(2019.7.8 Vatican News)
バチカン広報局のアレッサンドロ・ジソッティ暫定局長は8日、神学生たちへの性的暴行容疑でフランス捜査当局の調べを受けている駐仏大使、ルイジ・ベンツーラ大司教に与えられている外交特権を放棄した、と発表した。バチカンも加盟している外交関係に関するウィーン条約には、「接受国の刑事裁判権からの免除」の放棄についての条項があり、今回の措置は、この条項に基づくものだ。
ジソッティ暫定局長は声明で、外交特権の放棄は「この問題が起きた当初から表明されていた、同案件に責任を持つフランス司法当局に完全かつ自発的に協力する、との当該教皇大使の意志を確認する例外的な態度表明だ」と説明。
声明は、聖座が「ベンツーラ大司教が自由意思で参加」する司法手続きの準備の段階が終了するのを待って、今回の判断を下し、具体的には、6月末に同段階の終了の通知を受け、先週、フランス当局に外交特権を放棄する決定を伝えた、としている。
(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)