☩英国の難病の赤ちゃんに「寄り添い、可能なすべてが尽くされるように」

教皇、英国の難病の幼児のために祈り「可能なすべてが尽くされるように」 – AFP

(2018.4.5 バチカン放送)

 教皇フランシスコが4日夜、ツィッターを通して、英リバプールの病院に入院中のまもなく23ヶ月になる男児、アルフィー・エバンズちゃんと、両親のために、次のようにメッセージをおくられた。

 「小さなアルフィー・エバンズちゃんに、憐れみをもって寄り添い続けることができるように、可能なすべてが尽くされることを、そして彼のご両親の深い苦しみに耳が傾けられることを、わたしは切に希望します。アルフィーちゃんと、そのご家族、すべての関係者のために祈ります」。

 アルフィーちゃんは、まだ診断名のつかない稀な疾患により昏睡状態にある。検査では脳に病変が認められるが、いくつかの刺激には反応し、心臓の機能も安定しているという。

 病院の医師団は、彼の回復は不可能とし、生命維持装置を外すことを勧告。両親のトム・エバンズさんとケイト・ジェームズさんは承諾せず、その是非は司法の場に持ち込まれたが、ロンドンの英高等法院は、延命処置を「過酷、不当、非人道的」であるとし、医師らに治療の中止を許可した。

 これに対して両親は、欧州人権裁判所(仏ストラスブール)に提訴したが、訴えは受理されず、両親は国外をも含む、別の医療施設へのアルフィーちゃんの移送を望んだが、入院中の病院の医師団はそれも許可していない。

 英国では、最近、チャーリー・ガードちゃん(2017年7月死亡)、イザヤ・ハーストルプちゃん(2018年3月死亡)が、アルフィーちゃんと同様のケースで、両親の希望と医師団の勧告が対立、司法の判断で生命維持装置の作動が中止され、昨年7月と今年3月に、それぞれの幼い生涯を閉じている。チャーリー・ガードちゃんの件でも、教皇は治療継続を望む両親の思いを尊重し、バチカン運営の小児科病院への受け入れを申し出、幼児と両親のために祈っておられた。

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2018年4月6日