・「ローマ教区の地区割り再編し、中心部と周辺部をよりよく統合」-教皇が自発教令

Basilica Santa Maria in TrastevereBasilica Santa Maria in Trastevere  (Viacheslav Lopatin)

 

 

*数を超えて:霊的体験の深さ

 

 教皇フランシスコがかねてから述べている「時間は空間よりも大きい」という指摘は、「来年2025年の聖年の準備は巡礼者の数だけに焦点を当てるのではなく、歴史、美、そして一体感をより深く育むことに焦点を当てるべきであることを意味している。

 教皇は、「聖年の扉は、世界中の巡礼者を迎える機会となる以前に、ローマ人自身の巡礼の目的地であるべきです」と強く訴え、聖フィリップ・ネリの道をたどる「マリアの冠」や「七つの教会の散歩道」、地下墓地への訪問、11月のヴェラーノ墓地、無原罪懐胎の祭日のためのスペイン広場、クリスマスのサンタ・マリア・マッジョーレ教会の聖なるゆりかご、聖週間の四旬節の教会、聖なる階段、サンタ・クローチェ・イン・ジェルサレンメ、そして5月と10月に発見される多くのマリアの象徴など、巡礼の例を挙げた。

 

 

*「弱者に気を遣えばうほど、私たちは、もっと美しくなる」

 

 教皇はまた、美の概念についても考察され、「美が世界を救うのは、教会が美を救うことができる場合のみ」と主張され、「偽りの進歩」の名の下に、美をイデオロギー的に操作したり、消費財に貶めたりすることに対して警告された。

 そして、母性の比喩に戻り、「ローマの歴史的中心部だけでなく、ローマの街全体が教会の母性的なケアの現れ」とされたうえで、「弱さは、私たちが注意を払う必要があるもう 1 つの美の表現… 弱い人々をケアすればするほど、私たちは、もっと美しくなります」とされ、真の福音主義精神でローマを、特に歴史的中心部で恵まれない人々のニーズに応える街にしてくれた多くのボランティアや労働者に感謝。最も弱い人々への奉仕に献身するさまざまな組織や同胞団を称え、教区に対して、彼らの努力を「認識し、拡大し、支援する」よう奨励された。

 

 

*教会における「領地」は交わりに対する罪

 

 最後に、教皇は教会内の分裂の問題に触れ、「教区の統一を強化する代わりに、対立を助長するような”サブカルチャー”への所属を増やすことは意味がありません… 教会に”領土分割”を起こす”領地”があってはなりません」と訴えられた。

 「教区を孤立した小宇宙に縮小したり、教会共同体が別々のサブカルチャーとして行動することを許したりすることは、私の見解では、教会の交わりに対する罪です。教区の統一を促進するのではなく、違いを強調することにエネルギーを費やす教会運動にも当てはまること」とされ、「ローマは、ローマ人であろうとなかろうと、すべての人が『くつろぎ』を感じ、巡礼者として歓迎される『一つの大きな家』なのです」であると強調された。

 さらに、教会の「シノドスのダイナミズム」が教区内で受け入れられ、育まれ、団結の精神が促進され、『分離と対立の壁』を築く選良主義と利己主義の衝動を拒否し、”橋”を開放して教会の交わりを強化し、すべての人が個人的にも集団的にもキリストと彼の教会のみに属するように」促された。

 

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

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2024年10月5日