・新疆ウイグルの人口増加率が異常な落ち込み-中国共産党の過酷な産児制限で(BW)

 中国の新疆ウイグル自治区のイスラム教徒に対する人間の尊厳を踏みにじる中国共産党の”犯罪リスト”に、「大量不妊化」が新たに加えられることになりそうだ。

 中国・新疆ウイグル自治区の”再教育キャンプ”の研究で知られるドイツの人類学者、エイドリアン・ツェンツ教授が Jamestown Foundationが出版した研究報告書の中で明らかにしたところによると、中国政府がウエブサイトで公表しているデータをもとに分析した結果、2013/14年から2019年のわずか5年の間に新彊ウイグル自治区の人口の増加率は10㌫前後から3㌫に急落。中でも、ウイグル人イスラム教徒が多く住む南部のホータン、カシュガルでは15パーセント前後から2パーセント以下まで落ち込むとみられる。

 ウイグル人イスラム教徒の女性たちが不妊手術やIUD(子宮内避妊器具)の装着など、過酷な産児制限を強制され、これが出生率の急激な落ち込みとなって表れているとみられる、という。

Zenz

 (新彊ウイグル自治区、特に南部で人口増加率が劇的に落ちている=出典:Adrian Zenz / The Jamestown Foundation)

 これは、中国政府・共産党が40年にわたって続けてきた「一人っ子政策」の結果である全国平均の増加率5パーセントをも大幅に下回る数字だ。

 2005年から政策が緩和され、この地域では2人ないし3人の出産が認められたが、2016年から中国政府・共産党によるウイグル人イスラム教徒への弾圧が強まり、「職業訓練キャンプ」という名の強制収容・思想改造所が設けられるに至って、人口増加率は低下傾向となっていた。

 だが、最近の急激な人口増加率の落ち込みは、「キャンプへの収容」だけでは、その理由を説明できず、ツェンツ教授がさらにデータを丹念に分析し、情報収集に努めたところ、2019年にタクラマカン砂漠の最南端にあるゴマとホータンの都市で、膨大な数のウイグル人女性を不妊にするための巨大なプログラムが実施されていたことを突き止めた。この時期のこの地域での不妊手術は全国平均の何と143倍と、異常ともいえる高さになっており、人口増加率の急減に繋がっていることが分かった。

 (10万人当たり不妊手術者数の全中国平均と新疆ウイグル自治区の比較=出典⊡同上)

 また、出産年齢のすべての既婚女性の14から34パーセントは1年以内に不妊手術を受け、原則として3人以上の子供を持つ女性には不妊手術の対象となる。地方当局は、中央政府の計画実施命令をしっかりと守る義務を課せられており、「命令に従わなければ、自分たちが困ったことになるのを知っていた」という。

 (ホータンとピシャンでの不妊手術は中国の他地域の148倍に=出典:同上)

 現地当局が課せられた目標は、対象女性の80㌫が不妊手術かIUDの装着を受け入れることで、3か月おきにチェックしさらに1か月おきに妊娠の有無をチェックする。「狙いは、新疆ウイグル自治区の人口増加を抑えることにある」とツェンツ教授は結論付けている。

 こうした措置は、習近平国家主席のウイグル人に対する基本計画に基ずくものだ。2019年11月にChina Cablesが特報した、100万人以上のウイグル人イスラム教徒の収容所への収監、”再教育”は生活習慣にまで及び、産児制限に違反した者の処罰も。

 新型コロナウイルス感染拡大が止まるか止まらないかの3月に中国国内の工場操業が再開され、数万人とみられるウイグル人イスラム教徒が収容所から全土の工場に送り込まれた。そして、習近平が進める貧困撲滅の旗のもとに、「漢民族のご主人様」のために働かされている。

 そして、親たちが工場で働かされている間、子供たちは”介護”され、文字通り”揺り籠から墓場”まで監視下に置かれ、監視の行き届かない村は町が急激に減っている。

 このツェンツの報告書は、国際社会が人権弾圧を進める中国政府・共産党に反省を求めるため、ウイグル人自身のか弱い声を助ける呼びかけだ。

 国外追放されたウイグル人たちの一部が2020年4月からツイッターを使った「#Can you聞こえますか?」運動を始めた。現地の親族や友人に関する情報を集め、発信している。これまで豊かで幸せな暮らしをしていた親族が突然、姿を消した、という告発ドキュメントも流している。

 こうした新疆ウイグル自治区における人権弾圧について、極めて多くの途上国は、中国対する多額の債務などで、あるいは”気前”のいい援助を駆使した外交の前に、口をつぐんでいるが、人権にうるさいはずの欧州諸国も、経済的恩恵をうけていることから、発言に消極的だ。WHOは言うに及ばず、国際機関に多くの”人材”を送り込み、中国に都合のいいように動かそうとしている。

 今回の新型コロナウイルスの世界的大感染では、中国・武漢から感染が始まったにもかかわらず、WHOなどを使って、国内での感染拡大の公表と対策を遅らせ、世界にウイルスをまき散らした責任をうやむやにするどころか、中国を危機克服のモデルとして売り出し、途上国にマスクなどを大量に届けるなど、”危機”を”チャンス”に変えようとしてきた。

 だが、そうした裏で、中国政府・共産党が進めているウイグル人イスラム教徒に対する不妊手術の強制などによる人口削減計画が、今回の報告書で、データを持って裏付けられた。

 Bitter Winter の取材に対して、イスタンブール在住のウイグル人難民の女性は 「報告書で明らかにされた分析結果は、新疆ウイグル自治区で起きている”大量虐殺”を裏付けています」と語った。 「中国政府は私たちと私たちの文化を殲滅することを決めているのです」。別のウイグル人難民の女性は「妊娠した時、すでに3人の子供がいました… でも中絶はしたくない。自宅と離れた村の親せきの家で出産し、自宅に赤ちゃんを連れて戻った時、当局に『妹の赤ん坊だ』と主張しましたが、認められませんでした」。結局、その娘は当局に取り上げられ、共産党の孤児院に入れられてしまった、という。

 新疆ウイグル自治区南部でBitter Winterがインタビューした人々から、中国共産党がとった酷い措置が次々を明らかにされた。地域の診療所では妊娠チェックが頻繁に行われ、人々は、強制的な中絶による”静かな大量虐殺”とともに暮らしてきた。

 そうした中で、4人目の子供を妻が妊娠した時、妊娠中絶の手術をすることができなかったある医師は、子供が当局から見つかるのを恐れながら日々を送っている、と語った。子供たちと一緒にいる時に、警察の監視の手が伸びると、恐怖で凍り付く、という。診療所が閉鎖され、子供たちが連れ去られ、「再教育」のためにキャンプに送られる… 国際社会が、今、新疆ウイグル自治区で起きていることをもっと知ってほしい、とここから望んでいる。

 

2020年6月30日

・7月1日は福者ペトロ岐部と187殉教者記念日、ペトロ岐部 司祭叙階400年記念、人物紹介映像も 

2020.6.29 カトリック・あい)

 7月1日は、福者ペトロ岐部司祭と187殉教者の記念日、出身地の大分教区では、各教会で記念のミサがささげられる予定だ。今年はペトロ岐部が1620年11月15日にローマのラテラノ大聖堂で司祭に叙階されて400年を記念する年であり、11月15日 にはカトリック大分教区主催で列聖の願いも込めた岐部祭 《講演とミサ》 が同県国東市の国見生涯学習センターで予定されている。

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 日本で司祭になる道を断たれたペトロ岐部は、1615年28歳のときマカオに国外追放された後、ローマに行って司祭になろうと決意して出奔、マカオからゴア、ペルシア湾へと海路を、その先は陸路を徒歩で日本人として初めて聖地エルサレムを経て、1620年にローマに到着。同年11月15日、ラテラノ大聖堂で司祭に叙階された。その優れた霊性と司祭としての能力を高く評価するバチカン関係者のローマでの活動を求める声を振り切り、日本の信徒を思う気持ちから、8年かけて禁教下の日本に戻り、1639年殉教した。

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 なお、大分県立先哲料館のホームページでは、映像(動画)「おおいたの先哲」という、大分県ゆかりの人物紹介のシリーズで「ペトロ岐部カスイ」が取り上げられており、下記の▷をクリックして視聴できる。

 同資料館では、秋季企画展「ペトロ岐部と大分のキリスト教」で、10月24日(土)から12月6日(日)まで、ペトロ岐部についての展示紹介の予定している。

*大分県立先哲史料館=〒870-0008 大分市王子西町14番1号 Tel:097-546-9380 Fax:097-546-9389  https://www.pref.oita.jp/site/sentetsusiryokan/

 

2020年6月29日

・「神父による性暴力被害者の会」設立-必要な司教団の真剣な対応(評論)

(2020.6.22 カトリック・あい)

 カトリック教会に半世紀以上も籍を置いて来た者として、このような評論を書かざるを得ないのは、残念であり、情けない、としか言いようがない。教会上層部に多くの愛読者を持つはずの朝日新聞や共同通信、NHKなどが21日までにデジタル版などで報道した「カトリック神父による性暴力被害者の会」の設立である。

*「被害者の会」設立は、教会の誠意を欠いた対応への苛立ちの表われ?

