♰「巡礼者として、人々と交わり、共にいる喜びを得た」-ルーマニア訪問を振り返って

(2019.6.5 バチカン放送)

 教皇フランシスコは5日、バチカンで水曜恒例の一般謁見を行われ、講話で、2日までのルーマニア司牧訪問について報告された。

 教皇は、聖ヨハネ・パウロ2世の初訪問以来20年ぶりにローマ教皇のルーマニア訪問が実現したことを神に感謝され、ヨハニス大統領はじめ、すべての関係者の協力に心からのお礼を述べたうえで、今回の訪問のモットー「共に歩もう」の通り、「巡礼者として同国の人々と交わり、共にいる喜びを得ることができました」と述べられた。

 そして、滞在中の様々な出会いを通し、「キリスト者同士」が信仰と愛において、また「市民同士」が社会への取り組みにおいて、「共に歩むことの大切さを訴えました」と話され、教会一致に向けた成果として「ルーマニア正教会のダニエル総主教および聖シノドとの出会い」を挙げ、この機会を通して「記憶の和解と完全な一致を目指しつつ、共に歩むことを願う」というカトリック教会の望みを強調した、と述べた。

 また、ギリシャ典礼とラテン典礼から構成されるルーマニアのカトリック共同体と、ブカレストのカテドラル、スムレウ・チュクの聖母巡礼聖堂、そしてブラジで、3回にわたってミサを捧げることができ、特にブラジでは、自由といつくしみの証人である、7人の司教殉教者の列福式をとり行うことができた、と語られた。

 一方、ヤシでの若者と家族との出会いでは「多様性の豊かさと同時に、ルーツを大切に、自由と創造性のうちに共に歩む道を切り開いていくよう」に求め、ブラジのロマ族共同体との出会いでは「あらゆる形の差別に反対し、民族・言語・宗教の異なるすべての人への尊重」を呼びかけた、 と話された。

 最後に教皇は、この訪問がルーマニアと同国の教会に豊かな実をもたらすことができるよう、聖母の取り次ぎを祈られた。

(編集「カトリック・あい」)

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2019年6月6日