☩「あなた方は『明日』ではない、『神の今』だ」教皇、WYD閉幕ミサで

(2019.1.27 VaticanNews Seàn-Patrick Lovett)

 「世界青年の日(ワールドユースデー、WYD)」パナマ大会」は27日、最終日を迎え、教皇フランシスコは「ワールドユースデー・パナマ大会」の閉会行事として、パナマ市郊外のカンポ・サン・フアン・パブロIIで約70万人の若者たちと共に、記念ミサを祝われた。ミサの終わりに、次回大会を2022年、ポルトガルの首都リスボンで行うと発表された。

 教会は閉会の言葉の中で、「マリアと共に、神が私たちの中に蒔かれた夢に、『はい』と言い続けましょう」と呼びかけられた。そして、この日のミサで読まれたルカ福音書の箇所、「この聖書の言葉は、今日、あなたがたが耳にしたとき、実現した」を取り上げ、「今日」を「今」と解釈されたうえで、「イエスは神の今を明かされました…イエスにおいて、約束された未来が始まり、命が吹き込まれたのです」と語られた。

 しかし、「残念なことに、私たちは神が明確で日常的、近くに実際におられるということを、いつも信じてはいません」、なぜなら「近くにいつもおられる神、友であり兄弟は、私たちが周囲に関心をもつことを求めれおられるからです」。「神は、愛が真実であるがゆえに、真実なのです」と強調された。

 そして、教皇は「待合室で、お呼びがかかるまで待っている」ような生き方の危険に言及され、大人も若者も「自分の『今』はまだ来ていない」、つまり、夢を抱き、未来のために働くにはまだ若すぎる」と考えるリスクを冒している、と注意された。

 さらに昨年10月に開かれた「若者シノドス(全世界代表司教会議)」を取り上げて、「この会議は『自分たちが他の人を必要としている』ということ、『夢を持ち、明日のために働く、それを今日から始めるように、励まさねばならない』というこを、はっきりと知るのを助けてくれました」。そして、教皇は「明日ではなく、今… あなた方には使命があり、愛する、ということをはっきりと知ってください」と若者たちに求められ、「私たちは何でも手にするでしょう。しかし、愛の気持ちがなければ、何も持つことはできないのです」と力を込めて語られた。

 また、イエスにとって”間を置く”ということはなく、「人生に合間や束の間の熱狂はなく、私たちにお任せになる心の広い愛をもって、招いておられます」。だから、全ての若者たちも「恐怖や排除、憶測や心理的な操作によって麻痺させられてはなりません」「イエスの具体的で、側にある、真実の愛をはっきりと知るように」と諭され、主とその使命は「一時的なものではない。私たちの人生そのものです」と強調された。

 ミサの終わりに、教皇は「パナマで世界青年の日の夢が現実になった」ことに貢献した全ての人に感謝の言葉をかけたが、最後の言葉は若者たち自身へのものだった-「私たちは旅の途上にいます… 歩き続け、信仰を生き続け、そして信仰を分ちあってください」、そして「あなた方は『明日』ではなく、『合間』でもない、あなた方は『Now of God(神の今)』なのです」と改めて強調された。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

Concluding Mass at Panama(バチカン放送)

教皇、パナマ訪問からバチカン入り、聖マリア大聖堂で祈り

(2019.1.28 バチカン放送)

 教皇フランシスコは、5日間のパナマ司牧訪問を終了し、イタリア時間1月28日午前11時過ぎ、ローマに戻られた。

 教皇は、カトリックの若者たちの祝祭「世界青年の日(ワールドユースデー、WYD)」のパナマ大会に出席のため、1月23日から27日まで、同国を訪れていた。27日午後、パナマでの公式行事を終えた教皇は、トクメン国際空港内でフアン・カルロス・バレーラ大統領と短い会談を行われた。そして、送別式に臨まれた後、バレーラ大統領や現地の教会関係者らに見送られ、特別機でパナマを後にされた。

2 8日、ローマに到着された教皇は、海外訪問などの際に習慣とされているように、市内の聖マリア大聖堂(サンタ・マリア・マッジョーレ)の聖母画「サルス・ポプリ・ロマーニ」の祭壇で、感謝の祈りを捧げ、バチカンにお戻りになった。

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2019年1月28日