(2019.10.21 バチカン放送)
教皇フランシスコは20日の正午の祈りに先立つ説教で、同日の聖書朗読箇所、「テモテへの手紙二」(3章14節,4章2節)から、「御言葉を宣べ伝えなさい。折りが良くても悪くても励みなさい。とがめ、戒め、励ましなさい。忍耐強く、十分に教えるのです」という使徒聖パウロの言葉を取り上げ、この日、「世界宣教の日」にあたって「すべての信者に、新たな努力をもって、神の御国を告げるために力を合わせるように」と自覚を呼びかけられた。
教皇は、今年その発表から100年を迎えた、ベネディクト15世の使徒的書簡「マキシムム・イッルド」に言及。全教会の宣教的責任を促す同文書の中で、ベネディクト15世は、あらゆる植民地主義の影響から清められ、政治的制約から解放された宣教のあり方を、福音に照らして再考する必要を説いていることを紹介され、「今日もベネディクト15世のメッセージは、自己本位な閉鎖性や司牧上の悲観主義の誘惑を超え、福音の喜びに自らを開くよう求めています」と話された。
グローバル化が著しい現代、民族間の連帯や互いの違いの尊重が育つべきであるにもかかわらず、今もそれを得られず、権力闘争が戦争を引き起こし、地球を破壊している、と述べた教皇は「イエスにおいて慈しみが罪に勝利し、希望が恐れに打ち勝つという、良き知らせをあらゆる場所にもたらすように」と信者たちに促された。
また、「充実した宣教を生きるためには、一つの条件、すなわち熱心で絶えることのない祈りが必要」と強調され、最後に「すべての人々の母、マリアが、福音の宣教者たちを毎日見守ってくださるように」と祈られた。
また、この集いで教皇は、前日の19日、イタリア北部クレーマで、ミラノ外国宣教会のアルフレド・クレモネージ神父の列福式が行われたことを報告。1953年、ビルマで殉教した同神父の、平和の使徒、福音の証し人としての生涯を思い起こされ、「福者クレモネージ神父の模範によって、わたしたちもあらゆる状況下で、兄弟愛のために働く者、勇気ある宣教者となれるように」と祈られた。
(編集「カトリック・あい」)