・「女性司祭禁止は教会に”緩やかな死”をもたらす」とアイルランドの閣僚(THE TABLET)

(2019.2.12 Tablet  Sarah Mac Donald)

 カトリック国、アイルランドの閣僚がカトリック教会が女性司祭を禁じている問題を取り上げ、「行き過ぎた差別」であり、教会に「緩やかな死」をもたらすだろう、と批判した。

 首都ダブリンのホテルを会場に今週開かれた「 We Are Church Forum」で、講演者として招かれたジョセファ・マディガン文化、伝統、ゲールタハト(アイルランド語=ゲール語=を公用語とする地域)担当大臣が語ったもの。

 マディガン大臣はこれまでも、シノドス(世界代表司教会議)やバチカンの委員会に出席して、教会における女性の役割拡大を求めてきたが、今回のフォーラムでの大臣の演題は「信仰共同体:なぜカトリック教会が女性に全ての聖職を開放すべきなのか」。

 講演の冒頭、「カトリック信徒としての私の見方では、司祭職を務めることを含めて、女性が祭壇に立つことが驚きであってはなりません」と述べ、自身がカトリック教会の一員として語っていることを強調したうえで、「カトリック教会が女性に基礎をおいているにもかかわらず、神が(司祭になるように呼ばれていると感じている女性を)差別すると、本当に信じますか?」と会衆に問いかけた。

 そして、「指導的役割を女性が担わない教会は弱々しい教会です。教会における指導的役割についての考え方の転換が強く必要とされています」と訴え、「私は娘であり、主婦、母親です。私は女性であり、あなた方に言うことができます。『もし、私たちの娘たちに適した教会を望むのなら、心と頭を変える必要がある』と。女性たちは待っています。女性たちは注意して見守っています」と語った。

 会場の外では、彼女の堕胎についての見方や女性司祭の主張に反対する人々が、教会は彼女を「公けに破門すべきだ」と叫んだ。講演の後、マディガン大臣はTabletのインタビューに答え、「そのような声はいつものことです。別に驚きませんし、傷つきもしません」としたうえで、バチカンからお咎めを受ける司祭たちと違って、自分は「カトリック教会の普通の信徒であり、私が現在の教会について考えている不十分な点と差別について話すのは自由です」と自信をもって語った。

(翻訳・「カトリック・あい」南條俊二)

(Tabletはイギリスのイエズス会が発行する世界的権威のカトリック誌です。「カトリック・あい」は許可を得て翻訳、掲載しています。 “The Tablet: The International Catholic News Weekly. Reproduced with permission of the Publisher”   The Tablet ‘s website address http://www.thetablet.co.uk)

 

 

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2019年2月14日