♰「安易な幻想や約束の罠に陥らないように」-教皇、マダガスカルの若者たちに

教皇フランシスコとマダガスカルの若者たち 2019年9月7日 アンタナナリボ教皇フランシスコとマダガスカルの若者たち 2019年9月7日 アンタナナリボ  (Vatican Media)

(2019.9.7 バチカン放送)

 マダガスカル訪問中の教皇フランシスコは7日夕、翌日の教皇ミサの前夜祭として企画された若者たちとの祈りの集いを主宰された。

 首都アンタナナリボ郊外に設けられたイベントスペースには、多くの若者たちが詰めかけ、教皇が到着された夕方には、およそ10万人に達し、伝統的なリズムに乗ったダンスがステージで披露され、代表の青年たちが信仰や生活を通して得た体験を語った。

 「家族の反対を受けながらも、刑務所でボランティアをした」という青年は「受刑者たちとの出会いを通して、自分の人を見る目や評価の仕方が完全に変わりました」と話し、教皇は、この青年が「偏見や批判に陥らず、一人ひとりの人間が秘めている素質や、その人が背負っている固有の人生に気付いたこと」を讃え、「受刑者たちは自身の中の悪のためというより、誤った選択によって道を失う場合が多いのです」と話された。

 また教皇は「神は私たちを罪や過ちで呼ばず、名前で呼んでくださいます。神の目には、私たち一人ひとりが大切に映っているのです」と語られ、若者たちが生きる上で「安易な幻想や約束の罠に陥らないように」と注意され、「主に従い、主と共にいるなら、私たちを麻痺させ、隷属させる声を聞き分け、自分の使命と新しい地平を見出すことができるでしょう」と説かれた。

 代表の一人の女性は「伝統や習慣に大きな隔たりのある部族間の軋轢や試練を超えて、互いの愛によって一致している両親」について語ったが、教皇は「私たちは、主がくださった愛と信頼を分かち合う人たちを必要としています。私たちは一人でも大きなことを成し遂げられますが、皆と一緒にやれば想像のつかないほどのことを夢見、努力できます」と激励された。

 さらに教皇は「家族間の絆や、人々との連帯を強め、皆が必要とされる社会のために共に働き、日常生活の中に小さな奇跡を見出すことを学ぶように」と若者たちを促された。

(編集「カトリック・あい」)

このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年9月9日