・ロヒンギア難民の危機が忘れられている、彼らは「国際的無関心」の犠牲者だ

A Rohingya refugee walks at a refugee camp in Cox's BazarA Rohingya refugee walks at a refugee camp in Cox’s Bazar 

 

 

 

 

*劣悪な環境に、災害が重なっている

 こうしたことに加えて、バングラデシュが世界で最も災害の起こりやすい地域の一つであることを、ベガム氏は指摘する。キャンプはかつて森だった場所に作らているため、 「雨が降ると、丘の上に竹などで建てられた小屋は、流される可能性があります。 洪水が起きます。そして、すでに悲惨な衛生状態をさらに悪化させます。大勢が住むキャンプでは、病気が大きな問題で、子供たちや家族はデング熱などの多くの病気に非常に敏感です」。加えて、多くの子供たちは極度の栄養失調に陥っている。

 彼らは故郷に戻ることもできず、長期にとどまっているコックスバザールでの生活は絶望的だ。 難民たちは無国籍であり、「パスポートを持っておらず、ほとんどの政府が認めていない地域で避難生活を送っていますが、このことは、難民には支援を提供する法的義務が関係国にないことを意味します」。

*暴力、児童労働、人身売買、児童婚のリスクにさらされている

 実際、彼らはとても弱い立場にある。「暴力、児童労働、人身売買、児童婚のリスクにさらされている。おまけに、移民として扱われ、移民法違反で拘留されたり、国外追放されたりすることもあります」とベガム氏は言う。

 難民たちは、ほぼ完全に人道援助に依存して生活せざるを得ないのだが、 昨年、食糧援助が削減された後、「絶望したロヒンギャ難民は、『生き残るため』という理由だけで、大量の少女を結婚させたり、少年を働かせたりすることに頼ろうとしている。特にバングラデシュからインドネシアやマレーシアなどの国へ、危険な船旅に出る者も増えている。より良い人生を導き、働くことを望み、場合によっては家族と再会することを望み、命を危険にさらすのです」。

 昨年だけで、そうした人々約600人が死亡している。 「船に乗るということは、人身売買業者の言いなりになり、虐待や搾取の危険にさらされることを意味します。 船に詰め込まれていることが多く、密航業者の手によって身体的虐待を受けることもよくあります」と言う。

 ベガム氏が生き残った14歳の少年から聞いた話によると、「 何百人もの難民を乗せた船が上陸地点に着く数日前に食料と水が尽きそうになってていたにもかかわらず、航行を続け、現地の当局が水と食料の補給のために一時的に上陸を許可された際、難民たちは接岸前に下船させられ、海岸まで歩かされた。

  周辺国は、これらの人々を救い、支援し、思いやりを示さなければならない。しかし、 国際社会 は、ロヒンギャ難民の状況について、もはや理解しようとしていない。 危機の解決のカギはミャンマー軍事政権が握っているが、周辺国など国際社会はさまざまな分野で重要な役割を果たすことができるはずだ。バングラデシュはロヒンギャ難民を受け入れているが、バングラデシュそのものが貧しい国であり、支援には限界がある。他の国々も責任を分け合い、人道支援を通じてバングラデシュを助ける必要がある。

 

*「故郷に戻りたい」にどう応えるのか

 難民キャンプにいる人々は故郷に戻ることを希望しているが、そのためには、安全に暮らすための基本的な権利、市民権が保障され、生き残るためのサービスなどを利用できることが必要だ。だが、今のミャンマーの政治・社会状況は、とてもそのような条件を満たせない。「条件が整うまで、弱い立場にある彼らを支えるか役割は、国際社会にかかっている。国籍もなく、ビザもなく、難民として認められなければ、彼らは非常に困難な状況に置かれ続けるしかないのです」とベガム氏は訴える。

*教皇フランシスコの祈りが届くか

 教皇フランシスコは、これまで何度もロヒンギャのために祈っており、7日の水曜恒例一般謁見でも祈られた。「教皇のような方がロヒンギャ難民の声を代弁してくださるのは、非常に重要。国際社会がロヒンギャを忘れていないことを、難民たちに知ってもらうだけでなく、何よりも、ロヒンギャの状況に、国際的な関心を再び引き付ける必要があるからです。世界で最も弱い立場にある集団の一つである彼らには、声を上げる権利があり、それを受けて、世界の人々は世界の指導者たちに援助を与え、政治的解決策を見つけるよう圧力をかける必要がある。

 

2024年2月11日

・ミャンマー国軍が学校を空爆し、生徒19人以上が死傷

(2024 .2.11  カトリック・あい)

 UCAnews network が9日付けでタイに本部を置く人権団体 Karenni Human Rights Group(KHRG)から得た情報として伝えたところによると、軍事政権の少数民族弾圧が続くミャンマーで、キリスト教徒の多く住むカヤ州の学校が国軍に空爆され、生徒4人が死亡、15人以上が負傷した。

 空爆を受けたのは同州デモソ郡区にあるDaw Saw Ei学校で、死傷したのは12歳から14歳This photo taken on Oct. 29, 2023 shows children praying in a temporary church at a camp for internally displaced people in Demoso township in Myanmar's Kayah stateの少年だった。同じ日には、この学校から3キロ離れた村も襲撃され、1人が死亡、子供5人を含む7人が負傷し、教会と住宅5軒も被害を受けた、という。

 これに関連して、亡命ミャンマー統一政府は6日の声明で、 2021年2月に国軍の軍事クーデターによって選挙で選ばれた民主政府が倒されて以来、ミャンマーでは、少なくとも52の学校が空爆を受け、199の学校が他の理由で被害を受けた、と非難した。 2022年9月にザガイン地方での攻撃で学生11人が死亡した際には、教皇フランシスコが深い哀悼の意を表されている。

2023年10月29日に撮影されたこの写真には、ミャンマーのカヤー州デモソ郡区にある国内避難民キャンプの仮設教会で祈る子供たちが写っている。 (写真:AFP)
2024年2月11日

・カトリック名古屋教区の能登半島地震被害の報告と対応④「のとサポートセンター」開所

能登半島地震被害についての報告と対応(4) 名古屋教区「カリタスのとサポートセンター」が活動を始めました!

