♰「クリスマスの意味は聖性の賜物をいただくこと」-主の公現の日、正午の祈りで

(2020.1.5 VaticanNews  Devin Watkins)

  教皇フランシスコは今年初めての日曜日、降誕節の第二日曜の5日、正午の祈りの中で、イエスの誕生の意味について観想された。(世界の国々の中にはこの日を主の公現の祝日とする国が少なくないが、バチカンとイタリアは伝統的に6日をこの祝日としている。)

*言葉は肉となった

 教皇はまず、ヨハネの福音書が第一章で、神の子である永遠の言葉が「肉となった」(14節)というショッキングなメッセージを取り上げ、「神の子は、人々の中に住むようになっただけでなく、人々の1人、私たちの1人になったのです!」と語られた。

 そして、そのことは「私たちが今や、法律や制度のような抽象的な原理に従うよりも、私たちの肉を帯びられた神の子に倣って生きることができるようになったこと、を意味しています」と指摘。

*私たちを神の子とするために

 続けて、教皇は、聖パウロは、イエス・キリストにおいて実現された愛の計画ゆえに、神の恩恵を感謝している、とし、「この計画の中に、私たち1人ひとりが自分の基本的な使命を見出します-私たちはイエス・キリストを通して神の子になることを運命づけられています。神の子は、私たち、男性、女性を神の子にするための人となられたのです」と述べられた。

 そして、「私たちは、キリスト降誕の場面で父との親子関係を深く思い… 今日のミサ典礼は、キリストの福音が『人類に対する神の計画の完全な啓示』であり、おとぎ話や、神話、あるいは教訓的なお話ではないことを、確認するのです」と説かれた。

*愛において聖とされる

 さらに教皇は、私たちは一つの問いと向き合っている、それは、「私たちの中に神の子の誕生をお示しになり続けることで、主は私にどんな具体的な事業を私たちにお任せになったのか」ということだ、とされ、「聖パウロは、私たちに、クリスマスの意味についての答えをくれています… 『神は、御前で、聖なる、汚れの無い者として、慈しみの中で私たちを選ばれたのだ』と… 主がいつも私たちの中に来て、御言葉の賜物を与えてくだされば、私たち1人ひとりは、この呼びかけに応えられるのです-愛において聖人になるために」と語られた。

*隣人のためを思って

 教皇は、聖性について、「神に属し、神と交わり、神の限りない善を表明すること」を意味する、とされたうえで、「聖性を恵みの贈り物として受け取る人は誰でも、日常生活で、他の人との出会いの中で、具体的な行動によって、必ず実を結びます」、そして「愛に基づいて行動することは、私たちを『汚れのない者』とします… 『汚れがなくなる』のは、『私がしみを落とす』からではなく、『神が私たちの中に入って来られる』という意味なのです。神の無償の贈り物が私たちの中に入り、私たちはそれを大切にし、他の人にそれを与えるのです」と強調された。

 そして最後に、聖母マリアに「イエス・キリストにおいて実現された神の愛の計画を、私たちが喜びと感謝をもって受け入れるのをお助けくださいますように」と祈られた。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2020年1月6日