・バチカン国務長官、教皇のタイ、日本訪問の意義を語る(Vatican News)

 

Cardinal Secretary of State Pietro ParolinCardinal Secretary of State Pietro Parolin 

人間を中心に

 長官はまず、「教皇聖ヨハネ・パウロ2世が1984年5月にタイを、1981年2月に日本を訪れて以来、世界は大きな変化を遂げました… グローバリゼーションは世界を当時よりもはるかに小さくし、驚くほどの物理的距離があるにもかかわらず、人々が顔を合わせて話すことを可能にしました」としたうえで、「しかし、教皇フランシスコは、『人が教会の関心の中心にある』ことから、実際にそれぞれの場所で生きている人々と出会うために、そうした遠く離れた場所を訪問したい、と考えておられるのです… 教会は一人ひとりに福音を宣言しなければなりません。彼らが人生の困難な問いに答え、彼らが意味を見つけるのを助けるためにです」と説明した。

 

タイ:宣教の主役となるように

 タイ訪問について聞かれた長官は、「教皇は、350年前にタイに初めて福音を伝えたイエズス会の宣教師の足跡をたどっています… 教皇のメッセージの主要な部分は、キリスト教徒たちに対する、宣教する弟子たちとなれ、との呼びかけになるでしょう」と述べ、また、「教皇は、タイの40万人余りの信徒たちに、聖霊に心を開くように、宣教の『真の主役』となるように、激励することになるでしょう」と語った。「宣教は、それ自体を魅力あるもの、証しするものに変容させる充実感に満たされているのです」と強調した。

日本:非核化と平和

 日本訪問について、長官は「教皇にとって特別に重要です… 教皇は、非核化に向けた努力を強く働きかけることになるでしょう」とし、日本は「いろいろな意味で注目すべき国」であると述べて、広島、長崎と二度にわたる原爆被爆で「大変な苦しみを味わった」が、それにもかかわらず、素晴らしい復興を成し遂げたことを指摘した。

 また長官は、日本は地球的な諸問題への対応を模索するなかで、「伝統と革新の間」にいることを自覚している、と述べ、教皇は訪日中に「私たちの”共通の家”への心遣い、平和と、その必要条件である軍縮の追求」に触れられる、と見通しを語った。

教皇の願い-人々と喜怒哀楽を共にすること

 最後に長官は、教皇フランシスコの今回の訪問が「ご自身に委ねられた人々の喜び、期待、希望、そして悲しみ、苦しみ、矛盾を分かち合うことを熱望されている教皇が、彼らの側に行くことにある」と改めて強調。教皇は訪問先で「全世界と教会全体にとって有効」ないくつかのメッセージを宣言することを予定し、メッセージの中には、キリスト教徒の経験の基本的な要素である宣教の使命として、被造物の保護、断片化され争いの絶えないこの世界のおける平和の促進と訴えることも含まれる、と付け加えた。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

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2019年11月19日