+主の平和

 すでにお知らせしたとおり、1月20日(土)より金沢教会内に設置されたサポートセンターが活動を開始しました。これまで続けてきた初動の支援活動を、今後はセンターを中心に計画的な息の長い支援活動へと展開していくことになります。

 私たちは、このセンターの名称を「カリタスのとサポートセンター」としました。これは、カリタスジャパンのセンターではなく、あくまでもカトリック名古屋教区のセンターですが、このセンターを中心に行う活動の中で、教会外の支援活動にかかる費用はカリタスジャパンから出されます。

 その意味で、地域の人々への支援は実質カリタスジャパンが行っているとも言えますし、一般社会にとっては信頼を持たれる団体として認知されていますので、対外的にも「カリタス」の名称をつけることにしました。従って、今後、表題通り「カリタスのとサポートセンター」として活動します。

 一方、教会関連施設や被災した信徒や共同体のため、また特に被災したカトリック幼稚園のために支援をするのも、このセンターの中心的な支援なので、名古屋教区に寄せられた募金はこのために使わせていただくことになります。

 なお、サポートセンターが開設されましたので、今後、現地の状況や活動報告はセンターからさまざまな手段を使って皆さまにお届けすることができるようになります。

 すでに多くの方々、団体からの募金が届いており、感謝の言葉もありません。特に、輪島教会は土地も建物も壊滅的で手の施しようもなく、隣接する海の星幼稚園も、たとえインフラが復旧して開園できたとしても、子どもたちを外で遊ばせることもできません。今後も皆さまのお祈りとご支援をよろしくお願いします。

 1月17日は29年目の阪神・淡路大震災の日でした。東日本大震災の被災者の方々は今も厳しい状況に置かれた方々がおられます。能登半島地震の被災者への関りを通して、こうした人々のことも含めて忘れずに祈り続けたいと思います。

感謝のうちに

2024年1月20日 名古屋教区司教 松浦悟郎

 

*カリタスのとサポートセンター開設と今後の活動について

1.カリタスのとサポートセンター開設

 1月20日、カトリック名古屋教区は能登半島地震災害対応のための拠点として、カトリック金沢教会に「カリタスのとサポートセンター」を開設しました。
*センター長:片岡義博神父 スタッフ:ERSTメンバー、現地スタッフ及びボランティア
*住所:〒920-0962 石川県金沢市広坂1-1-54 カトリック金沢教会内
*携帯電話:1)070-1220-7495、 2)070-1220-7497 *メールアドレス:noto.saposen@gmail.com
*定休日:木曜日 *開所時間:9:00-17:00
*募金受付:

 名古屋教区:教会関連施設とその被災者、および地域被災者支援
 郵便振替口座:00810-5-50605  加入者名:カトリック名古屋教区
 通信欄に「のと地震」や「NOTO」などとお書きください。
カリタスジャパン:カリタスのとサポートセンターを中心とした地域の被災者支援
 郵便振替口座:00170-5-95979 加入者名:宗教法人カトリック中央協議会 カリタスジャパン

2.今後の活動について

a. カトリック幼稚園再開のための水支援

 能登半島地域には2つのカトリック幼稚園があります。
 その一つ「聖母幼稚園」がある七尾市では、電気・ガスは復旧していますが、いまだ断水がつづいており、完全復旧までに2~3か月はかかるとのことです。聖母幼稚園では断水の中、日中、保護者の方がお仕事などで不在の家庭を中心に園児を受け入れ、幼稚園を再開しています。現在はすべての園児の受け入れを開始していますが、保護者が園の状態に遠慮して、子どもを幼稚園に通わせることをためらっているケースも多いとのことです。
 保育に必要な水は、職員の先生方が近くの井戸水を汲みに行き、トイレ、手洗いなどに節約しながら使用しています。

 そこで、幼稚園の運営のために必要な水を支援することを決定しました。水を支援することで、安心して給食や衛生管理を行うことができ、また水を汲みに行かれている職員の方々の負担を軽減し、本来業務である保育に専念していただくためです。水の心配なく保育を行うことで、今まで通りすべての園児が戻ってきてくれることを希望されています。
 主な水支援は、以下の通りです。

  • 給水タンクによるトイレ、手洗い等の水支援 ・ウォーターサーバーによる飲料水支援

 トイレなどへの給水も、「のとセン」スタッフが行い、先生方の負担を軽減します。

 また、輪島市の「海の星幼稚園」では、まだ電気、水道が復旧していないため、幼稚園再開には時間がかかることが予想されますが、こちらも再開に向けての物資支援や水支援を行っていく予定です。

b. みんなが集まれる場作り「じんのび食堂」

 「じんのび」とは七尾の方言で「のんびり」という意味です。
 幼稚園の保護者や地域の方々が温かい食事を食べながら、ゆっくり交流する場として、聖母幼稚園駐車場で炊き出しを行います。炊き出しというよりは、地域の交流のための食堂というイメージです。毎週末行うことを計画しています。
 園に戻ってくることをためらっているご家庭がこの場を通して、幼稚園に戻ってくるきっかけ作りになればと幼稚園の先生方も期待されています。
 幼稚園関係者だけでなく、広く地域の方々、どなたでも参加していただき、ほっと一息つきながら、交流する機会となればと思っています。
 また、交流の中から聞こえてくる、お困りごとなどにも今後、応えていきたいと考えています。 以上

