(2019.12.4 LaCroix Xavier Le Normand) チリにおける聖職者による未成年性的虐待のスキャンダルはまだ終息を見せていないようだ。バチカンで聖職者による性的虐待問題を担当する教理省は4日、チリの元イエズス会管区長、ユージェニオ・バレンズエラ・ラングの司祭職を性的虐待の罪によりはく奪したことを明らかにした。
イエズス会が出した会員除名に関する声明では、バレンズエラはチリで2008年から2013年にかけてイエズス会管区長を務めた。チリのイエズス管区への書簡で、イエズス会のアルトゥーロ・ソーサ総長は、「職権乱用と性的犯罪を犯した」を犯したとしてバレンズエラの告発を検討していると伝えた。
バレンズエラに関する訴えは2013年に出され、翌年から調査が行われたものの、容疑を裏付ける事実は発見できずにいたが、昨年になって新たな訴えがバレンズエラついて出されていた。
チリのカトリック教会では、有名司祭らの未成年に対する性的虐待とそれを高位聖職者が組織的に隠ぺいしていたことが昨年明るみに出た。同年5月、教皇フランシスコがチリの司教団をローマに召喚して虐待の問題について話し合った際、司教全員が教皇フランシスコに引責辞任を申し出た。うち数人の辞表が受理されたものの、後任候補の司教にまた問題が起き、就任を辞退するという事態を招くなど、教皇からチリの教会全体に問題がある、と厳重注意を受けていた。
(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)
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