愛)がなされたポーランドの教会を、思いやりをもってご覧ください。教会制度への忠誠は”見ざる,聴かざる”の状態ーそうすることが、性的虐待の犠牲者へのケアよりも重要だとされているのです」と訴えた。
また、信徒たちは「ポーランド教会の高位聖職者たちに(注:聖職者性的虐待への)決然とした対応が見られない」ことを嘆き、「ある種の行動が教会の一致に影響を与える。なぜなら、『”教会制度のイメージ”への影響を心配する人』と『犠牲者のためになろうとしている人』に分かれているからです」と説明している。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)