 司祭による性暴力を受けた被害者やその関係者たち約40人が参加して21日、長崎市で集会を開き、問題に対するカトリック教会の対応が不十分と判断、第三者委員会による調査、加害者の氏名公表、処分と被害者へのケア、補償を求め、「被害者に配慮した社会形成の一歩にする」ことを目的に「被害者の会」を発足させた。

 会の中心になった竹中勝美さんは、20年近く前から、自身が幼少期に受けた性的虐待被害について、加害者が属していた修道会や司教団の代表に調査と結果公表、責任の明確化を訴えてきた。だが、いっこうに進展がなく、一昨年に自身の名前を明らかにして、虐待の経緯を公表、昨年3月号の「文芸春秋」の調査報道記事に登場して責任ある対応を繰り返し求め、同年4月に東京で開かれた「虐待被害者の集い」でも、同様の訴えをした。

 この集いには、司教団の代表であるカトリック司教協議会の高見三明会長・大司教も参加し、「私たちが十分なことをできず、苦しい思いをさせていることを本当に申し訳ないと思っている」と竹中さんに謝罪、「世界で起きている様々な性的虐待に教会は立ち向かっていかねばならない。世論を高め、専門的な知識を結集して、改善に取り組みたい」と約束していた。

 21日の「カトリック神父による性暴力被害者の会」設立は、高見会長が「謝罪」し、具体的な対応を約束したにもかかわらず、目立った進展がみられず、ほとんど”空手形”に終わっていることに対する、深い失望と苛立ちの表われではなかろうか。

 

*「性的被害者のための祈りと償いの日」から一か月遅れた司教協議会会長名の調査結果公表

 「カトリック・あい」は、今年3月13日の日本のカトリック教会の「性虐待被害者のための祈りと償いの日」にあたって掲載した解説で、(司教団の)中央協議会のホームページをみても、国内16教区のうち9つの教区でミサや祈りの集いなど行事予定だけで、司教協議会から何のメッセージもないこと、昨年5月から司教協議会は始めた児童性的虐待の過去と現在の状況に関する調査の結果もいまだに明らかにされないこと、などを指摘し、教皇が世界の教会に強く求めている「聖職者による性的虐待に対する行動を伴った徹底的な反省と信頼回復」には程遠い実態を批判、反省を求めた。

 調査結果が高見会長名で公表されたのは、それから一か月後の4月7日、文書の日付だけは何故か、「3月13日、聖虐待被害者のための祈りと償いの日」となっていた。

 その内容を見ると、「本調査の目的は、日本の教会が未成年者への性虐待に関する対応についての実態を把握し、今後の対策を検討すること」としているものの、「教会という密接な関わりをもつ共同体の中での犯罪は、被害者が声を上げるのが難しく、「今回調査においての該当件数も、言葉にできた勇気ある被害者の数であり… 性虐待・性暴力全体の被害者の実数は把握しきれない」「事実確認の段階で被疑者が否認や黙秘をしている場合は、教区司教や頂上による謝罪で終わるなど、消極的な対応事例も少なくない」と言い訳のような表現が目立つ。

 

 

*未成年被害訴えは16件、加害否認5件、不明7件。対応は聖職停止2件、「異動」が8件

 そして、肝心の調査結果はと見ると、未成年性的虐待の被害訴えは16件。虐待を否認したものが5件、認めたものが4件、不明が7件。第三者委員会による調査が1件、教会裁判が一件だが、いずれも黙秘か否認。否認した5件のうち、3件には第三者委員会による対応がなされず、内部の対応にとどまった。肝心の処分は、聖職停止が2件に過ぎず、退会1件、日本内外への異動で済ましたのが8件。それ以外は不明、という。現在、加害の事実を否認して、訴えのあった教区で司牧を続けている者が2人もいる。

 

*「前任者からの引き継ぎ無し」「処分を守らない者がいる」「処分が軽く、真の回心、償いに結び付いていない」

 さらに、調査で明るみに出た問題として、「これまで2002年、2012年の調査の内容の事例に関し、当該教区すべてにおいて前任者からの引き継がされなかった」「(性的虐待に関して)処分中にもかかわらず、それを守らずに活動していた聖職がいた… 処分そのものが、制限を設けることや単なる有期的な制裁(活動停止など)にとどまっており、加害聖職者の真の回心や償いに結び付いていない」などが挙げられている。

 調査結果は「今後も、課題解決に向け、修道会・宣教会と協力して取り組み、教育機関、関連施設を含む教会内の性虐待・性暴力の根絶に向けて努力する」とあるが、以上のような内容を見る限り、さっぱり説得力がなく、誠意が見えない。真摯な反省も感じられず、被害者のケアを含めて、問題解決に、誠実に取り組んでいこうとする気概がうかがえない。このような消極的な姿勢を見せつけられては、いくら各教区に相談窓口を物理的に作ったところで、被害者が問題解決への希望と信頼を持って出向くことは考えられないだろう。

 21日の集会には、竹中さんのほか、仙台の看護婦の方からも、配偶者の暴力について相談した司祭から性的暴力を受けた経験が語られ、「真実を話すのはおぞましく、どうしていいか分からなかった」(共同通信)との訴えがあった。この言葉からも、教会の心無い対応へのいら立ちが感じられる。

 

*長崎教区の成人女性の被害訴えへの対応も具体的説明なく…

 この長崎市、高見大司教が教区長を務めるお膝元でも、未成年ではないが50代の女性の被害訴えが最近明らかになっている。

 昨年11月の教皇フランシスコ来日の直前、時事通信が「長崎県のカトリック信徒の女性が、司祭にわいせつな行為をされ、長崎教区に訴えた… 教区は司祭の職務を停止したが、信徒たちには『病気療養中』とだけ説明。女性は心身性ストレス障害(PTSD)で長期入院を余儀なくされた… この問題への見解、対応もいまだに公にされていない」と報じた。

 教皇離日後の27日に会見した長崎教区は、「大変深刻に受け止めている」とし、警察の捜査の推移も見ながら、状況に応じて発表や会見をする予定、と説明。問題の司祭は、強制わいせつ容疑で今年2月に長崎地検へ書類送検された後、4月16日、理由が明らかにされないまま、不起訴処分となった。だが、教区はNHKの取材に「不起訴になった経緯は把握していないし、捜査機関でもない教区で、これ以上の調査は出来ず、事実確認は難しい… (女性から相談があったのは事実で)女性と関係者におわびし、これからも誠実に対応したい… 司祭に対してはしかるべく対応する」と極めて形だけのあいまいな対応に終始したようだ。

 21日の集会には、この女性も登壇し、約17年にわたって家族ぐるみの付き合いをしていた司祭から一昨年5月に性被害を受け、PTSDを発症したこと、警察に被害届を出す際に、教区の司祭から、取り下げを求められたり、親身になって相談を聴いてくれた窓口の職員が教区事務局内部で非難されたこと、などを明らかにし、「教会は、加害神父を守っている。被害者の気持ちになって」と訴えた(朝日新聞)という。

 自らの教区で起きた問題に、日本の司教団のトップとして、聖職者による性的虐待への対応の模範となるような行為がなぜできないのか、首をかしげたくなるのは、筆者だけではないだろう。

 

*欧米などと桁違いの”少なさ”が安易な対応の原因か?新型ウイルスへの対応はどうなのか。

 聖職者による未成年を含めた信徒たちへの性的虐待と高位聖職者による隠ぺいの問題は、欧米を中心としたカトリック教会の信用に大きなダメージを与え続け、教会のミサに出る信徒の減少、賠償金を払いきれずに破産する教会の続出など、いまだに解決のめどが立っていない。たしかに、何千と言う被害者を出し、枢機卿などまで関与して裁判になる海の向こうの国々に比べれば、日本の被害は、確実なことは不明だが、桁違いに小さいのかもしれない。だが、それが、これまで見てきたような、誠意を欠いた、形ばかりの、安易な対応を、教会自らが容認する背景にあるとすれば、見当違いも甚だしい、と言わざるを得ない。

 このことは現在も終息の気配が見えない新型コロナウイルスの世界的大感染を連想させる。アメリカやブラジル、ロシア、そして欧州などの感染者、死者とくらべれば、日本は桁違いに少ない。だからといって、気を抜けば、第二波、第三波の感染爆発を招きかねず、安易な対応は許されないし、政府も自治体も、経済活動や雇用などへのダメージを最小限にとどめつつ、感染拡大防止の努力を具体的に続けている。

 聖職者による未成年性的虐待問題も、これまでのような対応を続けて行けば、教会の指導者たち、そして教会そのものの、信用失墜、困難に満ちた現代社会に希望と勇気の火をともす役割から遠ざかることになりかねない。

 今回の「カトリック神父による性暴力被害者の会」の設立は、そのための警鐘と受け止め、教会として、そして何よりも司教団として、信頼回復につながる誠実で具体的な取り組みのきっかけとすることを望む。”不都合な真実”は黙ってやり過ごす、これまで教会にありがちだった態度は、改めねばならない。

(「かとりっく・あい」南條俊二)

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【参考】NHK 長崎 6月22日放送

 カトリック教会の聖職者による性的虐待が国際的な問題となる中で、国内の被害を訴えようと21日、信者らが長崎市で集会を開き、被害者の会を設立しました。

集会は、自身も子どものときに被害に遭った東京都に住むカトリック信者の竹中勝美さんが呼びかけて開かれ、この中で、被害者の声をあげやすくするために「カトリック神父による性虐待を許さない会」を設立することを決めました。

