クリスマス「生誕地」閑散…ベツレヘム 「エルサレム首都」 抗議デモで(読売新聞)

 

(2017年12月26日 読売新聞朝刊)

聖誕教会前の広場に飾られたクリスマスツリー。例年、大勢の人でにぎわうが、今年は旅行客がまばらだ(25日午後、パレスチナ自治区ベツレヘムで)=金子靖志撮影

 【ベツレヘム(パレスチナ自治区)=金子靖志】キリスト生誕の地とされるパレスチナ自治区ベツレヘムにある聖カテリナ教会で24日夜から25日未明にかけ、クリスマスのミサが行われた。例年、世界中から訪れるキリスト教徒らで教会周辺はにぎわうが、トランプ米大統領が6日にエルサレムをイスラエルの首都と宣言した後、パレスチナ各地では抗議デモが続き、旅行客が減少して観光業への打撃が広がっている。

 聖カテリナ教会に隣接し、キリストが生まれたとされる聖誕教会前の広場。80年以上続く土産店は、閑散としていた。経営者メアリ・ジャカマンさん(53)は25日、「クリスマスシーズンに向けて多くの商品を仕入れたが、トランプ氏の宣言後、客足が途絶えて売り上げはがた落ちした」と語った。

 ベツレヘム市広報官によると、宣言に反発したパレスチナ人によるデモが始まった直後、約2000人のツアー客が旅行を中止し、ホテルの予約もキャンセルが相次いだ。同教会近くのホテル(全80室)のオーナーの男性(43)は「宣言以降全室がキャンセルになって空室の日が1週間近く続いた。先週からようやく予約が入るようになったが、クリスマスのきょうは4割しか埋まっていない」と頭を抱えた。

 パレスチナとイスラエルとの衝突では、これまでにパレスチナ側は少なくとも12人が死亡、負傷者は約4000人に上った。教会周辺も厳戒態勢が敷かれて物々しい雰囲気に包まれている。英国から訪れたというアラン・バートンさん(67)は「トランプ氏の宣言のせいで、せっかくのクリスマスが台無しだ。早く事態が収まって平和な日が訪れることを願う」と話していた。

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2017年12月26日