♰「『切り捨ての文化』を乗り越え、受刑者に寄り添おう」-刑務所司牧国際会議で

(2019.11.8 バチカン放送)

 教皇フランシスコは8日、刑務所司牧に関する国際会議の参加者とお会いになった。

 教皇庁人間開発の部署(長官:ピーター・タークソン枢機卿)主催のこの会議は「人間の統合的成長とカトリック教会の受刑者司牧」をテーマに開かれ、中南米、欧州、アフリカ、オセアニア、米国の刑務所付司祭らたち意見を交換した。

 教皇は参加者へのあいさつで、教育よりも「抑圧」、成長の機会を提供するよりも「閉じ込める」ことを容易と考える刑務所の現実を指摘され、「刑務所とは、社会復帰へのプロセスを促し、人間的成長と、教育、就労、健康へのアクセスを保証する場所でなくてはなりません」と強調。「過ちを犯した人に更生のための助けの手を差し伸べるよりも、切り捨てることをよし、とする社会・文化」を乗り越え、教会は司牧を通して受刑者にもっと寄り添うべきだ、と説かれた。

 そして、教皇は受刑者への司牧を考える上での二つのイメージを示された。一つは刑務所の居室の「窓」。「地平の彼方を見つめずに、人生を変えることはできません。いかなる受刑者にも地平線を見つめるための窓が必要です」。もう一つは、受刑者への面会を求める女性たち、特に「母親たち」。「母たちは恥を恐れず、受刑者である息子たちのために、顔を隠すことなく会いに来ます。教会も彼女たちの母性と行動から学ばなくてはならなりません」。

 最後に教皇は、日ごろ刑務所で受刑者に奉仕する人々を、聖母の保護に託して祈られた。

(編集「カトリック・あい」)

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2019年11月9日