♰「若者よ、起きなさい…教会にはあなた方が必要」-若者国際フォーラムで

Pope Francis greets young people taking part in the XI International Youth ForumPope Francis greets young people taking part in the XI International Youth Forum  (Vatican Media)

 (2019.6.22 VaticanNews Christopher Wells)

  バチカン信徒・家庭・いのちの部署主催の第11回国際若者フォーラムが18日から22日にかけてローマで開かれ、最終日の22日に教皇フランシスコが世界100か国以上から集まった約250人の若者たちと特別謁見された。

   今回のフォーラムのテーマは「Youth in action in a synodal Church(協同する教会で活躍する若者)」。「若者、信仰そして召命の識別」をテーマに昨年10月バチカンで行われた「世界代表司教会議第15回通常総会」(通称:若者シノドス)の成果をもとに、具体的な方策を話し合うことを狙いとし、諸司教協議会や世界的な広がりを持つカトリック系運動・共同体の代表のほか、若者シノドスの傍聴者をはじめとする若者たち、専門家などが招かれた。

*エマオでの使徒たちの体験に倣って

 謁見で教皇はまず、参加者たちに、自分たちが「(注:昨年10月の若者)シノドスに出席した司教たちが強く希望した”司牧的転換”の主導者」であることを認識するよう求められた。

 そして、「若者たちに対する教会の使命を理解するための典型的な例として、シノドスが挙げたエマオでの使徒たちの体験を振り返り、今回のフォーラムの開催中に「キリストの聖体」の祝日(注:聖霊降臨後の第二木曜日、今年は6月20日だった)を迎えたことは神の摂理、とされたうえで、「主がもう一度、あなた方の心を開き、この福音書のページを通してあなた方に語りかけることを望まれた、ということではありませんか?」と問いかけられた。

 そのうえで、教皇は「(注:復活されたキリストと共に旅をし、食事をした)エマオでの体験が、使徒たちを、すでに夜だったにもかかわらず、『彼らの心を燃え立たせた』キリストの現存によって照らされ、すぐさまエルサレムに向かわせました」とされ、「今日も、『イエスの中にある新たな命の喜び』をまだ知らない多くの若者たちが経験している『暗闇』の中の『光』となるよう、あなたがた若い人たちは求められているのです」と強調された。

*教会共同体は若者たちの働きを切実に求めている

 教皇はまた、教会共同体にとっての必要性に言及して、エマオへの道でキリストと出会った使徒たちが「自分たちの共同体と共にあることを切実に求められている」と感じたことを指摘。「私たちは何よりも教会共同体の中で、そして世界のいくつもの道の途上で、イエスと出会います… 他の人々にイエスを運べば運ぶほど、私たちは自分の生活の中にイエスの現存を感じることになります」とされ、「争いと憎しみをもたらす分裂が増えていく世界で、若い人々は、一致のメッセージを伝えるものとならねばなりません」と訴えられた。

*2022年のリスボンでの「世界青年の日(WYD)」開催に向けて

 最後に、教皇はパナマで開かれた世界青年の日(WYD)世界大会への参加を振り返るとともに、聖書の二つの箇所-「若者よ、あなたに言う、起きなさい!」(ルカ福音書7章14節)と「起き上がりなさい… 私はあなたを、自分が見たことの証人とする」(使徒言行録26章16節参照)-を黙想することで、2022年の次回に備えるように求められた。

 さらに、リスボンWYDへの旅と昨年秋の若者シノドス後の旅の「調和のとれた結びつき」ができるように希望され、この二つの聖書の箇所が2020年と2021年の世界青年の日の主題として役立ち、「マリアは起き、急いで行った」(ルカ福音書1章39節参照)をテーマに開かれる2022年のリスボンでのWYD世界大会につながっていくことを望まれた。

 「神の声を聞こえないようにしてはなりません。神は、あなた方が起きて、あなた方のために用意した道を歩むように、強く求めておられます… 聖母マリアのように、聖母マリアと共に、あなた方の愛と喜びのすべてを他の人々に、日々、届けることができますように」と祈りで締めくくられた。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

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2019年6月23日