集会には、おととし長崎市内の教会の施設内で、神父にむりやり体を触られたなどと被害を訴えた女性も参加し「トラウマでいつパニックになるかわからない状態です。教会にはもっと被害者の気持ちを考えてほしい」と訴えました。

カトリック教会の聖職者による性的虐待は国際的な問題となっていて、日本カトリック司教協議会の調査によりますと、国内では1950年代からことし2月末までに16件の被害が報告されているということです。

 集会を開いた竹中勝美さんは「次の被害者を出さないためには被害を訴えた信者の勇気ある行動を尊重してほしい。そして、被害者を決して排除しないでほしい」と話していました。今後、竹中さんたちは再発防止を求め、カトリック中央協議会に対し被害の実態調査を行うよう働きかけていくということです。

被害者の会を設立した、竹中さんは「宗教というのはその人の人生、生き方そのものでその指導者は絶対的な存在です。そうした立場の人から性的虐待を受けるというのは自分の存在そのものを否定されるようなものでなかなか声にできない」と指摘しました。そのうえで、「どのような職場、教会でも立場の差があるところには性的虐待のリスクは潜んでいる。そのときに、被害者の訴えに疑いを持つのではなく、勇気ある行動を尊敬し、次の被害者を出さないために排除しないようにしてほしい」と訴えました。

2020年6月22日

・「6月21日からの条件付き公開ミサ再開」ー東京教区の教会は…

(2020.6.18 カトリック・あい)

 新型コロナウイルスの大感染で公開ミサを中止していたカトリック東京教区では6月21日から、感染防止のための条件付きで公開ミサを再開することになった。当然ながら、各教会の規模、物理的環境などから、再開ミサへの参加の条件は様々な形に分かれるようだ。

 再開の条件について、教会ホームページで明らかにしていない教会もあるが、ホームページに掲載している教会の代表的な対応は次のようなものだ。なお、具体的な教会名を出すことは、他教会へのミサ参加希望など混乱をきたす可能性があるため、匿名とした。(O=再開日 A=ミサ参加の方法 B=ミサの長さなど C=年齢制限など D=その他)

*A教会=O:6月20日午後6時 A:7人から100人でグループを作り、日時を特定し、名簿を付けて申し込む。定数に漏れた場合、別の日時を申し込む B:30分 C:高齢者や基礎疾患がある方は自身の感染リスクを考慮の上、自主的な判断をお願いする D:ミサに一度参加したグループは一か月以上の間隔を置く

*B教会=O:6月21日 A:ミサは二回、地区ごとの参加 C:小学生以下と80歳以上は自宅で。79歳までの基礎疾患のない方は、地区ごとに隔週で参加できる

*C教会=O:6月21日 A:一回のミサ参加は80人まで C:75歳以上および基礎疾患のある方はしばらく自宅で

*D教会=O:6月21日 A:ミサは3回とし、一回のミサの参加は40人まで、地区ごとに。ミサ参加は3週に一回 C:参加は当面、64歳以下に限定

*E教会=O:6月21日 A:ミサは2回とし、一回のミサ参加は50人程度、一回目に参加できない方は信徒会館などで待機 B:30分程度 C:健康面で自信のない方(高齢者も含む)は参加控えて。 D:Cの方のために第二ミサ後に聖体拝領のみの機会を作る

*F教会=O:6月21日 A:地区ごとに、ミサ参加日を分ける C:大司教区のガイドラインにより、75歳以上の方は当面、ミサ参加を自粛

*G教会=O:7月5日 A:ミサ参加日をブロックごとに分け、聖堂に入れるのは60人まで D:聖堂に入れなかった方はミサ後の聖体拝領の機会を作る

*H教会=O:6月中は再開せず

 

 

 

 

2020年6月18日

・中国の”ネット人民”が共産党の「フロイド・プロパガンダ」を批判(BW)

「米国では警察の暴行に市民が抗議できるー中国では投獄かそれ以上の仕返しをされる」

(2020.6.15 BitterWinter  Han Sheng)

   新型コロナウイルス感染拡大や香港市民を規制する国家安全法導入に対して国際的な批判が高まる中で、中国共産党は、米国での黒人男性、ジョージ・フロイド氏の死を利用したプロパガンダ攻撃を仕掛けている。中国外務省の華 春瑩・報道官は、フロイド氏の最後の言葉「息ができない」を使って、米国を批判した。

  だが、中国の”ネット人民”は彼女の言葉に同意していないようだ。ツイッター・ユーザーの中には、現在続いている中国公安の人権派などへの残虐行為や1989年の天安門での民主化運動圧殺事件を引用し、「彼女(報道官)は本当にちゃんと呼吸をしているのか」と皮肉った。また、中には、中国本土での公安による残虐行為や香港でのデモ参加者に対する暴行の映像を集めがものをアップする動きもある。

 そして、彼らは、中国政府・共産党が、香港と中国本土の抗議活動に参加する人々を「暴徒」「暴民」とする一方で、米国でのデモ参加者を讃える、という”ダブルスタンダードを使っているのは、笑止千万だ、と批判している。中国で公安警察の残虐行為の犠牲になっている多くの人は苦情を訴えたり、社会から支援を得ることさえできないのだ。

【”ネット人民”の”告発”-中国・深圳の公安警察が若い女性の首を抑え、「息ができない」ようにしている】

 名前と住所を秘匿することを条件に、Bitter Winterの取材に応じたある男性-名前を仮に「張」とするーは、父親が公安警察に拷問されて死亡したと信じている、という。関与したと思われる公安の担当者は起訴されなかった。家族はこれまで37年にわたって、繰り返し、真相究明を求める嘆願書を当局に提出したが、地元の裁判所が訴えを聞き入れられることはなかった。張の兄も「精神病」と通告され、原因不明で死亡、家族全員が「徒党を組んだ罪」で監視下に置かれ、家族は破壊、財産も失った、という。「私たちは勝てないでしょう。家族全員を刑務所に行くリスクにさらすかもしれない」と首をうなだれた。

*残忍行為で死に至らしめた証拠があっても無罪判決

 37年前、張がまだ少年だった時、彼と兄弟たちは父親の恐ろしい死にざまを見せつけられた。父親は、村民の権利を守るために仲間と集まったが、間もなく姿を消した。

 その3日後、公安警察当局から、家族に、尋問室にいる父親に会いに来るように言われ、出かけてみると、父親は1メートルの高さの窓にぶら下がり、一本のロープが体から地面に垂れていた。首を絞められて殺されたように見えたが、首の周りにうっ血は見られなかった。だが、よく見ると、父親の頭に裂傷とコブ、そして背中には、鉄製のかすがいのようなものでつけられたとみられる傷が三つあった。

 内部の関係者によると、彼らの父親が逮捕された後、最初の二日間、監禁されていた尋問室から恐ろしい悲鳴が聞こえたが、三日目には静かになった、ということだった。だが、裁判所は、父親が拷問を受けたことを示す証拠がある、との張の家族の訴えにもかかわらず、「自殺」と判断、関係した公安の担当者全員が無罪となった。

 中国では、拷問を受けたとする手がかりがいくつあっても、残虐行為の被害者家族に真実が伝えられることはない。監視記録や検死報告の改ざん、証拠を消すために死者の遺体を焼却することは、日常茶飯事だ。だから、犠牲者の家族が死因を突き止めたり、関与した公務員を裁判にかけたり、合理的な補償のために戦ったりすることは、いっそう難しい。

*37年も真相究明の請願を繰り返したが

 無罪判決が出た後も、父親が無残な死を遂げた張の家族は、真相究明を求める請願を当局に繰り返したが、理不尽な被害を受け続けた。請願の先頭に立っていた長兄が、ある天気のいい日に海に釣りに出掛けたが、”溺死”した。公正な判断や真相究明を求めて嘆願を繰り返す人々の活動が「偶然の死」あるいは「自動車事故」で終わるのは、中国では珍しいことではない。張は、兄が”偶然死んだ”とはまだ信じられないでいる。

 長兄の死後、次兄が請願活動の後を継いだが、10年後に、地方の公安当局の手で精神病院に入れられた。担当医からは、「彼の偏執的な精神疾患の症状の1つは、父親の死について政府に大げさな補償を求めていることだ」と説明され、その後、退院したものの、「身体に異常をきたしていました。食事中、手が激しく震え、箸を使うことができなくなった。仕事をする能力を完全に失ったようです」と張はBitter Winterに語った。また、次兄は家族に、病院から「薬」を強制的に飲まされ、拒否すると、警備の者に殴打されるのだ、と説明したという。

*”国営”メディアに頼ろうとしても…

 張は請願を続けた。彼の弁護士から「メディアに報道してもらい、世間の注目を引くことで政府当局に圧力をかけることができなければ訴訟に勝つ見込みはほとんどない」と言われたが、中国のメディアは国家に属している。メディアの注目を集めるために、彼は公開イベントに出席したが、”残念”なことに、ジャーナリストの代わりに公安の注意をひいた。当局のブラックリストに載せられ、「これで、私の娘は学校を卒業しても、良い仕事に就けなくなる。それは確実です」と嘆いた。

 長い年月にわたって嘆願を続けた結果、張は16万人民元(約2300ドル)の借金を抱えている。母親は適切な治療を受ける料金が払えずに亡くなった。家族全員が厳重な監視のもとに置かれ続け、張の妻はそれに耐えきれずに、離婚してしまった。残酷な現実に押しつぶされそうな張は、「共産党の支配下にある中国社会はとても暗い」と語り、嘆願を続ける中で、同じような悲惨な経験をする人が多いことを知るようになった、と述べた。