                                         センター長 片岡義博

2024年1月21日

・名古屋教区の能登半島地震被害についての報告と対応③

名古屋教区「のとサポートセンター」について

+主の平和

 皆さまのお祈りとご支援に心から感謝申し上げます。

 これまで、教区はERST(中央協議会・緊急対応支援チーム)の協力を得て、初動の活動をしてきました。この間、多くの方から支援などについての連絡をいただきましたが、現地での支援の難しさや教区側の体制が整っていないこともあり、皆さまの思いに応えられない状態でした。
 こうした中、教区としてこの度、金沢教会内にサポートセンターを立ち上げる運びとなりましたのでお知らせします。正式な開設は今週末になります。

 なお、サポートセンター準備スタッフより、現地の報告とお願いが届きましたので、下記をご覧ください。

 カトリック名古屋教区「のとサポートセンター」(1月20日開設)

    • センタ―長: 片岡義博神父 ・スタッフ : ERSTメンバー、その他ボランティア
    • 住 所 : 〒920-0962 金沢市広坂1—1—54 カトリック金沢教会内
    • 携帯電話: ① 070-1220-7497 ② 070-1220-7495
    • メールアドレス:noto.saposen@gmail.com
    • 定休日:木曜日
    • 《振込先》郵便振替口座番号:00810-5-50605 加入者名:カトリック名古屋教区(通信欄に、「のと地震」または「のと」や「NOTO」などとお書きください)。
2024年1月15日 名古屋教区司教 松浦悟郎

 

現地報告

 地震発災から約2週間が経過し、被災地では慣れない避難所生活や在宅避難などで不安な生活を送られている状況が続いています。しかし、被災地へ向かう道路は少なく、またその道路も地震により亀裂や隆起、土砂崩れなどの影響で通れなくなっており、特に輪島市や珠洲市に向かう道路は非常に限られています。

 そのため、より迅速に緊急物資や緊急車両を被災地に送るため、ボランティアの乗り入れを控えるよう行政から要請が出ています。

 また、特に被害の大きかった輪島市、珠洲市などにお心お寄せいただいている方も多いと思いますが、道路状況は非常に厳しく、また続く余震や冬季の悪天候によりいつ土砂崩れが起きてもおかしくない状況にあります。

 ボランティアセンターが開設されておらず、ボランティアが物資支援や家屋の片づけなどの支援に入れない状況であること、ボランティアを控える要請が出ていることなど、今回の災害に関しては、異例の状況が続いているということを、何卒ご了承いただき、以下のお願いにつきまして、ご理解いただけますようお願いいたします。

1.ボランティア募集について

 上記の通り、被災されたすべての市町で、社協(社会福祉協議会)ボラセン(ボランティアセンター)が開設されておりません。そのため、社協を通した避難所での支援や倒壊した家屋の片づけなどの支援に入ることができないという状況です。のとサポートセンターでは、そのような中で、名古屋教区にできることを模索し、被災地のカトリック教会や幼稚園を通した支援を検討していますが、社協ボラセンが開設されていない今、全国から多くの方にボランティアにお越しいただける状況ではありません。           

 大変もどかしい状況ではありますが、ボランティアに来ていただける状況になりましたら、のとサポートセンターを通してすぐにお知らせいたします。ボランティアの問い合わせ等も含めて、のとサポートセンターからのお知らせをお待ちいただけますようお願いいたします。

2.物資支援について
 物資支援につきましても、ボランティア募集と同様に現在は七尾教会や聖母幼稚園、輪島教会・うみの星幼稚園からの要請に応えた緊急物資支援を行っておりますが、大型の物資要請がないこと、また金沢市内でほとんどの物資が購入可能であることから、現在、物資の募集は行っておりません。

 物資のニーズが入りましたら、のとサポートセンターから告知をいたしますので、それまでは問い合わせを含め、物資の送付はお控えいただけますようお願いいたします。

3.視察について

 多くの皆様が今回の震災について大きな関心をお寄せいただいています。支援につなげるために、被災地の視察を行いたいと検討されている方も多くいらっしゃると思いますが、「のとサポートセンター」のある金沢市から輪島市までは車で約5時間とかなり遠いこと、また、冬の間は雪も多く、道路の状態が非常に悪い中、雪道の走行は亀裂などが見えなくなり走行ができなくなるなどの2次被害の危険性も多いため、視察を目的とした被災地への乗り入れは「のとサポートセンター」としては、行っておりません。

 限られたスタッフで運営をしており、視察のために安全に約往復10時間の道のりを案内するスタッフの精神的、肉体的負担も軽減したいと考えています。

 本来ならば、被災地を視察していただきたいところではございますが、このような状況でありますので、ご了承ください。

 なお、いつか状況が改善し、視察が可能となりましたら、またお知らせします。以上

金沢サポートセンター準備スタッフ

2024年1月16日

・ミャンマー軍政の刑務所で昨年、34人が死亡している(RFA)

Burmese inmates are seen at Lashio Prison in Myanmar’s northern Shan state, Aug. 5, 2020. Photo by RFA

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2024年1月12日

・カトリック名古屋教区から能登半島地震被害についての報告と対応(2)

(2024.1.10 カトリック・あい)

 カトリック中央協議会は1月10日付けのホームページに、能登半島地震の被害地域を司牧区域に持つ名古屋教区の松浦悟郎司教名の同地震被害についての報告と対応(2)を掲載した。内容以下の通り。

 

教区の皆さま

能登半島地震被害についての報告と対応(2)

+主の平和

能登半島地震に関する毎日の報道で、死者、安否不明者、その他被害について、その深刻さが次第に明らかになってきています。皆さまが深い関心をもって見守り、祈ってくださっていることに心から感謝申し上げます。今回、その後の対応と今後について報告をします。

私は北陸地区担当の片岡神父と物資の支援と視察を兼ねて、成井司教、カリタスジャパン、ERST(中央協議会・緊急対応支援チーム)、カトリック新聞のメンバーらと 1 月 7 日(主の公現)に七尾教会を訪問し、隣接の幼稚園園長らの話を聞き、その後で信徒の皆さんと一緒にミサを捧げました。

