♰「キリストは私たちに『平和、喜び、そして使命』をもたらされた」-復活節、レジナチェリの祈りで

(2019.4.28 VaticanNews Linda Bordoni)

 教皇フランシスコは復活節第二の主日、28日正午の「レジナ・チェリ(天の元后)の祈り」*の説教で、復活後に弟子たちの前にお現われになり、「平和、喜びそして使徒としての使命」を彼らにもたらされたイエスについて観想された。

 *本来は教会の祈り(聖務日課)で就寝前の祈りの結びに歌われる聖母賛歌の一つで、1970年以前の旧典礼暦では復活祭の終課から聖霊降臨祭後土曜日の9時課までの期間に歌われていた。ベネディクト14世教皇の教令で1742年以降、復活節中は正午の「お告げの祈り」に代わるアレルヤの祈りとしても用いられるようになっている。

 説教で、教皇はまず、自分たちの先生が捕らわれ、死刑に処せられた後、悪に勝利した成果としての平和をもたらされたことが明らかにされ、困惑と恐怖に陥った弟子たちに着目され、「復活された方が正真正銘の平和をもたらされます。それは主が、十字架上の犠牲を通して、神と人との和解を成し遂げられ、罪と死に打ち勝たれたからです」と語られた。

 そして、弟子のトマスー復活された主が弟子たちが籠っていた家の部屋にお現われになった時、いなかったーは、自身の不信仰を払いのけるために、イエスが彼の前に再びお現われになり、ご自身の傷に触れるようにされる必要があった、ことを思い起こされて、「イエスの傷は『平和』の源を象徴しています。なぜなら、その傷が、人に敵対する力ー罪、悪、そして死ーを打ち負かすイエスの限りなく大きな愛のしるしだからです」と言われた。

 復活されたイエスが弟子たちにもたらされた二つ目の賜物は「喜び」。福音書の著者は、私たちに「弟子たちは、主を見て喜んだ」(ヨハネ福音書20章20節)と語っている、と教皇は指摘。復活節は喜びの時であることを強調され、「イエスの御復活は私たちの喜びの最大の原因」、それは、イエスは私たちの本当の喜びを妨げるこの世の障害と否定的な力を壊されたからだ、と説明された。

 「平和」「喜び」に加えて、イエスは、弟子たちに使命を与えられた。教皇は、イエスが彼らに「父が私をお遣わしになったように、私もあなたがたを遣わす」(同20章21節)と言明され、愛の新たな躍動を開始された、それは、聖霊の力をもって、この世を一変することができるもの、と言われた。

 そして、この愛は、弟子たちとその後継者たち、そして信仰厚い全ての人を通して広められるものであり、復活されたイエスは、ご自身の復活という素晴らしい出来事を告げ知らせる務めを、一人一人のキリスト教徒に委ねておられる、とされたうえで、「『平和と喜び』の賜物を伝え、そうすることでイエスのこの世における救いの使命を、各々の転職に従って、続けるように、洗礼を受けた一人一人が呼びかけを受けているのです」と訴えられた。

 最後に教皇は、復活節の第二主日に当たった、私たちが信仰をもって、平和、喜び、使命に心を開いて、キリストに近づき、神の慈しみの宣明、変容と救いをもたらすキリストの愛の喜びに満ちた証しとするように、勧められている、と述べられた。

 

 

 

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2019年4月29日