 

*米国と中国が決定的に違うのは…「難しい」ではなく、「不可能」なこと

 このような張とその家族の悲惨な運命は、残虐行為を働いた警察官を裁判にかけることが、米国では「難しい」かもしれないが、中国では「不可能」だということを示す好例だ。

 一部の”ネット人民”が言うように、警察官が残虐行為を働いた時、米国では、人々は表に抗議に出かけたり、ホワイトハウスの前で抗議デモをすることさえ許されている。共産党が管理する中国のメディアは「米国で起きている抗議デモは、この国がカオスにあることを示している」と書き立てているが、実際は、米国で民主主義が機能していることを示している。中国では、公安警察の残虐行為に抗議した人々は、刑務所あるいは精神病院に入れられるか、もっと悪い状況に置かれることになるのだ。

 米国家安全保障担当のロバート・オブライエン大統領補佐官は、先日の米ABCニュースの取材に「中国と私たちの違いは、ジョージ・フロイド氏を殺害した警官が起訴される、ということだ。彼は調べられ、公正な裁きを受けるだろう」と語っている。一中国人として、筆者は、その通りだと思う。

 

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

*Bitter Winter(https://jp.bitterwinter.org )は、中国における信教の自由 と人権 について報道するオンライン・メディアとして2018年5月に創刊。イタリアのトリノを拠点とする新興宗教研究センター(CESNUR)が、毎日4か国語でニュースを発信中。世界各国の研究者、ジャーナリスト、人権活動家が連携し、中国における、あらゆる宗教に対する迫害に関するニュース、公的文書、証言を公表し、弱者の声を伝えている。中国全土の数百人の記者ネットワークにより生の声を届け, 中国の現状や、宗教の状況を毎日報告しており、多くの場合、他では目にしないような写真や動画も送信している。中国で迫害を受けている宗教的マイノリティや宗教団体から直接報告を受けることもある。編集長のマッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)は教皇庁立グレゴリアン大学で学んだ宗教研究で著名な学者。ー「カトリック・あい」はBitterWinterの承認を受けて記事を転載します。

 

2020年6月16日

・新型コロナウイルスの大感染の教訓…バチカンに「災害担当の部署」が必要?(Crux)

(2020.6.11 Crux Editor  John L. Allen Jr.)

 ローマ発ー米外交問題評議会(CFR)が発行する国際政治経済誌「Foreign Affairs」は最新号で、「The World After the Pandemic(ウイルス大感染後の世界)」という大胆な見出しを掲げた特集を載せている。

 その特集が示す新型コロナウイルスの教訓をもとにすべきことは、次の世界的な感染が「もし来たら」ではなく、「いつ来るか」に備えた計画に着手しなければならない、ということだ。

 ミネソタ大学の感染症研究・政策センターのマイケル・オスターホルム所長と、作家でドキュメンタリー映画製作者のマーク・オルシェイカーは、現在の新型コロナウイルスは「公衆衛生の専門家を徹夜で起こしておく」ほど「Big One(大きなもの)」ではない、と言う。 1918年に世界中で猛威をふるった「スペインかぜ」では、罹患者数6億人、1億人とも言われる死者を出した「が、この死者数は現在の世界人口比でみると約4億人。新型コロナウイルスでこれまでになくなった人の100倍だ。それに比べれば、ということだ。

 だが、新型ウイルスが世界中で多数の感染者、死者を出していることには変わりがないし、これまでの世界の対応は、長期的な備えと短期的な対応の両方で失敗を露呈した、と2人は指摘している。それは、人的、物的資源が足りなかったわけではなく、「過去20年間、国土の安全とテロ対策に米国だけで何十億ドルを費やし、細菌やウイルスによって確実に引き起こされる可能性のある脅威を見逃していたこと」にある。「テロリストは、アメリカ人が続けてきた生き方を急停止させることができないが、新型ウイルスは、それを数週間でやってのけたのだ」。

 大感染が再び起きるとしたらどうしたらいいのか。2人は、軍隊式の対応を提案する。「実際に起きている戦争」ではなく、「いつか必ず起きると分かって戦争」への対応ー今、使うために戦車やミサイルを購入するのではなく、将来、戦闘配置に就くのに備える軍隊だ。具体的に新型ウイルス対策に当てはめれば、今、各国政府がやるべきことは、医療従事者用の個人用保護具を備蓄し、即座に検査が可能な装置の製造能力を強化し、ワクチン開発に大規模な予算を投入することである、と言う。

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 大胆な提案の一つがあるとすれば、それは、バチカンに「災害担当の部署」を創設することだ。その名称がバチカンの役所に似合わないなら、「予期しない災難の中で人々の連帯を促進するための部署」という、ややこしい名前でもいい。どんな名称だろうと、カトリックの総本山に、遅かれ早かれ再発すると皆が分かっている事態に、世界の教会を備えさせる部署を置くことが、絶対に必要だ。

 そして、バチカンの新しい部署が効果的に機能するには、バチカンの既存の他の部署の台本書きに倣わないようにする必要がある。バチカン内部で支配的なイタリア語ではなく、英語を主体として使用するなど、”国際的”でなければならない。国際的な人道援助組織と同様に、世界の医療分野でも使用されているのは英語だからだ。また、その部署を率いるリーダーは、教会において重きをなしている人物でなければならない。”非の打ちどころのない血統”を持ったり、バチカン政治の現実の世界でうまく球を動かす能力があったりする人物は不必要だ。

 新しい部署の果たすべき役割は、次のようなものが考えられる。

 第1に、世界のカトリック教区の大感染対策や計画立案の調整。一般に言われているのとは違って、カトリック教会はバチカンが全てを統制する厳格なトップダウンの組織にはなっていない。実際は、教区長たる司教が”封建領主”のようになっており、”領土”において”絶対権力”をもつ。それが、新型コロナウイルス感染のような世界的脅威を前にすると、それぞれの教区がバラバラで矛盾をはらみ、ひどく脆弱であることが、露呈している。それを改めるためには、足並みをそろえて合理的な対応が出来るように、特定の人物に権限を与える必要がある。

 第2に、世界のカトリックの援助団体と協力して、次の大感染が発生した際に必要になるのが確実な資源の備蓄、供給体制を進めることだ。具体的には、食料と水、救急救命キット、感染保護防具などが含まれる。教会は、政府の失敗を全面的にカバーすることはできないが、最も脆弱な人々の支援なら可能だ。

 第3に、大感染が起きている最中に最も必要とされている霊的支援を特定し、教区やその他のカトリックの組織・団体を助ける一連の「best practices(最善の慣行)」を作り上げることだ。とりわけ重要なのは、新型コロナウイルス感染の経験を通して、”バーチャル霊性”の最も説得力のある形のものを見つけること、感染防止のための全面封鎖による規制を重んじた対面式の司牧ケアを見つけることであり、次の感染の波が来た時に、そうした対応が効果的に行われるような計画を、担当の専門家が立てることだ。

 そして、第4に、国や地方の政府によって、教会活動に制限が課せられた全ての分野における教会の経験を学び、次の公衆衛生上の危機発生の際にとられる公的措置への一連の対応指針をまとめる必要がある。そうする時、司教や他の教会の責任ある指導者たちは、これまでの新型コロナウイルス大感染への対応でみられたこと(注:失敗)を埋め合わせねばならない、と感じないことだ。そして、本当の「Big One]に備えること以上に重要なことを想像するのは至難だ。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも昨年、全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。

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2020年6月12日

・中国では、高齢の信徒たちが”補助金打ち切り”で棄教を迫られている(BW)

(2020.6.6 Bitter Winter

 中国全土で、信仰を実践し続けようとする高齢のキリスト教徒が、公的補助金の支給を停止される動きが出ている。

 新型コロナウイルス・ショックで、中国でも多くの人が家計に打撃を受けているが、中国政府・共産党はキリスト教を信じる高齢者から、生存のための最後の手段、公的補助金を奪おうとしている。つまり、命を保つために、神を信じることをやめろ、と言われているのだ。

 江西省福州市のカトリック教徒の60代の女性。夫が亡くなった2018年以来、政府から毎月250人民元(約35ドル)を支給されてきたが、昨年末になって、地方政府の担当者から、「自宅に掛けてあるイエスの聖画を撤去しないなら、補助金の支給を停止する」と言い渡された。彼はその理由を「お前を養っているのは共産党だ。だから、神ではなく、共産党を信仰しなければならない」と言い、彼女が撤去を拒むと、2か月後に支給が停止された。

 「宗教的迫害で、神への信仰を維持することが困難になっています」と彼女は、BitterWinterの記者に訴えた。

 また、福州市の役人は4月30日、同時に住む別の80代の女性宅に押しかけ、家に飾ってある十字架像を布で覆わないと、高齢者手当の支給を止める、と通告。女性は従わざるを得なかった、という。

 福州市政府は4月下旬から、「帰郷調査」と使って、”宗教調べ”を強化した。信仰を示すような行為を止めさせた場所への”訪問調査”だ。調査の対象とされた高齢のプロテスタントの男性の場合。彼は、身体マヒで8年間、老人ホームに収容されていたが、「信仰を続けるなら、ホームを出なければならない」と同市民政局の担当者に言い渡された。信仰を止めない場合、「5つの保証」、つまり住宅、食料、衣料、医療、および葬儀費用についての公的援助を取り消す、ということだ。