ミサ後、3 台の車に支援物資を積んで輪島教会(幼稚園)に向かい、何とか無事に支援物資を届けることができました。このことについては、別紙の報告書をごらんください(下記ダウンロード参照)。

今後について

  1. 近いうちに、カトリック金沢教会に「のとサポートセンター」(センター長・片岡義博神父)を立ち上げ、今後の支援の窓口として活動することになります。このセンターから、皆さまへの情報提供、必要に応じた物資支援のお願いやボランティアの受付などが行われることになります。センター開設までもうしばらく時間がかかりますが、立ち上がったらすぐお知らせします。
    <お願い>
    サポートセンターを金沢教会に置く理由は、七尾教会と輪島教会には司祭が不在で、司牧チームは皆金沢の教会で生活しているからです。また、支援のことについて、七尾の聖母幼稚園と輪島の海の星幼稚園にはできるだけ連絡をしないようにお願いします。数日後にはサポートセンターが立ち上がり、幼稚園の状況についても把握しますので、問い合わせなどはこちらにお願いします。
  2. 募金関係は、今後も名古屋教区本部事務局が受け付けます。募金については、カリタスジャパンもはじめていますが、その関係について整理しておきます。
    名古屋教区への募金の目的は教会関連施設とその被災者支援のためです。
    カリタスジャパンは地域の被災者支援のために使われるものです。
    募金の目的は明確に分けていますが、名古屋教区は教会関係だけでなく、地域の被災者のために今後、場所を提供しボランティアを募り活動していきます。そのために、ERST(中央協議会・災害緊急対応チーム)がスタッフを派遣して下さるし、カリタスジャパンに送られた支援金もその活動のために使わせてもらうことになります。
  3. 支援の柱ですが、
    • 第一は教会関連施設の復旧と同被災者の支援です。、特に、輪島教会は使用不可能な状態にありますが、名古屋教区最北端に位置する教会としてどうしても再興する必要があります。輪島教会の日本人は少ないですが、タガログ語ミサにはフィリピン人が 20 名ほどが参加します。丘の上に建つ輪島教会と幼稚園はいずれ、地域への支援の拠点になると思いますが、その土手の擁壁がくずれているため、そこを直す必要があります。
    • 第二は、地域への支援活動です。その手始めとして、七尾教会も輪島教会もカトリック幼稚園が隣接していますので、その幼稚園の協力を得て園児やその家族の支援をおこなうことから始めます。7 日に届けた支援物資はその最初のものでした。
  4. 今後、具体的な支援拠点を被災地に作っていく予定ですが、金沢のサポートセンターを中心にして、まず金沢と七尾の中間にある羽咋(はくい)教会、そして七尾教会(幼稚園と協力)に拠点をつくり、その後、輪島教会(幼稚園と協力)に入りたいと考えています。
  5. 司牧の面ですが、北陸地域(福井県、石川県、富山県)は複数の司祭でチーム的に協力しあっていますが、人数も少なく高齢化しています。これに災害支援の中心にもなるということで、司祭が足りず、現在、教区内の修道会の司祭の派遣をお願いしているところです。

その他

* 募金ですが、お知らせした口座に「のと地震」と明記するように」お願いしましたが、外国人の方からの問い合わせで、漢字が難しいという指摘がありました。そこで、こちらで受け付けるとき、「NOTO」あるいは「のと」だけでも結構です。

引き続き、皆さまのお祈りとご支援をよろしくお願いします。
日々の祈りの中に、下記の「災害被災者のための祈り」を加えていただけたら幸いです。

【災害被災者のための祈り】

父である神よ、
すべての人に限りないいつくしみを注いでくださるあなたに、
希望と信頼をこめて祈ります。
災害によって、苦しい生活を送り、
不安な日々を過ごす人々の心を照らし、
希望を失うことがないよう支えてください。
また、亡くなられた人々には、永遠の安らぎをお与えください。
すべての人の苦しみを担われたキリストが
いつもともにいてくださることを、
祈りと行動によってあかしできますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。
(2021 年 2 月 16 日 日本カトリック司教協議会認可)

【能登半島地震 石川地区の状況について(2024年1月9日)(報告:石川地区 片岡)】

1月4日以降の能登半島地震の被災地状況、支援状況についてご報告します。

1月5日(金)
七尾幼稚園より断水により片づけが進まないとのことで、水タンク20個(計300L)を運搬。ほか必要な支援物資の確認をしてきました。

1月6日(土)
七尾教会信徒、金沢教会信徒数名、司祭チームメンバーの計10名の協力によって、七尾教会の片付けを実施。聖堂、香部屋、司祭館兼信徒の交流の場としてつかっている台所、居間などを、2時間ほどで概ね片付けを完了することができ、翌日からのミサ等で集える状況を整えました。

1月7日(日)
早朝からERST 緊急対応支援チームのメンバーをはじめ、カリタスジャパンの担当司教である成井司教様、そして松浦司教も同行でき、七尾と輪島の各幼稚園からの要望された水をはじめ、園を再開するために必要な救援物資を届けると同時に、現地視察を実施しました。
午前中は七尾幼稚園の園長、主任先生と情報共有をおこない、七尾教会で主日ミサをささげ輪島へ。道路状況が心配されましたが、なんとか七尾から2時間半ほどで輪島に到着。クルマ3台にめいっぱい積んだ救援物資を届けることができました。
先日の第一報で輪島の園長先生から送られてきた写真で想定していた以上に、実際に教会建物、司祭館は壊滅的な状態を感じました。幼稚園の園舎は今のところ大きな被害は確認されていませんが、水道はもちろんのこと、電気もまだ幼稚園までは復旧していない状態です。そのため、もうしばらく休園せざるを得ない状況にはなっていますが、避難生活を余儀なくされている子どもたちの居場所を確保するためにも、いつでも迎えられる準備を頑張っておられます。孤立する被災地にあって、園長先生も大変心細さを感じておられたと思います。今回の物資とともに、司教様方やERSTのメンバーの訪問は、私たちがいる安心感を届けられたのではないかと思います。
本当はもう少し被災地の様子や、信者さんの顔も見に行けたら良かったのですが、雪の降り方が強くなり、道路路面の隆起や亀裂による凸凹状況が見えなくなると困るので、今回は早々に撤収の決断をせざるを得ませんでした。まずは、輪島まで無事に物資を届けることができ安堵しています。

