・「貧困・飢餓克服へ、具体的、現実的な取り組みが必要」教皇、IFAD総会に出席

(2019.2.14 バチカン放送)

 教皇フランシスコは14日、ローマ市内の国連食糧農業機関(FAO)本部で行われた国際農業開発基金(IFAD)第42回総会の開会式に出席され、「貧困と飢餓に苦しむ世界の兄弟姉妹たちのために、これらの問題への積極的な取り組み、責任を果たしてもらいたい」と訴えられた。

 あいさつで教皇は、大気や水質の汚染、天然資源の搾取、水不足、医療システムの不備、ふさわしくない住環境など、世界各地で不安定な状況を生きる人々の叫びに耳を傾け、これらの人々の不安に関心を持つ必要がある、と強調。「貧困と闘い、飢餓を現在と未来から消し去るためには、国際共同体と市民社会、資源を所有する人々の協力と、責任を回避し合うことのない、具体的で現実的な解決を求める姿勢が不可欠です」とされた。

 また、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が掲げる17の目標の最初の2つ「貧困をなくす」「飢餓をゼロにする」を遂行する上で、苦しむ人々の必要に具体的に応えるIFADの事業が非常に重要な役割を果たしていることを評価される一方、「飢餓に脅かされている人々の大半が、世界の農村地帯に暮らし、食料生産に携わっていること」を指摘し、「農村から都会への人口流出という世界的傾向」も無視できない問題として示された。

 そして、「地域の発展の中で、全ての人、全ての共同体が、それぞれの能力を余すところなく発揮し、人間の尊厳にふさわしい生活を送ることができ、農村地域の人々が自分たちの生産と発展の責任ある主役となることができるように」、各国政府や組織の具体的な努力を願われ、「科学技術を貧しい人々への真の奉仕に用い、新しいテクノロジーを地域の文化や伝統と対立させることなく、統合的、相乗的な方法で役立てるように」と希望された。

(編集「カトリック・あい」)

このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年2月15日