☩「連帯と共同責任は『キリスト者家族』を支える掟」-キリスト教一致を求める夕べで

(2019.1.18 バチカン放送)

 「キリスト教一致祈祷週間」の初日、18日の夕、教皇フランシスコはローマの城壁外の聖パウロ大聖堂で、教会一致を求める夕べの祈りをなさった。ローマのキリスト教諸集会の代表をはじめ、フィンランドのエキュメニカル使節、ローマ訪問中のスイス・ボセーの「エキュメニカル研究所」の研究生たちが集い、ともに一致の賜物を神に祈り求めた。

 教皇は説教で、インドネシアの教会が選んだ今年のテーマ、「ただ正しいことのみを追求しなさい」には、「競争論理にかき立てられた経済成長がごくわずかの人を大いに富ませる一方で、多くの人たちを貧困の中に置き去りにしていること」への憂慮や、「様々な民族・宗教の人が互いに責任を分かち合って生きる、調和ある社会が脅かされていること」への危機感が反映されている、と説明され、社会が連帯や共通善といった基本原則を持たなくなった時、「私たちは『極端な貧富の差』という不正を目にすることになります」と指摘された。

 そして、「連帯と共同責任は『キリスト者家族』を支える掟でなければなりません」と強調され、キリスト教徒も、富を蓄えることに汲々として貧しい人々の存在を忘れたり、神から与えられた恵みを自分の所有物であるかのように思い込んだり、他のキリスト者に与えられた恵みを認めなかったりする危険がある、と警告。「『キリスト者の一致』という『約束の地』へ最初の一歩を踏み出すためには、『神から受けた祝福は権利ではなく、賜物』と知る謙虚さを持ち、同時に、他のキリスト教共同体に与えられた恵みの価値も認めねばなりません」と訴えらえた。

 最後に教皇は「互いの恵みの交換によって新たにされ、豊かにされたキリストの民たちは、一致に向かう道を確かな足取りで歩むことができる民となるでしょう」と説かれた。

(編集「カトリック・あい」)

 

 

18 1月 2019, 18:35
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2019年1月19日