♰「年配者はケアの対象だけではない、福音宣教の担い手だ」-年配者司牧に関する国際会議で

2020.01.31 Congresso Internazionale La ricchezza degli anniAudience with participants in the International conference on pastoral care of the elderly  (Vatican Media)

(2020.1.31 Vatican News Christopher Wells)

 教皇フランシスコは31日、年配者の司牧に関する国際会議の参加者たちと会見し、年配者は「その出生、背景や、経済的、社会的条件に関係なく、すべての男女が人生の旅の中で形作る貴重な宝物」とされた。

 そして、「人生は贈り物、長い人生は自身にも他の人にとっても恩恵です。いつでも、です」としたうえで、教会に対して、年配者をケアし、「顔に笑みを、手に福音を」携えて」、彼らの所に行くように求められた。

 また、教皇は「世界は人口動態の大きな変化-若者の減少と高齢者の大幅な増加に直面していまする」とされ、「高齢者が直面している問題ー社会的な見当識障害、そして社会の彼らに対する無関心と拒絶など-が、教会と社会に対して、「歳を取ることの価値を認識し、評価することを学ぶために、真摯な反省」が求められている、と強調された。

 会議のテーマに言及した教皇は、「長い人生の持つ豊かさ…は、人々の豊かさ、長い人生経験と歴史を重ねてきた一人一人が持つ豊かさなのです」と指摘された。

 またこの会議を称えるとこもに、「孤立した活動」に留まらず、「司牧の深化と識別の旅の始まり」となるように期待され、さらに「私たちは、私たちの家族や地域社会のメンバーであるとても多くの年配者の存在に対応するために、これまでの司牧の慣行を変える必要があります」と訴えられた。

 聖書の中で「長寿は天の恵み」とされていること、年配者も「神の救いの計画において場所を持っている」ということを、参加者に思い起こさせ、「年配者のもつかけがえにない役割に注目しましょう… 教会は、聖霊の賜物を互いに交換することで神の愛の計画を分かち合うように、全ての世代に求める場になっています…老いも若きも、教会の未来なのです」と説かれた。

 特に教皇が強調されたのは、「信仰の中で子供たち、若者たちを教育するのために、祖父母が、欠かすことのできない輪」であり、「年配者は、教会のケアの対象であるだけでなく、司牧的な福音宣教の担い手、神の忠実な愛の光栄ある証人」となること。

 そして最後に次のように参加者を激励された。「恐れないように。主導権を取りなさい。司教と教区が高齢者に対して奉仕し、そして高齢者と共に奉仕するのを助けてください。挫けずに… 前に進んでください!」

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2020年1月31日