(2025.2.22 Vatican News)
バチカンのパロリン国務長官(枢機卿)は22日、イタリアの新聞『コリエーレ・デラ・セラ』のインタビューで「今、関心を持つべきは、教皇の健康状態、回復、バチカンへの復帰のみだ」と述べ、一部に報じられている教皇辞任の情報は「根拠のない憶測」と批判した。
教皇の入院治療が長引く中で、ここ数日、教皇が辞任されるのではないか、というニュースが流れているが、長官は「私には、すべてが根拠のない憶測に思える。今、私たちの関心は教皇の健康、回復、バチカンへの帰還にのみ向けられている」と言明。
「そのような憶測には、関わらないようにしているが、未確認の噂が流れたり、的外れなコメントが発せられたりすることは、このような状況では極めて普通のことではある。しかし、この件に関して特に動きがあるとは思っておらず、今のところそのような話は聞いていない」とも述べた。
西アフリカのブルキナファソ訪問を終えて帰国したばかりの長官はまた、「必要であれば病院を訪問する用意があることを教皇にお伝えしたが、今のところその必要はない」とし、「教皇は保護された状態にあり、できるだけ訪問を受ける回数を少なくし、休息を取る方が、治療の効果を高められる。神に感謝すべきことだが、ジェメリ病院からの最新情報は心強いもので、教皇は順調に回復している。公式文書が教皇のもとに送られたという事実からも、教皇の容態は改善していることが分かる」と強調。
また、教理省長官のビクトル・マヌエル・フェルナンデス枢機卿は、アルゼンチンの新聞『ラ・ナシオン』のインタビューで、「一部のグループが教皇の辞任を迫るなどというのは筋が通らない。 彼らはここ数年、何度もそうしてきたが、辞任は、あくまでも教皇の完全な自由意志による決定でなければならない」と述べ、「私は教皇選挙の前の雰囲気を感じないし、後継者候補について1年前よりも多くの議論が行われているようにも思わない。特別なことは何も起こっていない。私にとって重要なのは、教皇の体調が現在の治療にうまく反応していることだ」と語っている。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)