・「高齢を押しての長期訪問は『父としての寄り添い』」-9月2日からの教皇、東南アジア・オセアニア歴訪を前にタグレ枢機卿

(2024.8.27  バチカン放送)

 教皇フランシスコが9月2日から12日間にわたり東南アジアとオセアニアの4か国を訪問されるが、バチカン福音宣教省のタグレ副長官(初期宣教担当)・枢機卿が27日、バチカンの公式メディアFIDESと会見。教皇のご訪問の意図などについて語った。

 教皇が訪問を予定されているのは、インドネシア(9月3日‐6日)、パプアニューギニア(9月6日‐9日)、東ティモール(9月9日‐11日)、シンガポール(9月11日‐13日)。

 タグレ副長官は、高齢の教皇がご自身の在位中で最も長い今回の外国訪問を決意されたことについて、「4か国訪問は当初、2020年に予定されていたが、新型コロナウイルスの世界的大感染が起きたため、凍結されていた。教皇がこの訪問を復活させられたことに、驚きと、教皇が日頃、離れた地域の人々に示しておられる『父としての寄り添い』を感じます」と語り、高齢の教皇が体力的に負担のあるこの長旅を決意されたのは、「ご自分がこのような旅に耐えられる、ということを誇示されるためではなく、主の招きに対する謙遜、使命への従順を表すもの」と説明した。

 また、今回の東南アジア・オセアニア4か国訪問によって、「教皇が西方よりも、東方を優先していることが確認された」との見方があることに対しては、「教皇が特定の大陸や地方を好んでおられる、というのは誤りです。教皇はこの訪問に続いて、9月末にはルクセンブルグとベルギーへの訪問を予定しています」とし、これまでも教皇が欧州の多くの国や地域を訪れておられることを指摘しつつ、「教皇はご自身の司牧訪問を通して、あらゆる状況にあるカトリック信者たちを励まそうとされているのです」と強調した。

 さらに、「アジアは、世界人口の大きな部分を占めていますが、貧困層の割合も大きく、キリスト者たちはまさに『貧しい人々の中』にいます。貧しい人々がイエスとその福音に惹きつけられていることを、教皇はご存じです」と語った。

 「教皇の訪問先のキリスト教共同体は、全教会と何を分かち合えるか」という質問には、「ほとんどの訪問国でカトリック信者は少数派で、”小さな群れ”ではありますが、小さな教会は、これらの国、地域のとっての”学び舎”となり得るのです」と答えた。

(編集「カトリック・あい」)

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2024年8月29日