1月8日(月)
午前中に前日の現地視察を終えて、ERST 緊急対応支援チーム、カリタスジャパン成井司教、松浦司教、石川地区司祭チーム、カルメル会今泉神父を交えて、今後の対応について協議(松浦司教報告)午後、七尾幼稚園へ追加の支援物資の運搬、またサポートセンター開設にむけての現地調整を実施。

 

2024年1月10日

・カトリック名古屋教区から「能登半島地震被害についての報告と対応」①

(2024.1.4  カトリック・あい)

1月1日夕に発生した能登半島地震の被災地域は、カトリック教会では名古屋教区の管轄だが、カトリック中央協議会のホームページに1月4日付けで掲載された名古屋教区の教区信徒向けの報告は以下の通り。

 

教区の皆さま

能登半島地震被害についての報告と対応(1)

+主の平和

1月1日に発生した能登半島地震について報告いたします。一般の被災状況は報道などで詳しくされているので、ここでは教会についての報告となります。

1日の地震直後、石川地区司牧者である片岡義博神父が能登半島にある教会に向かいましたが、道路が寸断されて引き返しました。2日に再度行き、七尾教会まで行って状況を確認することができました。輪島教会へは道路事情で行くことができませんでしたが、隣接の幼稚園園長からの報告があり状況が把握できました。

被害状況については片岡神父からの報告が届いていますので、別紙をご覧ください(下記ダウンロード参照)。
なお、私は富山県、福井県の小教区や修道院にも連絡して安否、および被害状況を確認しましたが、被害はほとんどなかったようです。

地震発生直後からカリタスジャパン担当司教である成井大介司教、司教協議会会長の菊地功大司教から支援協力の連絡が入りました。また、バチカン(ローマ教皇庁)は2日、ローマ教皇フランシスコのメッセージを日本側に送り、「地震による人命喪失と被害を知り、深い悲しみにある」とし、「全ての被災者に心から連帯し、特に死者やその死を悼む人々、行方不明者の救助のために祈ることを約束する」と記したことが報道されました。(讀賣新聞オンラインより)
こうした皆さまのお祈り、支援要請に心から感謝します。

1月3日*、名古屋教区(司教、現地から片岡神父、宣教司牧評議会事務局長、カリタス福祉委員会委員長)と中央協議会の緊急対応支援チーム(ERST)とカリタスジャパン担当司教と委員がオンライン会議を行い、状況の確認と今後の方針について話し合いました。

今後について

  1. 現地の状況について=名古屋教区の各小教区、修道院には、これまで通りメールとファックスで随時お知らせします。名古屋教区のホームページは、現在メンテナンス中ですが、能登半島地震情報については見られるようにしますのでご覧ください。
  2. ボランティアについて=今のところ教区として募集することはありませんが、希望される方は地元の社会福祉協議会にお問い合わせください。支援物資についても同様にお願いします。
  3. 募金について=今回の地震では、特に、能登半島の北部にある輪島教会と七尾教会の損傷が激しいので、教区としては被災された方々への支援や復旧のために、皆さまに救援金をお願いすることにしました。救援金は下記の方法で教区本部へお送り下さい。
    なお、教区としては、第一次募金を2024年6月末まで行い、状況によって継続するかどうかはまたお知らせいたします。
《振込先》郵便振替口座番号:00810-5-50605 加入者名:カトリック名古屋教区
通信欄に「のと地震」と明記してください。

*小教区でとりまとめてくださる場合も、上記口座へお振込みください。
*お寄せいただいた救援金は、教区内の教会関連施設等の復旧、同被災者支援
のために充てさせていただきますが、公益性の高い他の活動(被災地域全般)に
ついても使わせていただくことがあります。

これまでにすでにお寄せいただいた支援表明や多くのお祈りを心から感謝いたします。亡くなられた方々への永遠の安息をお祈りするとともに、未だ行方不明の方々の一刻も早い救出、そして、大変な状況の中で避難されている方々のために心からお祈りいたします。

【別紙】

能登半島地震 石川地区・富山地区の状況について(石川地区 片岡報告)

2024年1月1日午後4時10分頃に発生した、能登半島地震の影響について、1月3日午前10時現在の情報をご報告いたします。

 

*富山地区(富山・魚津・高岡・小矢部)について

・富山教会が、聖堂や祭壇の装飾をはじめ、いたるところで倒落、破損等。
・魚津、高岡、小矢部についても同様にご像やモノの散乱があるものの、
→4教会とも、建物自体には今のところ大きな損傷は見当たらないとのこと。

 

*石川地区について

・金沢教会、内灘教会、三馬教会、羽咋教会は、多少ご像やモノの倒落、破損等。
・小松教会はそれに加え、鐘楼外壁の多少の崩れ等があったものの、これらの教会については、おおむね片付いている模様。

 

*七尾教会について

・建物自体は、今のところ外壁の多少の崩れがあった程度。
・室内は聖堂、香部屋をはじめ、司祭館兼信徒の交流の場としてつかっている台所、居間など、ご像や棚、照明器具、ガラスや食器などが散乱。後片付けに、多少時間がかかる見通し。
・併設する聖母幼稚園も建物は新しいものの、外構をはじめ多少の崩れをはじめ、室内も本や教材などが散乱している様子。
・七尾教会の信徒はおおむね安否無事を確認。
・ライフラインについては1月3日 朝現在、水道がとまっているものの、電気は教会、幼稚園は復旧している。

