♰「戦争は死と破壊しかもたらさない」-教皇、米・イラン情勢悪化の中で、対話と自制を呼びかけ

(2020.1.5 VaticanNews Devin Watkins)

 米国とイランの間の関係悪化が深刻になる中で、教皇フランシスコが5日の正午の祈りに続いて、国々に自制と対話を強く求められた。

 「戦争は死と破壊しかもたらしません」。教皇は、 特定の国を名指しすることは避けつつ、世界の多くの地域で「ひどい緊張が起きている」とされ、「私は全ての関係者に対して、対話と自制を強く働かせ、敵の影を消すように呼びかけます」と強調。その様な願いを持って沈黙のうちに祈るよう、全ての人に求めた。

 教皇フランシスコの呼びかけは、米軍が3日、イラン革命防衛隊のスレイマニ司令官をイラクで空爆して殺害、イラン国内の反米感情の高まりを背景に同国指導部は米国に報復すると宣言するなど、米国とイランの間の緊張の高まっているのを受けたものだ。

 イラクの首都バグダッドの東方カルデア典礼カトリック教会のルイス・ラファエル・サコ総主教も4日、この米軍によりイラクで行われたイラン軍高官の殺害について、イランの人々を代表して、強い遺憾の意を表明。「私たちの国が、自らの国土、財産、市民を守ることのできる主権国家ではなく、仕返しの場になってしまったのは、嘆かわしいことです」の述べ、節度ある行為を保ち、道理に従って行動し、(戦闘回避へ)合意に努めるよう、すべての国に呼びかけている。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

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2020年1月6日