☩「召命不足から志願者を採るのをやめるのは『忍耐』の不足。修道会の未来を閉ざす」

 教皇フランシスコ、奉献生活をめぐる会議参加者たちと

(2018.5.4 バチカン放送)

 「『奉献』と『奉献生活』という言葉の様々な意味を教会の今日の現実に照らして考察する国際会議」が3日から4日間の予定でローマで開かれ、教皇フランシスコは4日、約700名の参加者たちとお会いになった。

 バチカンのパウロ6世ホールで参加者たちとの会見で、教皇はまず、「聖霊」は「奉献生活者が世俗の霧の中で迷わず、霊的戦いの中で誘惑に陥らないように真の規範を見出させる助け手、導き手」としたうえで、「聖霊は様々なカリスマを創造すると同時に、その多様性を一致させる力を持っています」と話された。

 そして、奉献生活の柱として3つのP―「祈り(preghiera)」「清貧(povertà)」「忍耐(pazienza)」を示され、まず、「祈り」について、「主との出会い、最初の召し出しに帰るために祈り、その頃の空気を吸い、召命を新たにし続けなければなりません」「多忙と困難の中でも、必ず祈りのための時間を見つけることが大切」と述べ、「どのように忙しくとも、御聖体の前で2時間祈ること」を怠らなかったマザー・テレサを思い起こされた。

 「清貧」について、聖イグナチオ・デ・ロヨラは「奉献生活の母、抑止の壁」と呼んでいたとし、「宗教的奉献を世俗への奉献にしないために、清貧の精神は譲ることのできないものです」とされ、奉献生活から離れさせる3段階として「金銭」「虚栄」「傲慢」を挙げ、中でも「第一の段階、お金への執着に注意を払うことが大切であり、これを防ぐことができれば、他の段階も防ぐことができます」と語られた。

 「忍耐」では、「イエスの忍耐強さに学ぶように」と諭され、「忍耐の中に入る」には、「共同体の生活の中の小さな我慢や微笑の態度から始めることで、最後には自分自身の命の犠牲に至ることができます」と話され、「忍耐は、修道者だけではなく、修道会そのものにも必要」と指摘。その例として、召命不足から志願者をとることをやめる修道会を挙げ、「それは忍耐の不足。その土地における修道会の未来を閉ざすことになります」と警告された。

 最後に、教皇は、「『祈り』『清貧』『忍耐』を心に留め、個人として、また共同体として、奉献生活をより豊かなものにしていくように」と励まされた。

(バチカン放送日本語版をもとに「カトリック・あい」が編集しました)

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2018年5月5日