 

*輪島教会について

・1月2日は 七尾から輪島まで足を延ばしたが、主要道路が崩落や隆起、亀裂がはいり、穴水まではなんとか行けたが、その先は大渋滞で車も動かなくなり、状況確認を断念。
・隣接する「うみの星幼稚園」の園長から写真を送っていただく。
・教会は、全壊まではいかないものの、外壁もかなり崩れ、室内も天井のものもをはじめ大きなマリア像、祭壇の天板なども落ちている。被害の大きさを感じる。また建物は 2007 年の能登半島地震の際の影響も残っているので、危険な状態ともいえる。
・写真を撮ってくださった、園長先生の自宅が被災されており、輪島教会の信徒も 1 人の日本人信徒、ミサに来ているフィリピン信徒の多くも 4日 朝までに安否は確認。また2人のフィリピンの方の自宅が倒壊とした情報あり。
・現地までの道路状況が、非常に悪いので、自衛隊、行政支援も苦労している様子。
報道ニュースのたびに、被害者の方の数も増えております。また夜は氷点下を下まわる寒さです。ガソリンスタンドも少なく、燃料も足りず、家が余震で崩れるかもしれない危険もあるので、車中泊されている方々がほとんど。

2024年1月4日

・能登半島地震で、菊地・司教協議会会長がメッセージ

(2024.1.4 カトリックあい)

 日本カトリック司教協議会の菊地会長(東京大司教)は2日付けの「週刊大司教」で以下のようなメッセージを出した。

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1月1日の夕刻、能登半島を中心に大きな地震が発生しました。一夜明けて、現地の状況が報道されています。被害を受けられた皆さまに心からお見舞い申し上げます。

 被害は名古屋教区と、新潟教区に及んでいます。新潟教区の成井司教様からは、新潟県内の教会施設の被害は無い、とのことです。名古屋教区はまだ情報が私のところには来ていません。

 司教団のERST(緊急対応支援チーム)は、カリタスジャパンと共に(どちらも新潟の成井司教様が担当です)、名古屋教区と連携の上、現地の状況確認を進め、今後、教会としての対応を決めていくことになっています。

 司教団のERSTなどの災害対応は、2011年の東日本大震災を教訓に、緊急対応のために設置されたものです。

 詳細は、今後、中央協議会、またはカリタスジャパンなどから発信されることになります。

2024年1月4日

・軍と反政府勢力の戦闘続くミャンマーでは”沈黙のクリスマス”、難民の苦難続く

Christmas decorations on display in YangonChristmas decorations on display in Yangon  (ANSA)

  ミャンマーでは、キリスト教徒たちが、軍事政権と民族反政府勢力との間の戦闘激化の中で、控えめなクリスマスを余儀なくされている。カチン州、カヤー州、チン州、カレン州では、カトリック教徒が戦争で避難した数十万の人々との連帯を示すために”沈黙のクリスマス”を祝った。 

 ミヤンマー軍が2021年2月2日、民主的に選出されたアウン・サン・スー・チー氏の政権を倒して以来、3年近くも政権を掌握しており、抵抗勢力を鎮圧するために残忍な行動をとり続けている。

 クーデター以来、カチン州、カヤー州、チン州、カレン州などに多数生活していたキリスト教は、クリスマスと新年を祝うことができないままだ。

*少なくとも260万人が”国内難民”に

 解放軍、アラカン軍、ミャンマー民族民主同盟軍という3つの民族武装集団が結集した三兄弟同盟(3BHA)は、北部シャン州全域で、国軍に対する大規模な攻撃を開始しているが、過去2か月間でさらに激化し、 戦闘は現在、カヤー州、チン州、カチン州などミャンマーの他の地域にも広がっている。

 国連によると、戦闘が激化した10月27日以来、66万人以上の一般住民が家を追われ、国内難民の総数は約260万人に上っている。

*各地のカトリック教会、信徒たちに深刻な被害

 ミャンマーにはカトリックの教区が16あるが、そのうちロイコー、ペホン、マンダレーを含む12教区が、戦闘の影響を受けている。

 11月、ロイコー教区長のセルソ・バ・シュエ司教によると、軍が、「王たるキリスト」の大聖堂と関連施設を襲撃、占拠し、司教は司祭や修道女たちと追い出された。教区内の教会の半数でも、信徒たちが司祭と安全な場所と思われるところに避難している、という。 シュエ司教はクリスマスメッセージで、教区の信徒たちを励まし、「神を信頼して神の御心に従い、互いを励まし合うように」促した。 シャン州ラシオ教区でも、教会や修道院が被害を受けている。

 

ロヒンギャ危機などで100万人が難民キャンプで悲惨な生活

 

 2016年と2017年に国軍が実施したいわゆる「掃討作戦」でラカイン州の家を追われたロヒンギャの人々、数十万人は、難民となったまま、苦難の日々を過ごしている。ほとんどは隣国バングラデシュに避難しており、そこでは他地域から避難してきた人も含めて約100万人が難民キャンプで悲惨な状況で暮らしている。危険を冒して他のアジア諸国へ行こうとする人もいるが、マレーシア、タイ、そして現在はインドネシアで受け入れを拒否されている。

 

*インドネシア政府も「人身売買犯の関与」など理由に受け入れ拒否に

 インドネシアはロヒンギャの人々に安全な避難所を提供していることで知られていたが、ここ数週間で難民を乗せた船の到着が急増し、スマトラ島北端のアチェ州では住民などの反発が強まっている。 今週初め、学生の暴徒が約137人のロヒンギャが避難していた州都バンダ・アチェの地元公民館を襲撃し、避難民の国外追放を要求したと伝えられている。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、この事件に「非常に驚いている」と述べているが、 インドネシア国内では、住民のロヒンギャの人々への敵意の高まりを背景に、政府に受け入れを拒否するようウ圧力がかかっており、27日には、インドネシア海軍が、州の海岸に近づいていたロヒンギャ難民を乗せたボートを領海外に押し返す行動に出た。 インドネシア政府は、人身売買の犯罪者が関与していることを理由に挙げ、国際社会の理解と、取り締まりの強化を訴えている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2023年12月30日