 彼のホームの部屋に置かれていたイエス像は、昨年秋にすでに撤去されていた。「当局は『共産党がお前を養っているのだから、神ではなく、共産党を信じるはずだ。そうしなければ、お前が得ている社会的援助はすべて取り消される』と私に言いました」と言うこの人はBitterWinterに、 「政府からどのように強要されても、私は信仰を捨てません。信仰を守ることで援助を打ち切られるなら、私はもっと早く、神に会うことができる」と悲壮な思いを語った。

 江西省の鷹潭市では、1月19日に市の担当者が、病いのために外出できず、自宅で友人たちと集会を開こうとしたキリスト教徒の女性が、公的補助金の支給を停止された。3月には、別の2人の受給者の信徒の自宅にあった教会歴を取り上げられた。

 また、山東省の大安市に住む70代のカトリック信徒の女性は今年1月、、自宅に家に聖画が飾ってあるのを市の担当者に見つけられ、「共産党の福祉政策の下で暮らすことができている」との理由で、習近平や毛沢東の肖像画に置き換えるように言われた。従わなければ、補助金の給付を止められる可能性があるが、「主イエスの肖像画を削除するように強いることで、当局は私の神への信仰を止めさせようとしました。でも信仰を私の心から奪うことはできません」と言明している。

 4月の終わりに、山東省荷泽市 の貧困者補助金を受けていた数名の高齢の信徒の家にあった十字架などの像を、当局の役人が破壊した。信徒たちは「当局は家庭にそのような像を置いている人々に補助金を与えるべきではない、と言うのです」と訴えた。補助金を受け続けるためには、神でなく、共産党を信じねばならないのだ。

 同じ月に、4月、河南省開封市の貧しいキリスト教徒の女性の家から、教会歴と十字架などの聖画を取り払い、当局の幹部が調査に入る前に家を改装し、便器を取り付けるように命じた。そうした命令は、貧困対策の規則に反するものだった。「収入がないのに、どうすればいいのでしょう。私は、どうやったら彼らを納得させられるのでしょう。文化大革命の時と同じ(注:理不尽なやり方)です」と悲嘆に暮れている。

  (写真は、高齢者手当の支給継続のために、80代の女性が自宅の十字架像を布で覆うことを余儀なくされた)

The cross in a Christian’s home was covered
 

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

*Bitter Winter(https://jp.bitterwinter.org )は、中国における信教の自由 と人権 について報道するオンライン・メディアとして2018年5月に創刊。イタリアのトリノを拠点とする新興宗教研究センター(CESNUR)が、毎日4か国語でニュースを発信中。世界各国の研究者、ジャーナリスト、人権活動家が連携し、中国における、あらゆる宗教に対する迫害に関するニュース、公的文書、証言を公表し、弱者の声を伝えている。中国全土の数百人の記者ネットワークにより生の声を届け, 中国の現状や、宗教の状況を毎日報告しており、多くの場合、他では目にしないような写真や動画も送信している。中国で迫害を受けている宗教的マイノリティや宗教団体から直接報告を受けることもある。編集長のマッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)は教皇庁立グレゴリアン大学で学んだ宗教研究で著名な学者。ー「カトリック・あい」はBitterWinterの承認を受けて記事を転載します。

 

2020年6月11日

・カトリックの未来は聖職者と一般信徒の”シノドス”対話にかかかっている(La Croix)

(2020.6.8 La Croix  Monique Baujard, Véronique Fayet, Marie Mullet-Abrassart, Véronique Prat, Dominique Quinio)

    空席となっているフランスのリヨン大司教候補に進歩派の神学者でジャーナリストのアン・スーパ女史が名乗りを上げたことが、信徒の間で賛否両論の意見が出る一方で、「他の所で起きていることだ」と考え、関心を示さない信徒もいる。このことは、キリスト教徒も、公正で一致したものとなるように世界の動きに関与しなければならないことを、思い起こさせる。彼女の行動はカトリック信徒の想像力をかきたてている。

 それは良いことだが、このような挑発的なふるまいは、本当に必要なのだろうか? 私たち信徒は皆、一緒になって、明日の教会-同時代の人々の経験に基づいた問いを共有していくことのできる教会ーを、思い描くように求められているのだ。

 当然ながら、このような課題は、福音の内容そのものではなく、福音の宣言の仕方、カトリック信徒が信仰を表明し祝うために使用する言葉とシンボルに対する理解が薄れつつある社会で、福音をどのように宣言し、分かち合うかと、関連する。

 急速に変化する現在の世界で、教会は、従来の、踏み慣らされた道から離れる必要がある。教皇フランシスコは、「自分自身の殻から抜け出す教会」を求めることで、そうするように私たちを促しておられる。だが、私たちは伝統的な通念の虜のようになっており、その通念なるものが、男性によって、男性のために、何世紀にもわたって形成されて来たものだ、ということを認めねばならない。

 聖典、過去の出来事と歴史の解釈、神学、制度の統治、説教… すべてが、過去何世紀にもわたって男性の特権だった。それゆえ、「教会の男性たちが、そうした責任を女性たちと分かち合うことを自発的に決める」ことは、まったく明確になっていない。神学が「今のままの状態を維持するために使われる可能性がある」ということを、どうして見落とすことことが出来るだろう。

教会のイメージに亀裂が生じている

 女性との責任の共有は、一般信徒の役割に関するよりグローバルな問題の1つの側面にすぎない。教会の内部で犯された、数多くの、様々な形の虐待のために、今日の教会のイメージに亀裂が生じている。性的虐待、物理的あるいは精神的虐待、そして相手を支配するような暴力的な精神的関係… そうした事件が次から次へと明るみになり、多くの信徒の間に嫌悪感を起こしている。

 個人的な過失や逸脱だけでなく、司祭や共同体の創設者が頻繁にまな板の上に乗せられ、あらゆる方面から疑いの目を向けられる、という話を私たちは目にしてきた。緊急に求められているのは、個々人の脆弱性を考慮に入れた兄弟姉妹的な関係を確立するために、このような”幻覚”を破壊することだ。

 また私たちは、いまだに教会の小教区ごとの”縄張り意識”に縛られているが、それが人々を惹きつけることは、時がたつに従って少なくなってきている。そして、小教区の活動に参加している人たちは、それが自分たちの求めている霊的な成長に役立っているとは、必ずしも思っていない。

 (注:教会外部の)同時代の人々と同じレベルに立つために、私たちは教会に別の場を創らねばならない。そのような動きは、まだ控えめなものではあるが、すでにいくつも始まっている。そして、これは疑いなく、新たな聖職者の職務を考えることを意味する。フランス系ドイツ人のイエズス会士、クリストフ・テオバルドは、統治、御言葉ともてなしのための、従来の職務とは分離された新たな聖職者の職務を提案している。同様に、他の選択肢もある。

*対話の場が不足している

 明日の教会の創造に求められるのは、あるべき姿について、信徒たちが経験している現実とのギャップについて、語ることができ、教会が変容するために働くことができることだ。「そうしなさい」と、教皇フランシスコは「神の民への書簡」で私たちに、強く求めれおられる。

 だが、今の教会には、そのための対話の場が不足している。教会における女性の役割について議論する場がほとんどない以上、「けんか腰で挑発的な態度をとる以外に選択肢がない」と考える人が出てきても不思議はない。

 スーパ女史が大司教候補に名乗りを上げたフランスのリヨン大司教区の管理者、ミシェル・デュボスト司教は、同僚司祭たちに、この問題をあつかう作業部会の設置を認めるよう説得したが、無駄骨に終わった。

 最近の歴代の教皇は、いわゆる「女性の優れた才能」と教会における女性の役割について、数多く書いているが、女性たちとの実際の対話の場を設けたことは、一度もない。

 だが、可能な方法はある。ドイツはその具体例の一つを提供してくれるードイツの司教団が一般信徒との密接な協力のもとに進めるシノドス(共働)方式だ。ここでは、性道徳、女性の役割、権力の行使と性的虐待への対処、司祭の独身制など、微妙な問題も取り扱う。議論と投票は厳格な約束事に従って行われ、司教たちと一般信徒、そして女性が、互いの意見を聞き、互いに相手の主張を熟慮する。

 フランスでは、司教団が、自分たちの所に来て、環境問題について話し合おうと、一般信徒を招いた。環境問題は、私たちのライフスタイルに挑戦し、そして、教会を刷新するのを助ける重要なテーマだ。こうした動きがさらに進することを夢見る人もいるーフランスの司教団は教会が直面している問題のいくつかについて正面から取り組む”全仏シノドス”の準備をする、というような。

 多くのカトリック信徒は、明日の教会を構想することに共に活動する用意が出来ているのだ。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

(注:LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。

LA CROIX international is the premier online Catholic daily providing unique quality content about topics that matter in the world such as politics, society, religion, culture, education and ethics. for post-Vatican II Catholics and those who are passionate about how the living Christian tradition engages, shapes and makes sense of the burning issues of the day in our rapidly changing world. Inspired by the reforming vision of the Second Vatican Council, LCI offers news, commentary and analysis on the Church in the World and the world of the Church. LA CROIX is Europe’s pre-eminent Catholic daily providing quality journalism on world events, politics, science, culture, technology, economy and much more. La CROIX which first appeared as a daily newspaper in 1883 is a highly respected and world leading, independent Catholic daily.

