・阿部仲麻呂神父の私見「性的虐待へ個人的感想と解決策の提言」

阿部仲麻呂

■個人的な感慨;

*「名前をもつ、かけがえのない、ひとりの尊い人間」として被害者の話を聴き、時間をかけてその境遇を理解する姿勢を見せる必要がある。匿名の統計上の話題のもってゆきかたをしないようにする、繊細で丁寧なかかわり方が重要である。

*イエス・キリストのことばが想い出された。ー「私を信じるこれらの小さい者たちの一人をつまずかせる者は、その首にろばのひきうすをつけられて、海の中に投げ込まれるとしても、そのほうがその者にとってはまだました」(マルコ福音書9章42節)。

*児童虐待・性的虐待は、子どもの成長を阻害する「犯罪」であり、それ以上に「たましいの殺人」に等しい重大問題である。

*「子どもの成長を阻害すること」は貧しい青少年を社会に増やす結果につながり、社会的文化への重大な背信行為でもある。

*児童虐待・性的虐待への積極的対応を心がけることは、貧しい青少年の諸問題を専門的に解決する使命を生きるサレジオ会の専権事項である。それゆえ、この問題に対処するための専属の会員を任命する必要がある。

■解決策としての提言;

*日本のカトリック教会全体レベルでの児童虐待問題に対処する客観的な第三者を含めた研究チームを発足させる。

*児童虐待被害者や家族のためのケアのための連絡部署を設ける(すでに在る部署を拡大専属化し活動を活性化する)。

*日本のカトリック教会の児童虐待などの調査報告書を作成して教皇に報告し、今後の具体的刷新策を社会的にも公表する。

(2019年2月21日記)

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2019年3月2日