・麻薬特例法違反容疑で再逮捕・勾留されていた東京教区司祭を、東京地検が拘留期限待たずに釈放

2023年12月18日

(2023.12.18 カトリック・あい)

 カトリック東京教区が「代表役員・菊地功」名で18日発表したところによると、東京地方検察庁は14日、麻薬特例法違反容疑で再逮捕・勾留されていた東京教区司祭を拘留期限を待たずに釈放した。

 以下は、東京教区の公式発表の全文。

 東京教区司祭の釈放について

カトリック東京大司教区 代表役員 菊地 功

 東京教区司祭が令和5 年11 月8 日に覚醒剤取締法違反で逮捕勾留され、引き続き麻薬特例法違反の容疑で再逮捕勾留されていた事案(令和5 年11 月29 日公表)について、東京地方検察庁は、令和5年12 月14 日に勾留期間の満了を待たずに起訴することなく司祭を釈放したので、その旨ご報告いたします。

 当法人としては、司祭が長期間にわたって勾留されたことは極めて遺憾であり、真相の解明を願うとともに、このような嫌疑を招いた課題の抽出及び再発を防ぐための対策について有識者と共に検討してまいります。

 東京教区の皆様をはじめ、当法人を信頼していただいている皆様に多大なご心配をおかけしたことをお詫び申し上げます。

2023年12月18日

・覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された東京教区の司祭が、処分保留のまま別件の麻薬特例法違反容疑で再逮捕

(2023.12.2 カトリック・あい)

 カトリック東京大司教区は11月29日付で菊地大司教名の次のような声明を発表した。なお、問題司祭の氏名、主任司祭を務めていた教会名などは現在も明らかにされていない。

 「東京教区司祭の再逮捕について カトリック東京大司教区 代表役員 菊地 功

 覚醒剤取締法違反による勾留期間の満期である11 月29 日に、当法人の東京教区司祭は処分保留のまま、別件の麻薬特例法違反容疑で再逮捕されました。皆様に重ねて大変なご心配とご迷惑をおかけいたします。

 二つの容疑事実の関係等は詳らかではありませんが、司祭が法令違反の嫌疑を受け、再逮捕された事実を重く受け止めています。現在、捜査当局による捜査が行われている最中であり、当法人といたしましては、適正な捜査により速やかに事案の真相が解明されることを願い、捜査に全面的に協力して参ります。

 現時点では今後の推移について確定的に申し上げることはできないことにつき、ご理解のほどをお願いします。東京教区の皆様をはじめ当法人を信頼していただいている皆様に多大なるご心配をおかけし、心よりお詫び申し上げます」。

2023年12月2日

・カトリック東京教区の司祭が覚醒剤取締法違反の容疑で逮捕-菊地大司教、「重く受け止め、捜査に全面協力」

(2023.11.10  カトリック東京教区)

東京教区司祭の逮捕について

 11月8 日に当法人の東京教区司祭が覚醒剤取締法違反の容疑で逮捕されたことにつきまして、皆様に大変なご心配とご迷惑をおかけしました。

容疑事実は詳らかではありませんが、司祭が法令違反の嫌疑を受け、逮捕された事実を重く受け止めています。現在、捜査当局による捜査が行われている最中であり、当法人といたしましては、適正な捜査により速やかに事案の真相が解明されることを願い、捜査に全面的に協力して参ります。

 現時点では今後の推移について確定的に申し上げることはできないことにつき、ご理解のほどをお願いします。

 東京教区の皆様をはじめ当法人を信頼していただいている皆様に多大なるご心配をおかけし、心よりお詫び申し上げます。

カトリック東京大司教区 代表役員 菊地 功

2023年11月10日

・11月15日に、第25回日韓司教交流会の シンポジウムとミサ 

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第25回日韓司教交流会 2023年11⽉15⽇(⽔)

・14:00~ シンポジウム「今後の韓国と日本の教会の交流」—日本と韓国の教区交流で見えてきたこと—(関口会館ケルンホール)
・16:00~ 「日韓司教交流会25周年記念ミサ」(東京カテドラル聖マリア⼤聖堂)

2023年11月7日

・「教皇様、私たちの教会を救ってください!」—ウランバートルでの教皇ミサに参加した中国の若者の叫び

(2023.9.4  Crux  Senior Correspondent   Elise Ann Allen)

   ウランバートル 発– 教皇フランシスコが3日、モンゴルの首都ウランバートルで司式したミサには、中国本土からも約170人が参加した。その一人のカトリック信者の若者は、Cruxの取材に対し、「中国で教会活動をするのは至難の業です。教皇に、私たちのこのような状況から救って欲しい」と訴えた。

 自らを”李”と名乗るその若者は、「ここモンゴルでは信者たちは活動の自由が求められていますが、中国は違う。活動が認められている教会は、中国共産党・政府のために働く教会です」と述べ、教皇の様々な努力にもかかわらず、抑圧されている「いわゆる『地下教会』のカトリック教徒が多数存在しています」と語った。

 彼は、モンゴルと国境を接する中国北部の内モンゴル自治区に住んでいるが、家族と一緒にモンゴルでビジネスをしており、頻繁に行き来しているため、教皇ミサに参加するためウランバートルに来るのも容易だった、という。

 当局からモンゴル入りが禁じられていたにもかかわらず、中国本土から約170人のカトリック教徒が首都ウランバートルを訪れ、教皇ミサをはじめ様々な関連行事に参加する姿が見られた。

