「バルセロナの次はローマ、バチカン」テロリストが‶ビデオ予告”(CRUX)

(2017.8.25 Crux Editorial Assistant  Claire Giangravè)ローマ発ー15人を殺害したバルセロナでのテロに続いて、今度はローマとバチカンを対象にする、とイスラム過激派とみられるテロ集団が”ビデオ予告”を流している。

 「イスラム国ーカリフの内にある」と名乗るビデオは親イスラム国(ISIS)メディア、「アル・ハヤット」が配信しているもので、「我々は報復をする」「我々はローマに到着するであろう」などと恐怖心をあおる内容だ。バチカンに対しては、十字架とともに、聖人と聖母マリアの像を破壊する、と脅し、ある男が、教導フランシスコのポスターを半分に破っている映像も流している。

 映像はインターネットを使って流されており、8月24日には、ある都市に向かってナイフを背にした男が立っている映像と、イタリア語で「 “Devi combatterli,” (お前は彼らと戦わねばならぬ) と書かれたメッセージが付けられたものが流された。あきらかにイタリア国内に住むイスラム系過激派へのよびかけと見られている。

 イスラム系過激派のテロ攻撃が欧州でも広がる中で、イタリアとバチカンはこれまでその被害から免れていた。その理由の一つが、イタリアが中東、アフリカからの移民・難民の欧州の玄関口になっているが、テロリストの温床となることが多い移民二世、三世の人口は多数になっていないことが考えられていた。またイタリア警察当局が盗聴などで、過激派の取り締まりを厳しくしていることもあるようだ。

 だが、バチカンのSwiss guardsの隊長は「ローマがテロの対象になるのは時間の問題です。私たちはそれに備えています」とカトリックのウエブサイトで警鐘を鳴らす。バチカンを訪れる観光客を楽しませているSwiss guardsだが、テロリストの攻撃に十分対応できる近代装備の部隊ももっている。また、バルセロナ事件以来、ローマとバチカンの警備体制は大幅に強化されており、バチカンのサンピエトロ広場に至るVia della Conciliazioneにも、狙撃手や武装警察官が多く診られるようになっており、ローマ市内などの多くの通りが通行止めにされている。

(翻訳・「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

 

 

 

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2017年8月26日