・ナイジェリアでミサ中に司祭二人を含む15人以上が殺害される(Crux)

(2018.4.24 Crux staff) ナイジェリアのカトリック教会と政府が24日確認したところによると、同国中東部、ベヌエ州アヤ・ムバロムの聖イグナチオ・カトリック教会がイスラム系暴徒に襲撃され、司祭二人を含む少なくとも15人が殺害された。同教会のあるマクルディ教区の広報責任者によると、襲撃は早朝のミサ中に行われ、まず家々に火をつけ、食料を略奪し、住民を殺害した、という。

 殺された二人の司祭の一人、ゴー神父は生前、フェースブックに「恐怖の中の暮らしだ。フラニ族の放牧民がなお、ムバロムの私たちの周りにいて、この地を去ろうとしない。草を家畜の餌にしている。私たちには頼りとする武器もない」と助けを求める叫びをあげていた。警察は、同州の他の地域に出ており、襲撃を知らなかった。

 同州はナイジェリアのイスラム教徒が多く住む北部とキリスト教徒の南部から成るベルト地帯にあり、過去数年間、イスラム系フラニ族の放牧民によるキリスト教徒を主体とした農民襲撃が続いており、今年に入ってからだけでも、100人以上が殺戮され、50以上の家屋が破壊されている。

 政府当局は昨年、放牧民の定住を促進することで、農民への襲撃を抑える法律を施行したが、国内をあちこち移動する彼らの慣行を改めさせる効果がでないまま、襲撃が続いている。マクルディ教区の広報責任者は、新聞発表の中で「カトリック教会はこれまで、ベヌエ州で教育や技術実習などを含む住民の生活支援を積極的に進めてきた」とし、「そのような活動の中心となってきた司祭までも攻撃対象とすることは、私たちが大切にし、信じてきた全てのことを壊滅させることを意味する」「ベヌエ州以外のナイジェリア国民は現地の惨状にいまだに無関心。このままでは、州民は身の安全を求めて州外にでるしかなくなる」と内外関係者に理解と支援を訴えている。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

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2018年4月25日