2020年6月10日

・「新型肺炎感染拡大下における中国対外行動の論理」井上・関西学院大学教授(SPF) 

(2020.6.5 SPF=笹川平和財団= China Observer)より転載

 

「新型肺炎感染拡大下における中国対外行動の論理」 井上一郎・関西学院大学総合政策学部教授

はじめに

 中国語の「危機(weiji)」には、「危険」と同時に「機会」というニュアンスがあり、中国人はしばしば危機の中にもチャンスを見出そうとする傾向があるといわれる[1]。コロナウイルスによる新型肺炎が世界中で猛威を振るうなか、中国はいち早く封じ込めに成功する一方で、米国では世界最大の感染被害が出るに至った。

 米トランプ政権がコロナ対策において、グローバル・リーダーシップを示すことができず混乱する間隙を突いて、中国は国際秩序を変革しようとしているとして警戒感を示す声もある[2]。一方で、感染が世界中で深刻な事態にまでに発展したことから、今日、米国のならず多くの国々からも、感染源である中国の初期対応に対しては厳しい視線が注がれており、中国は今や外交的には苦境に立たされているようにも見える。

 その一方で、中国は南シナ海や東シナ海で活動を活発化させ、香港や台湾に対してもこれまで以上に強硬な姿勢を示すようになってきている。また、本来、諸外国との間で調整の役割が期待される中国の外交官までもが最近は強硬な発言を繰り返し、各国の対中イメージをさらに低下させている。本稿においては、新型コロナウイルスによる被害が世界規模で深刻化し、中国を取り巻く国際環境が悪化しつつあるなかでの中国の対外行動の論理を見ることとしたい。

1.中国と国際機関

 2003年のSARS流行時と比較すれば、中国のWHOとの連携は迅速であった。SARSの際には、中国政府は国内感染が深刻になってからもWHOとの協力をほぼ3か月間にわたり拒み続けた。SARSは2002年末に広東省で最初の感染が確認された後、翌年1月中旬以降に省都広州でアウトブレイクが生じ、香港経由で世界に広がった。しかし、WHO調査団が北京に到着した後も、中国衛生当局は広東省への現地調査を許可しなかった。

 これに対し、情報公開に非協力的な中国に業を煮やしたWHOは、4月に入り広東省と香港に対して渡航延期勧告を一方的に発出し、各国もこれに倣って渡航自粛措置をとった。この間、首都北京での感染が本格化し、ようやく中国指導部も大きく政策を転換し、衛生部長を更迭した上で情報公開に踏み切った。

 当時の消極的な対応と較べれば、今回の中国政府のWHOへの姿勢は能動的で、国際機関との付き合いには大きな「進化」がみられる。WHOは中国での感染拡大の報告を受け、1月22日、23日に緊急事態宣言を発出するか否かの緊急委員会を開催した。しかし、その時点では意見が分かれ、緊急事態宣言の発出は約1週間遅れた。会合に参加した中国代表は、自国経済に大きな影響を与える旅行制限が課されることに強く反対したと伝えられる[3]。

 またその後、宣言が発出される直前の1月28日に訪中したテドロスWHO事務局長に対しては、習近平自らが丁重に対応し、テドロスは中国側の初期対応を称賛した[4]。この後感染が世界に拡大し、中国政府の初期対応に国際的な非難が高まった際にも、中国は、WHOは中国の対応を称賛しているとして、専門知識を有し、政治的に公平中立が前提の国際機関の権威をもって自国の行動を正当化した。

 中国はこれまで、西洋思想を基盤にアメリカが支えてきたリベラルな国際秩序の枠組みを正面から否定するのではなく、むしろその枠組みの一環としての自由貿易などを十分に享受しながら発展してきた。

 しかし、今日の中国はこのような国際秩序に関しても、自由や民主、人権といった価値観を重視するリベラル・デモクラシーにもとづく秩序や、アメリカを中心とする安全保障体制についてはもはや支持しない一方で、国連を中心とする国際秩序については引き続き重視する姿勢を示すようになってきている[]。この背景には、数の上で途上国が上回る国連の場を活用することによって、米国やその同盟国に対抗しようとの戦略も見える。

 中国はすでに国連専門機関においてFAO(国連食糧農業機関)、UNIDO(国連工業開発機関)、ICAO(国際民間航空機関)、ITU(国際電気通信連合)の長のポストを占めており、国際機関を味方につけ活用する術を習得したといえる。一方で、このような現状に対する警戒も国際社会に浸透しはじめ、3月に行われたWIPO(世界知的所有権機関)事務総長選挙では中国人候補がシンガポール人候補に敗退した。

 

2.「マスク外交」の失敗

 WHOの支持を得た時点では、中国は自国の外交を有利にコントロールできているように見えた。しかし、感染が拡大し、欧州主要国に伝播した後、米国が最大の感染国となるに及んで、これらの国々の対中姿勢は厳しくなってく。コロナ禍が発生する以前からすでに米中は厳しい対立にあった。中国としては米国と欧州との分断を図るのが従来からの基本戦略ではあったものの、外交の失敗により、すでに存在した欧州主要国の中国への警戒感を更に高める結果となった。

 欧州における感染拡大の初期にイタリアで最も深刻な被害が出たのは皮肉である。イタリアはEU主要国のなかでは、ポピュリズムの台頭など民主主義の基盤が比較的弱いのみならず、経済的にも中国依存が高く、欧州主要国としては唯一、中国の「一帯一路」への正式な支持を表明していた。欧州ではこれまでも、経済的に困窮したギリシャへの中国のアプローチなどがEU全体としての結束を損なうものとして警戒を呼んでいた。

 そして今回、イタリアを含め欧州における感染被害が深刻な国々に対し、中国は積極的に援助を提供しようとした。また同時に、習近平国家主席、李克強総理は各国首脳に対し、王毅外交部長は各国外相に対して、見舞いと協力の電話外交を活発に展開した。

 しかし、英独仏伊などの主要国首脳に対する電話は習近平自らが行う一方で、欧州委員長フォン・デア・ライエンに対しては李克強からであった[6]。求心力が弱まっているEUとしては、加盟国に対するこのような中国の個別アプローチには敏感になっており、EUはその後、台湾からのマスク支援受け入れを決定し、政治的リスクがあるものの中国とのバランスをとったのであった[7]。

 感染拡大への対応を協議すべく中国を外したG7テレビ会議の開催を提唱したのは、フランスのマクロン大統領である[8]。また、ブレグジット後、中国経済への依存を高める姿勢を示していた英国においても反中感情が高まった。これまで経済的配慮から中国への厳しい発言を控えていたドイツのメルケル首相でさえ、中国の透明性に苦言を呈した[]。

 中国はこの間、感染被害が拡大した国々に対して「健康の一帯一路」を提唱したが、このようなスローガンは、多くの民主主義国からみればあまりにもプロパガンダ色の強い印象を与える。まして、国営通信の新華社が報じた「中国は早期に封じ込めしたことにより感染の世界への拡大を防ぐのに貢献したので、世界は中国に感謝すべきである」といった主張は[10]、国際社会では大きな違和感をもって受け止められることになる。

 中国とすれば、信頼回復とともに国際的地位の向上や影響力の拡大を目指したキャンペーンではあったが、国内向けの宣伝スタイルがそのまま海外に発信されているようであった。国際社会の空気が読めないなかでのこのような過剰な外交攻勢はかえって逆効果となり、その後、各国メディアから「マスク外交」のレッテルを貼られ、中国への警戒感をかえって高める結果となった。

 

3.国内の論理による対外認識のずれ

 2003年のSARS流行の際には、政府が感染情報の公開へと政策を転じた後、中国のメディア全体の自由度までもが一時高まった。しかし、今回はむしろ国内統制を強めている。習近平主席と共産党の指導力によって感染の封じ込めができたのであり「党と主席に感謝すべき」との国内宣伝を行うだけでなく、パキスタンのような友好国に働きかけ、諸外国は中国に感謝しているといった報道を国内向けに流している[11]。

 それどころか厳しい対立関係にある米国においてさえ、在シカゴ中国総領事館はウィスコンシン州議会の関係者に中国に対する感謝の決議を要請し、反発と失笑を買ったと伝えられる[12]。国際社会の世論に訴えるパブリック・ディプロマシー(中国語では「公共外交」)は外交の有用なツールとして近年中国も重視している。しかし、今の中国ではこのような外交的努力までもが中国共産党宣伝部にハイジャックされ[13]、「戦狼外交」と言われるような強硬な姿勢によって対外的にはオウンゴールを重ねているように見える。

 このように国内の論理がストレートに外に出てきてしまう背景として、経済面での苦境がこれからも続くなかで、習近平指導部としては自らのリーダーシップによって感染封じ込めに成功したとして、国内の不満や批判を抑えたいという思惑がある。また、近年の米中対立によって中国内のナショナリズムが高まるなかで、対外関係を犠牲にしても強い姿勢によってまず国内での支持を固める必要性がある。

 このような背景の下、対外政策の決定と実施に際しても思考が内向きになっているといえる。さらに、習近平政権になってトップダウンの政策決定が強化され、対外政策を含め政策決定の権限は政府部門から党へとさらに集中が進められてきた。外交政策決定全般の調整を担う従来の外事工作領導小組は外事工作委員会に格上げされ、政策決定権限も強化された。これら制度改革により、党側の意向がトップダウンで実施されやすくなる一方で、行政の側にある現場の冷静な声が届きにくくなっているともいえる。

