♰「神の愛に動かされ、隣人に愛をもって奉仕したマザー・テレサを模範にして」-北マケドニア訪問

(2019.5.7 バチカン放送)

 教皇フランシスコは7日、北マケドニアを司牧訪問され、大統領、首相はじめ様々な分野の代表らとお会いになった。ローマ教皇の同国への訪問は、今回が初めて。

 首都スコピエに到着された教皇は、大統領府での歓迎式のあと、ギョルギェ・イヴァノフ大統領を表敬訪問、ゾラン・ザーエフ首相と会談された。大統領府のホールでは、北マケドニアの諸分野の代表者や同国駐在の外交団との出会いが行われた。

 教皇は挨拶で、東方と西方を結ぶ橋、様々な文化の潮流が交差する同国の、古代からの豊かな歴史・文化、力強い自然、素晴らしい宗教芸術などに言及。「中でも最も貴重な財産は、多民族、多宗教で構成されている国の形です」と話され、「文化と民族、宗教のるつぼから、他者を尊重しつつ、自分のアイデンティティーを育て、表現できる『平和で安定した共存と関係』が生まれたことは、相互尊重に基づく兄弟的共存の模範です」と讃え、このような多様性の統合、多様性と基本的人権の尊重が、バルカン半島全域に広がることを期待された。

 また、正教会、イスラム教、カトリック、ユダヤ教、プロテスタントなど様々な宗教や、マケドニア人、アルバニア人、セルビア人、クロアチア人など異なる民族が、この国において、美しいモザイクを形作り、その一片一片は、全体のためになくてはならないもの、と強調され、「この美しさは、新しい世代に伝えられる時、一層、輝きを増すでしょう」と期待を述べられた。

 そして、北マケドニアが進めている中東からの数多くの難民・移民への寛大な支援に触れ、「この連帯の鎖をこれからも大切にしていただきたい」と希望された。

 さらに教皇は、1910年にスコピエで生まれたマザー・テレサを思い起こし、「神の愛に動かされ、隣人に愛をもって奉仕し、見捨てられた人、貧しい人のためにひたすら自らを捧げる生き方を世界に示した生涯」を振り返り、北マケドニアの人々が「この偉大な聖人に倣い、神が自分たちに何を望まれているかを発見するために、熱意と希望をもって努力することができるように」と励され、最後に、北マケドニアの調和の維持と、発展と喜びを願いながら、神の祝福を祈られた。

(編集「カトリック・あい」)

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2019年5月8日