♰「『主の祈り』は、”子”の私たちが”父”と行う”直接対話”の始まりだ」

 

2019.07.28 AngelusPope Francis greets the faithful at the Sunday Angelus  (Vatican Media )

 教皇フランシスコは27日の日曜正午の祈りの説教で、この日のミサで朗読された福音書(ルカ11章1~13節)でイエスが弟子たちに教えられた「主の祈り」について話され、「この祈りは、イエスが私たちに残された最も価値のある贈り物の一つです」と強調された。

 説教で教皇はまず、弟子たちは、ユダヤ教の伝統にもとずいた祈り方を知っていたが、この場面で「祈りを教えてください」と願ったのは、イエスが御父のとの固い絆をもって祈られていたのと同じ体験をしたいと望んだから、とされた。

  そのうえで、「弟子たちは、その祈りが自分たちの主の人生に欠かせないものだと分かった… イエスの重要なふるまいのひとつひとつが、長い祈りによって特徴づけられ、イエスの祈りが、当時の他のユダヤ教の教師たちのような祈りではなく、御父との深いつながりを持っていた、ということが分かったのです」と語られた。

 弟子たちがイエスに「祈りを教えてください」と願った時、主は、単に祈りの抽象的な定義を示したり、”何かを得る”ために祈るための効果的なテクニックを教えたりはせず、ご自身の祈りの体験を彼らと分かち合った。そして、「祈りで、彼らが御父と直接つながるようにし、個人的なつながりを持ちたいと強く望むようにされた、これがキリスト教徒の祈りの新しさなのです… それは、互いを愛する人々の間の対話、信頼を基礎に置いた対話、聴くことによって養われ、連帯に心を開いた対話です」と説かれた。

 そして、イエスが弟子たちに教えられたこの祈り-主の祈りは、主が地上での宣教活動の中で、私たちに残された最も価値のある贈り物の一つ」と強調され、この祈りをもって、イエスは私たちに「神である父とつながるように教え、その方と、子としての信頼をもって、祈りを込めた直接の対話を始める方法を示しておられるのです」と強調。

 最後に「主の祈り」は、「あらゆる祈りの統合体。私たちはいつも、兄弟姉妹との交わりの中で、神である父に、この祈りをもって話しかけるのです」と述べられた。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2019年7月29日