世界中で殺害されたキリスト教徒は昨年3000人以上、前年の二倍(Tablet)

( 2018.1.11 Tablet  Megan Cornwell)

 昨年一年間に、世界中で前年の二倍、3000人以上のキリスト教徒がその信仰ゆえに殺害された。キリスト教徒の迫害問題の解決に取り組んでいるNPO「Open Doors」が”World Watch List”年報の最新版で明らかにしたもので、年報の発行を始めてから26年で最悪の水準だ。

 ひどい迫害が行われている50か国の中で、最もひどいのは11か国。最悪は北朝鮮で過去17年間、迫害国のトップを続けている。イスラム過激派武装集団‶IS(イスラム国)″による恒常的な迫害が続くアフガニスタン、ソマリアがこれに続く。

 それ以外の国では、エジプトとトルコでの迫害が2017年は目立ち、大部分が正教徒の中東最大のキリスト教徒人口をもつエジプトでは、200人が家を追われ、128人が殺害された。年報は、米露などの軍事攻撃を受けたイスラム系テロリストがイラクやシリアから周辺国に逃れ、エジプトなど周辺国にテロが拡散している、という。バングラデシュやフィリピンなどにも広がっている。

 「Open Doors」の英・アイルランド支部代表は「エジプトのキリスト教徒達は、差別や脅迫の集中砲火を浴びながらも、彼らの信仰を捨てません。英国やアイルランドにいる私たちの想像を絶することです」とし、「彼らが受けている迫害は、職場での監視、計画の却下、教会に行く際に標的にされるなど様々です」と説明した。

 このほかの国では、インドやネパールのヒンドゥー教の過激主義者とともに、マレーシアのイスラム過激主義者による東南アジアでの迫害が目立つ。アフリカでも迫害が増え続けており、スーダン、ソマリア、エリトリア、リビアなどがワースト・テンに入っている。

 (翻訳・「カトリック・あい」山田恵子・南條俊二)

(Tabletはイギリスのイエズス会が発行する世界的権威のカトリック誌です。「カトリック・あい」は許可を得て翻訳、掲載しています。 “The Tablet: The International Catholic News Weekly. Reproduced with permission of the Publisher”   The Tablet ‘s website address http://www.thetablet.co.uk)

 

 

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2018年1月13日