・教皇、「シリアで続く”非人間的”な内戦に終止符」を訴え

 (2018.2.25 Crux Editor John L. Allen Jr.)

ローマ発―内戦が続くシリアで先日、空爆で多くの犠牲者が出たが、教皇フランシスコは25日正午のお告げの祈りの後、この空爆を”非人間的”なもの、と非難したうえで、このような凄まじい事態を速やかに終わらせるよう、強く訴えた。

 このような事態に対して、教皇は「2月は、7年続いている内戦でも一番ひどい事態が起きています」「何百人、何千人もの市民、子供たち、女性たち、お年寄りたちが犠牲になり、病院は怪我をした人たちでいっぱいになっている・・食べるものを見つけることもできない・・全部が非人間的です」と語り、「邪悪を他の邪悪をもって戦わせることはできません」と言明。

 そして、「私は改めて心から訴えます。このような凄まじい事態をすみやかに終わらせるように、食糧と薬の人道援助が人々に届くように、怪我を負った人、病気の人を危険な地域の外に出すように」とシリア政府と国際社会に強く求め、「そうしたことが、遅滞なく実現するように、神に祈りましょう」とサンピエトロ広場に集まった会衆に呼びかけた。

 フランシスコは、教皇に就任した2013年春以来、シリア和平の実現をバチカンの政治、外交の最優先課題とし、日米欧の主要7か国首脳たちをはじめ関係国首脳への働きかけを続ける一方、シリア難民の保護・受け入れにも努力を続けている。

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2018年2月26日