 ”李”氏は、Cruxの取材に、「私は家族のビジネスの都合で教皇ミサ以前からモンゴルに滞在していましたが、ほとんどの中国人は渡航許可を取得するのに苦労していました。渡航許可を申請すると当局の関係者にモンゴル訪問の理由を聞かれ、通常の旅行は理由として認められず、モンゴル行きを諦めた人もいた、と聞きました。当局は当然、事前に教皇のモンゴル行きをしっていたでしょう」と述べた。

 教皇に随行してやってきたバチカンの記者たちから取材された時、多くの中国人カトリック教徒は即座に拒否したが、匿名で話すことに同意した人もいた。その場合、写真に撮られた場合に氏名などを特定されないよう、マスクをし、フードやスカーフで顔を隠していた。ミサに参加した中国の信徒たちは教皇がそばに来られた時だけ、中国国旗を掲げたが、教皇が言ってしまうとすぐに国旗を隠した。

 教皇はミサの会場に向かう途中で、中国国旗を掲げた中国人グループを見つけ、その前で車を止めて手を振り、赤ん坊にキスした。そして、ミサの終わりに、香港から来た新旧の司教二人の手を取り、「私は、あなた方がこのミサに参加される機会を利用して、温かい挨拶をすることを希望していました。香港を含む中国の人々すべての幸せを祈っています。前進を続けてください。中国のカトリック教徒の皆さん、良いキリスト教徒、良い公民であるようにお願いします」と語られた。

 ”李”氏は、「教皇ミサには、祖母、両親、その友人たちも参加しました。教皇のモンゴル滞在は極めて重要なことです。ご存じのように、中国では、教皇の滞在が認められていません」とし、それに比べて国境を隔てたモンゴルでは「神を訪問でき、神を信じ、近づくことができる。本当に素晴らしい、うれしいことです」と述べた。

 続けて、「中国ではすべての行動が抑え込まれ、写真などを友人たちに送ることさえできない。土曜日の朝、公式の歓迎式典に参加した中国人は、たくさんの写真を撮ったが、ちゅごくの友人、知人にそれを送ることができません。友人の一人が中国のチャットグループに写真を投稿したが、誰からも返信はありませんでした。モンゴルに行って、教皇と会ったということを口にするだけで、当局に問題にされる、と恐れているのです」と語った。

  また、そうすることで、「問題にされる」というのは、「モンゴルでの教皇行事に参加したことを当局に知られれば、『お前は、そこにいるべきではなかった』と糾弾されるでしょう。以前、父親の友人が、中国政府が認めていない振る舞いをしている誰かの写真を持っといたのが発覚し、留置場に入れられました。どれくらいの期間か分かりませんが、そこにいさせられました」と言う。中国政府がこれ以上、教会に対して「オープンな姿勢を取ることは想像しにくいが、教皇が中国を訪問できれば、とても喜ばしいことです。私たちは訪問が実現するのを待っています」と述べた。

  バチカンは中国政府と中国での司教任命に関する暫定合意を2018年にしたが、「その後も教会に対する当局の圧力に変化はない。私たち信徒のグループが教会建設のための資金を司祭に渡し、建物ができたものの、わずか2年で当局によって閉鎖されました。当局に分からないようにやっても、見つかってしまうのです」と言う。

 メディアの検閲も厳しく、「当局に都合の悪いニュースは流されない。コロナ大感染の時に、海外のメディアに中国国内の感染の惨状が流出し、感染のひどさを知った中国人もいました。だから、中国国内で流される“官製”のニュースをあまり信用しません。それで、当局はさらに規制を強めるのです」と語っている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。Crux is dedicated to smart, wired and independent reporting on the Vatican and worldwide Catholic Church. That kind of reporting doesn’t come cheap, and we need your support. You can help Crux by giving a small amount monthly, or with a onetime gift. Please remember, Crux is a for-profit organization, so contributions are not tax-deductible.

2023年9月4日

・森一弘・元東京大司教区補佐司教が帰天

(2023.9.2 週刊大司教)

 東京教区の補佐司教を務められたパウロ森一弘司教様が2日土曜日の早朝、84歳の生涯を閉じられました。1985年から2000年まで、白柳枢機卿様が教区大司教であった時代に補佐司教を務められ、また中央協議会でも活躍されました。引退後は、長年にわたって真生会館で活動を続けられ、また全国の修道会や、学校の先生方の研修会などに精力的に取り組まれ、つい数日前にも、先生方の研修会でお話に合っている写真が参加者のフェイスブックに掲載されていました。お祈りください。

 葬儀ミサは、以下の東京教区の訃報にある通り、9月5日お昼から、東京カテドラル聖マリア大聖堂で行われます。

 東京大司教 菊地功

 

【訃  報】

パウロ森一弘名誉司教が、9月2日(土)午前3時39分、上部消化管出血のため、東京逓信病院(飯田橋)にて帰天されました。享年84歳でした。どうぞお祈りください。

葬儀ミサ・告別式の日程は以下のとおりです。

パウロ 森一弘名誉司教 葬儀ミサ・告別式 日時:9月5日(火)12:00 場所:東京カテドラル聖マリア大聖堂 司式:タルチシオ菊地 功 大司教

*共同司式される司祭はアルバ、ストラ(白)をお持ちください。
*参列者の人数によっては、聖堂へのご入場をご遠慮いただく場合がございます。ご理解のほどよろしくお願いいたします。

【略歴】
1938年10月12日 神奈川県横浜市に生まれる。・1954年 4月 3日 栄光学園聖堂にて受洗 ・1967年3月11日司祭叙階(ローマにて) ・1977年8月~1981年3月関口教会助任 ・1981年4月~1985年1月 関口教会主任 ・1984年12月3日 東京教区補佐司教任命 ・1985年2月23日 司教叙階 ・2000年5月13日 東京教区補佐司教退任 ・2023年9月2 日 帰天

役職等 1985年11月~2021年6月  真生会館理事長

 東京教区 事務局長 浦野 雄二

2023年9月2日