♰ 「誰一人、軽んじられてはならない」-9月の移民・難民の日-に備え、ビデオメッセージ

 (2019.7.2 バチカン放送)

 教皇フランシスコは2日、9月29日のカトリック教会の2019年度「世界移民・難民の日」(テーマ:「移民だけの問題ではない」)に備えて、ビデオメッセージをおくられた。

 このビデオメッセージで、教皇はスペイン語で次のように述べてられている。

**********

 「これらの小さな者を一人でも軽んじないように気をつけなさい。言っておくが、彼らの天使たちは天にあっていつも、天におられる私の父の御顔を仰いでいるのである」(マタイ福音書18章10節=聖書協会)。

 これは移民だけの問題ではありません。それは、誰一人疎外されてはならないという問題です。

 今日の世の中は、日ごとにエリート主義が拡大し、疎外された人々に対し、より冷酷になっています。発展途上の国々は、彼らの最良の天然資源、人的資源を、わずかな選ばれた市場のために使い果たし続けています。

 戦争は、世界のいくつかの地域のみで起きています。しかしながら、武器の製造と販売は別の地域で行われています。それでいながら、彼らは紛争によって発生した難民を受け入れ、世話することは望まないのです。平和についてしばしば語っても、一方で武器を売っています。これは偽善ではないでしょうか。

 この結果に苦しむのはいつでも、小さく、貧しく、弱い立場にある人々です。彼らはテーブルにつくことも妨げられ、彼らに残されるのは、宴会のパンくずだけです。

 「外に向かう教会」は、勇気をもって行動を起こし、出会いを求め遠くに出かけ、道が交わる場所に到着し、そこで、わたしたち自身が社会として疎外している人々を招きます。

 特権主義的な発展は、富のある人をより豊かにし、貧しい人をより貧しくします。真の発展は、受容すること、受容的であること、です。それは世界のすべての人を加え、彼らの統合的成長を促し、未来の世代を考えることです。真の発展は、受容的で、実り多く、未来に眼差しを投じることなのです」

(編集「カトリック・あい」)

このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年7月3日