 このような今日の中国の国内的な雰囲気を反映して、対外関係においても、最近、近隣の国や地域との間で緊張が高まっている。

 台湾との関係では、2月、中国解放軍機が台湾海峡の中間線を超えて飛行、香港については、先般5月に開催された全人代で香港への国家安全法制の導入が決まった。また南シナ海では、4月、中国が新たに行政区を設置する一方で、中国海警局の公船とベトナム漁船が衝突し、ベトナム漁船が沈没する事件も起きている。東シナ海の尖閣周辺海域においても、中国公船の活動は活発化している。

 さらに、中国外交官が強硬な発言を繰り返し、現地の反発を招く事態が最近は頻発している[14]。3月12日、中国外交部の趙立堅報道官が「武漢に新型コロナウイルスを持ち込んだのは米軍かも知れない」とツイッターに書き込み、米国との対立を更にあおることになった。これら「戦狼外交官」と呼ばれる若い世代の外交官の言動からは、今日、外交系統の組織においてさえ、ナショナリステックで対外的に強硬な姿勢を示すことが、むしろ歓迎されるような内部の組織文化が伝わってくる。冷静に考えれば、たとえそのような言動が長期的かつ戦略的な中国の国益を損なうにしても、それぞれの個人や組織にとっての当面の利益にはかなう、という認識がそこには存在するものと思われる。

 一方で、このような状況について、一部の研究者のみならずベテラン外交官は苦々しく思っている様子もうかがえる。先の「ウィルスは米軍が持ち込んだ」とする趙立堅報道官の発言に対しては、崔天凱駐米大使は婉曲的ながらも否定的な発言を行っている[15]。しかしながら、今日の中国において、このような冷静な声は中央の政策決定に届きにくくなっているのだろう。

 

4.高まる不安定要因

 今年の中国経済の成長率についてのIMF見通しは1.2%で、米国をはじめ先進国が軒並み大幅マイナスのなか、現時点でプラス成長を確保する予想である[16]。しかし、これをもって単純にコロナ後の世界における中国の優位を予想はできない。中国は、改革開放以来、天安門事件直後やリーマン・ショック時の一時の停滞はあったものの、過去40年間で今回のような経済的苦境は初めてといえる。

 中国共産党のレゾンデーテルは経済発展であり、成長なくしては民衆の支持を失う。一方、国内においては依然として途上国としての脆弱な経済社会構造も残存している。これまで高い成長が続いたおかげで、社会の低下層であっても一定の経済発展のトリクルダウン(おこぼれ)を享受することができた。しかし、今回のコロナショックは、このような層における零細ビジネスや雇用そのものを直撃することになる。それは社会不満を高め、政権批判へとつながりやすい。これに比べれば、米国の政治や経済社会の構造はより柔軟で、政権運営への批判に対しては、政権交代で応えることができ、長期的にはショックに対する復元力は高いといえる。

 中国の「一帯一路」構想にしても、今後の不安要因が浮かび上がる。「一帯一路」関連プロジェクトは商業ベースの借款が主体である。しかも、他の先進国であれば慎重にならざるを得ないようなリスクの高い案件に対しても、中国は拙速な審査を通じ、比較的高い金利でローンを提供しているケースが多い。その結果、当面続くであろう世界の経済停滞によって、今後借入国で返済不能となる案件が増えることになる。中国が大胆な債務免除といった措置をとらない限り、「一帯一路」沿線国との間でも大きな問題を抱え込むことになる。

 冒頭で述べた通り、米国がコロナ危機に際して国際社会でリーダーシップを発揮できない間に、中国が代わってグローバルリーダーとしてその空間を埋めていくという懸念はある。しかし、今日、世界中で感染がここまで拡大し、中国への視線も厳しくなるなかで、当初は積極的な外交で反転攻勢をめざした中国も、今やダメージ・コントロールに追われているのが現状である。

 米国との関係では、強い姿勢を示すことで国内の支持を集める構造にはあるが、国内経済の厳しい見通しもあり、これ以上対立を深めたくはないというのが本音であろう。同時に、中国をとりまく国際環境が悪化するなかで、米国との武力紛争も含めさらに最悪の事態も想定する必要があるといった議論さえ出てきている[17]。

 国内で高まるナショナリズムを背景として、今日の中国の対外行動においては、悪化する国際環境に対する過剰にディフェンシブな意識と、それゆえに強硬な姿勢が共存している。もちろんこれは中国のみの理由によるものではなく、米現政権の対中姿勢が中国を硬直化させている面もある。しかし、このような状況、特に信頼関係を著しく欠く今日の米中関係においては、互いの抑止行動における「誤認知(ミス・パーセプション)」が生じやすく[18]、また、突発事件が生じた際の危機管理を一層困難にするおそれがある。

 一般に、危機への対応には時間の制約があり、大きな圧力がかかる中で政策決定は高度に最高指導者に集中する。一方で、中国国内では、指導者は米国の要求に対し弱腰だと見なされないように、強硬な姿勢を採りがちになる。今日すでに、米中双方の海軍が展開する南シナ海や台湾海峡では「誤認知」による抑止の失敗、すなわち相手に対し、もうこれ以上の行動を起させないようにかけた圧力がその意図通りには伝わらず、かえって過剰反応を招くなどして紛争に至る心配も出てきている。

 米中両国は、1998年に軍事海洋協議協定(Military Maritime Consultative Agreement: MMCA)を締結し、海上での突発事故の対応に関する手順について合意している。また、99年のユーゴスラビア中国大使館爆撃事件や、2001年のEP-3事件を通じ、米中間で危機管理への意識が高まった時期もある。しかしその後、長い時間が経ち、目下の信頼関係を欠いた状況で、両国の間では危機が発生した時のための十分な準備は出来ていない。

 

おわりに

 比較的早期に感染抑え込みに成功した中国は、感染が世界に拡大しはじめた時点で積極的な援助外交を展開し、失った信頼を回復するとともに影響力を拡大しようと試みた。

 しかし、当初の予想以上に感染が広がり、西欧の主要国、更に米国で最も深刻な事態となるにおよんで、これら国々の国民レベルにおいても中国への反感が高まった。その間、中国の展開した過剰な外交は、習近平自らのリーダーシップで感染を封じ込めたとして、不満や批判をかわしたいとする内向きの論理から来る宣伝色の強いもので、多くの国々の共感を得られず失敗に終わったといえる。

 また、東シナ海や南シナ海での活発な活動の背景には、ナショナリズムが高まるなかで、対外関係を犠牲にしても国内の支持を固めたい、との思惑もあるものと考えられる。

 しかし、中国はその表面的に強硬な姿勢とは裏腹に、予想以上に悪化した国際環境のもと、当面の間はむしろ、ますます大きくなるかも知れない米国による各方面からの圧力に如何に抗していくか、という防御的な意識から、国内情勢の改善および国際環境の再構築に傾注すると考えられる。それは、米国に代わり大きなコストを払ってまで、新たな世界の秩序を創り上げ維持しようとすることではない。むしろ、これまでの延長上で、自由貿易、国連中心主義など、既存の国際秩序のうち自国に有利な部分を活用しながら、影響力の拡大を目指すものとみられる。

【注】

1 ただし、今日の中国で盛んな危機管理研究における「危機管理(weiji guanli)」という表現では、日本語の「危機管理」や英語の “crisis management”とほぼ同じ意味で使用されており、危機は常にチャンスに転化できるとは限らず、積極的な防御と管理が必要であると強調されるようになっている。初暁波「論冷戦後中国外交危機管理決策」牛軍編『中国対外政策分析』世界知識出版社、2003年、316頁。

2 Kurt M. Campbell and Rush Doshi, “Coronavirus Could Reshape Global Order – China Is Maneuvering for International Leadership as the United States Falters,” Foreign Affairs, March 18, 2020 [https://www.foreignaffairs.com/articles/china/2020-03-18/coronavirus-could-reshape-global-order] (Accessed on May31, 2020).

3 産経新聞は1月30日付の仏ルモンド紙の記事を引用し、22、23日の緊急委員会で中国代表として参加した中国大使が緊急事態宣言に強く反対したと報じている。「新型肺炎、『緊急事態宣言出すな』中国が圧力と仏紙報道」『産経新聞』2020年1月30日[https://www.sankei.com/world/news/200130/wor2001300036-n1.html](2020年5月31日最終アクセス)。

4 テドロス事務局長は訪中の際に複数の側近から、中国の初期対応を称賛するにしてもあまり大仰でない文言を使うほうがいいと助言されていたが、新型コロナウイルスが世界に広がっていくなかで中国政府からの協力を失うリスクを心配したといわれる。「批判覚悟で中国称賛、WHOテドロス氏の苦悩と思惑」『ロイター(日本語版)』2020年5月19日[https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-who-tedros-idJPKBN22U34J] (2020年5月31日最終アクセス)。

5 川島真「中国の世界展開―対外進出のねらいと現地からの視線」川島真・遠藤貢・高原明生・松田康博編『中国の外交戦略と世界秩序―理念・政策・現地の視線』昭和堂、2020年、6頁。

6 “EU fires warning shot at China in coronavirus battle of the narratives,” South China Morning Post, March 20.2020 [https://www.scmp.com/news/china/diplomacy/article/3076728/eu-fires-warning-shot-china-coronavirus-battle-narratives] (Accessed on May31, 2020).

