*気候変動でザンビアが大飢饉の背戸際に-長期干ばつで200万人が飢える (2020.1.6 カトリック・あい) アフリカ南部のザンビア(人口約1700万人)が壊滅的な長期の干ばつに見舞われ、200万人以上が飢えに苦しみ、大飢饉の瀬戸際に追い込まれている。 英国国営放送BBCが3日、現地からの報道として伝えたところによると、ザンビアでは、2年間にわたる干ばつと食料生産の悪化で、200万人以上が食料不足に苦しむ事態となっている。 原因とされているのは、世界的な気候変動の影響。アフリカ南部の気温は、地域によっては世界平均の二倍以上に上昇すると予想され、とくにザンビアに大きな被害が出ている、という。⇒https://www.bbc.com/news/topics/cdl8n2edezlt/zambia ジンバブエとザンビアにまたがる世界三大瀑布、ビクトリアの滝も水量が激減し、水場を失ったゾウが多数死ぬなど、野生動物にも影響が出ている、という。 この事態を受けて、国連の世界食糧計画(WFP)は、もっとも被害の激しい地域に対して、15年ぶりとなる緊急食糧援助を開始した。 また、VaticanNewsが3日付けで伝えたところでは、ザンビア・カトリック司教協議会のジョージ・コスマス・リング会長は、同国の食料状態について警鐘を鳴らし、政府に対して国際社会から緊急援助を受ける努力をするよう求めている。 アフリカ南部の飢饉はザンビアにとどまらず、ジンバブエ、南スーダン、コンゴ民主共和国、ブルキナファソの一部地域など16カ国の約4500万人が食料不足に直面、うち9カ国の1100万人以上が危機的状況という。デイビッド・ビーズレイ事務局長は「WFPの2020年は、いくつかの地域での大きく、複雑な人道的な戦いで始まった。国によっては、気候変動問題と国内紛争や政治・社会の不安定が結びついて、人々を住まい、農地、労働の場から追い出しており、また、気候変動の強い影響が経済的な破綻、何百万の人々を貧困と飢えの瀬戸際に追いやっている」と窮状を語り、国際社会の支援を訴えている。 ザンビアは、英国の植民地だった国で、英連邦加盟国のひとつ。内陸国で、コンゴ民主共和国、タンザニア、マラウイ、モザンビーク、ジンバブエ、ナミビア、アンゴラ、ボツワナの8つの国に接している。人口は世界銀行によると2018年現在、1735万人。ヴィクトリアの滝があり、アフリカを代表する動物たちも多く住み、自然が大変よく残される一方、北部には銅鉱山が多数存在し、独立以前から銅の生産を主産業とする大鉱産国だ。2018年に発表された世界平和度指数ランキングでは163か国中48位となり、アフリカでもっとも平和な国の一つとして評価されてきた。 だが、1964年の独立以来、中国と経済的、軍事的に関係を深め、国内の鉄道建設などインフラ整備にも中国に依存してきたが、1998年には銅鉱山を買い取った中国人による労働組合設立の弾圧事件が起き、や、2006年の中国人の賃金未払いによる労働者デモで中国人監督が労働者に発砲した事件など、社会不安も起き、政府は対中国を中心に多額の累積債務を抱えるなど、マイナスの影響が深刻化している。 日本は従来からザンビアに対して、無償援助を中心にした援助に力を入れてきたが、中国の存在感に圧倒されているのが現状。 干ばつ対策、飢饉対策の遅れも、このような問題が背景にある、との見方もある。 ツイート
(2020.1.6 カトリック・あい) アフリカ南部のザンビア(人口約1700万人)が壊滅的な長期の干ばつに見舞われ、200万人以上が飢えに苦しみ、大飢饉の瀬戸際に追い込まれている。 英国国営放送BBCが3日、現地からの報道として伝えたところによると、ザンビアでは、2年間にわたる干ばつと食料生産の悪化で、200万人以上が食料不足に苦しむ事態となっている。 原因とされているのは、世界的な気候変動の影響。アフリカ南部の気温は、地域によっては世界平均の二倍以上に上昇すると予想され、とくにザンビアに大きな被害が出ている、という。⇒https://www.bbc.com/news/topics/cdl8n2edezlt/zambia ジンバブエとザンビアにまたがる世界三大瀑布、ビクトリアの滝も水量が激減し、水場を失ったゾウが多数死ぬなど、野生動物にも影響が出ている、という。 この事態を受けて、国連の世界食糧計画(WFP)は、もっとも被害の激しい地域に対して、15年ぶりとなる緊急食糧援助を開始した。 また、VaticanNewsが3日付けで伝えたところでは、ザンビア・カトリック司教協議会のジョージ・コスマス・リング会長は、同国の食料状態について警鐘を鳴らし、政府に対して国際社会から緊急援助を受ける努力をするよう求めている。 アフリカ南部の飢饉はザンビアにとどまらず、ジンバブエ、南スーダン、コンゴ民主共和国、ブルキナファソの一部地域など16カ国の約4500万人が食料不足に直面、うち9カ国の1100万人以上が危機的状況という。デイビッド・ビーズレイ事務局長は「WFPの2020年は、いくつかの地域での大きく、複雑な人道的な戦いで始まった。国によっては、気候変動問題と国内紛争や政治・社会の不安定が結びついて、人々を住まい、農地、労働の場から追い出しており、また、気候変動の強い影響が経済的な破綻、何百万の人々を貧困と飢えの瀬戸際に追いやっている」と窮状を語り、国際社会の支援を訴えている。
ザンビアは、英国の植民地だった国で、英連邦加盟国のひとつ。内陸国で、コンゴ民主共和国、タンザニア、マラウイ、モザンビーク、ジンバブエ、ナミビア、アンゴラ、ボツワナの8つの国に接している。人口は世界銀行によると2018年現在、1735万人。ヴィクトリアの滝があり、アフリカを代表する動物たちも多く住み、自然が大変よく残される一方、北部には銅鉱山が多数存在し、独立以前から銅の生産を主産業とする大鉱産国だ。2018年に発表された世界平和度指数ランキングでは163か国中48位となり、アフリカでもっとも平和な国の一つとして評価されてきた。 だが、1964年の独立以来、中国と経済的、軍事的に関係を深め、国内の鉄道建設などインフラ整備にも中国に依存してきたが、1998年には銅鉱山を買い取った中国人による労働組合設立の弾圧事件が起き、や、2006年の中国人の賃金未払いによる労働者デモで中国人監督が労働者に発砲した事件など、社会不安も起き、政府は対中国を中心に多額の累積債務を抱えるなど、マイナスの影響が深刻化している。 日本は従来からザンビアに対して、無償援助を中心にした援助に力を入れてきたが、中国の存在感に圧倒されているのが現状。 干ばつ対策、飢饉対策の遅れも、このような問題が背景にある、との見方もある。