7 “EU leader Ursula von der Leyen risks Beijing’s ire by lauding Taiwan’s donation of 5.6 million masks for coronavirus battle,” South China Morning Post, April 2, 2020 [https://www.scmp.com/news/china/politics/article/3078032/eu-leader-ursula-von-der-leyen-risks-beijings-ire-lauding] (Accessed on May31, 2020).

8 その後、コロナ対応をめぐり、中国も含めたG20や日中韓のテレビ会議も開催されたが、G7のテレビ会議では盗聴を防ぐ秘匿回線が使用されたと伝えられる。「テレビ外交に限界あり 本音交わせぬ世界の首脳」『日本経済新聞』2020年3月30日。[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57407670Q0A330C2TCR000/](2020年5月31日最終アクセス)。

9 「メルケル氏、中国に『透明性要求』コロナめぐり欧米が圧力強める中」『AFP(日本語版)』2020年4月21日[https://www.afpbb.com/articles/-/3279524?pid=22317608] (2020年5月31日最終アクセス)。

10 「理直気壮、世界応該感謝中国『新華網』2020年3月4日[http://www.xinhuanet.com/2020-03/04/c_1125660473.htm](2020年6月4日最終アクセス)。

11 「巴基斯坦参議院通過決議感謝中国支持巴方抗撃疫情 反対針対中国的毫無根据的指控」『人民網』2020年5月14日[http://world.people.com.cn/n1/2020/0514/c1002-31709473.html] (2020年5月31日最終アクセス)。

12 “Why China is Losing the coronavirus narrative,” Financial Times, April.19, 2020 [https://www.ft.com/content/8d7842fa-8082-11ea-82f6-150830b3b99a] (Accessed on May31, 2020).

13 中国政治を研究するスーザン・シャーク、カリフォルニア大学サンディエゴ校教授の表現。 “Global Backlash Builds Against China Over Coronavirus,” New York Times, May 3, 2020 [https://www.nytimes.com/2020/05/03/world/europe/backlash-china-coronavirus.html] (Accessed on May31, 2020).

14 こうした中国外交官による一連の強硬な発言については、以下参照。桒原響子「中国の『戦狼外交』:コロナ危機で露呈した限界と課題」『国問研戦略コメント(202011)』日本国際問題研究所、2020年5月15日[https://www.jiia.or.jp/strategic_comment/2020-11.html] (2020年5月31日最終アクセス)。

15 「崔天凱大使接受AXIOS和HBO采訪実録」『中華人民共和国在美利堅合衆国大使館』2020年3月23日[http://www.china-embassy.org/chn/sgxx/cuids/DSJH/t1759545.htm] (2020年5月31日最終アクセス)。

16 IMF, World Economic Outlook [https://www.imf.org/en/Publications/WEO/Issues/2020/04/14/weo-april-2020] (Accessed on May31, 2020).

17 ロイターが報じた国家安全部による内部レポート(但し、中国当局はその存在を確認していない)では、新型肺炎の感染拡大により米国に率いられた世界的な反中感情が天安門事件以来のレベルにまで高まっており、米国との武力紛争という最悪のシナリオにも準備しておく必要があると指摘している。 “Internal Chinese report warns Beijing faces Tiananmen-like global backlash over virus,” REUTERS, May 4, 2020 [https://www.reuters.com/article/us-health-coronavirus-china-sentiment-ex/exclusive-internal-chinese-report-warns-beijing-faces-tiananmen-like-global-backlash-over-virus-idUSKBN22G19C] (Accessed on May31, 2020).

18 「誤認知(ミス・パーセプション)」による抑止の失敗については、国際政治学者ロバート・ジャービスの以下の著作が代表的。Robert Jervis, Perception and Misperception in International Politics, New Jersey: Princeton University, 1976.

2020年6月8日

・米国全土の抗議行動を、”自己正当化の宣伝”に利用する中国共産党

(2020.6.2 Bitter Winter編集者、Massimo Introvigne)

 米国でのジョージ・フロイド氏の死と香港での民主化運動の弾圧に抗議する人たちに共通するのは何だろうか?-不正に対する抗議がもととなっており、民主主義諸国のほとんどのメディアの共感を得ていること。

 異なるのは、香港では、警察当局の暴力的取り締まりに対する抗議が起きているが、暴力を振るう者はほとんどいないのに対して、米国では、発生当初から、抗議行動を口実にした一部の人々が、関係のない建物の窓を破り、店を襲撃し、商品を盗み出していることだ。

 そして、フロイド氏の死への抗議活動に、米国メディアがどのように反応したか。香港の中国政府・共産党の人権弾圧への抗議活動に、共産党管理の中国のメディアがどのように反応したか。この二つは正反対だ。ほとんどの米国メディアは一部の者の暴力を否定しつつ、フロイド氏への残虐行為につながった人種差別的”文化”を激しく批判しました。これに対して、中国教官等管理下にある中国メディアは、すべての香港の抗議活動参加者を「分離主義者、暴徒」と非難し、街頭に抗議に出た人々の正当な批判の声を完全に無視し、警察の残忍な対応を称賛しました。

 当然予期されたことだが、中国共産党の内外へのプロパガンダは、米国での出来事を都合よく解釈した。「暴動に対する米国の誤った寛容は、民衆のフロイド事件後の不安と破壊につながった」と中国共産党の機関紙・人民日報の系列紙「 環球時報」は”論評”し、暴力行為が、あたかも「米国の都市に侵入した香港の暴動団」によって行われたかのように書き立てた。

  環球時報の胡锡进 ・編集局長は、自身のツイートで「香港の抗議は”美しい光景”」との米下院のナンシー・ペロシ下院議長のコメントを取り上げ、「米国の政治家によって定義された”美しい光景”は、香港から米国に広がった。今、彼らは自分たちの家の窓からそれを目撃できる。ペロシ議長とポンぺオ国務長官に聞きたい。北京は、あなた方が香港で暴動を起こしている者たちを讃えたように、米国での抗議活動を支援すべきだろうか?」と皮肉り、中国外務省幹部たちもそれをツイートで追随した。国営テレビ放送の中国中央電視台(CCTV)も「自分の足元を撃った米国の政治家たちは、香港で暴動を煽るという、苦渋を味わっている」と揶揄している。

 中国はまた、これを利用して、アフリカにおける反米感情を刺激しようとしている。中国外務省の趙立堅・報道官はこう述べた。「米国の状況に対応して、アフリカ連合と多くのアフリカ諸国の指導者たちは人種差別に対する正義を求めている。彼らの声は国際社会の一致した意見であり、米国も注視すべきだ。中国はアフリカの人々の訴えを支持し、協力して、人種的敵意と憎悪のこもった扇動的な言葉を含むあらゆる形の人種差別に断固、反対する」ー中国自身が、新型コロナウイルスの大感染の最中に中国に住むアフリカの人々を差別している、と批判されたのを考えると、このような発言は、いささか矛盾しているようだが。

 中国政府・共産党のプロパガンダは圧倒的な量で行われてはいるが、その言動は矛盾に満ちている。彼らは、米国での抗議デモを「人種差別に対する正当な批判」と讃える一方で、中国が国家安全法を施行し、人権侵害に抗議する香港の人々のデモを禁止し、人権派の人々を抑圧している。そうしておきながら、中国共産党は、香港デモを支持することで示された抗議と暴動に対する米国人の寛容さが、米国における現在の暴力行為の根本原因であり、「中国の安全保障と統制システムの優位性を立証している」と主張しているのだ。

 このような論理は誤りだ。全体主義が、民主主義より優れていることは、絶対にない。民主主義の国では抗議行動が容認されるし、暴力化するかもしれないが、公正な司法制度と社会的責任あるメディアが、正当な抗議と違法な暴力を分けて扱い、違法な活動にブレーキをかけ、人々の自由、基本的人権を保障するのだ。全体主義の国では、政府や党に対するすべての抗議を抑圧し、抗議するすべての人を投獄することで、迅速に”解決”する。それが、中国共産党は香港に対して考えている”解決策”だ。それは、「”安定”が”自由”よりも重要だ、という魅力的な、しかし誤った考えに基づいている。しかし、」自由のない安定」は、「死の安定」と「墓地の平和」に過ぎないのだ。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

*Bitter Winter(https://jp.bitterwinter.org )は、中国における信教の自由 と人権 について報道するオンライン・メディアとして2018年5月に創刊。イタリアのトリノを拠点とする新興宗教研究センター(CESNUR)が、毎日5言語でニュースを発信中。世界各国の研究者、ジャーナリスト、人権活動家が連携し、中国における、あらゆる宗教に対する迫害に関するニュース、公的文書、証言を公表し、弱者の声を伝えている。中国全土の数百人の記者ネットワークにより生の声を届け, 中国の現状や、宗教の状況を毎日報告しており、多くの場合、他では目にしないような写真や動画も送信している。中国で迫害を受けている宗教的マイノリティや宗教団体から直接報告を受けることもある。編集長のマッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)は教皇庁立グレゴリアン大学で学んだ宗教研究で著名な学者。ー「カトリック・あい」はBitterWinterの承認を受けて記事を転載します。

 

 

2020年6月4日