☩「家庭崩壊、召命不足…でも『一致した家族』の理想を失うな」-世界家庭大会を振り返って

(2018.8.29 「カトリック・あい」)

 教皇フランシスコは29日、バチカンでの水曜恒例の一般謁見で、25、26両日のアイルランド訪問を振り返り、「世界家庭大会」や聖職者による児童性的虐待問題などに触れられた。

 まず、教皇は、今回の訪問の主な目的が、「家庭の福音:世界のための喜び」をテーマとしたこの大会に出席し、キリスト教的家族の召命と使命を励ますこと」にあったとし、言語・文化・経験も異なる多くの家族たち、夫婦や、祖父母、子どもたちが参加した大会の姿は「神が私たちに望まれる一致と調和と平和を語り、神がキリストを通して私たちにお与えになった忠実や、赦し、和解の実りを示すものとなった」とされ、「神は、世界を、誰もが受け入れられ、誰一人として除外されることのない「ただ一つの家族」とするよう、その計画に私たちが加わることを望んでおられます」と強調された。

 また、教皇は「アイルランドの訪問は大きな喜びを体験するだけでなく、カトリック教会関係者による虐待事件をはじめ、同国で深い悲しみと失望を生んだ、様々な形における虐待の苦しみと向かい合うものでした」とされ、「このような犯罪に対し、教会の責任者たちは正しく対応することができませんでした」と、訪問中に語られた痛恨の思いを改めて告白された。

 そして、この訪問で、聖職者から性的虐待を受けた被害者たちと面会された際、聖職者たちが犯した罪、スキャンダル、裏切りに対し「何度も神に赦しを祈りました」とする一方、「アイルランドの司教たちは、青少年の保護を目的とする一連の厳しい規則を定めた政府との協力のもと、真摯に教会内の浄化に取り組み、虐待に苦しむ人々との和解に努めてきました」と、司教たちの努力を評価するとともに、司教たちとの集いで「誠実と勇気をもって過去の罪を償い、アイルランド国民の深い信仰と共に、教会に新しい季節を築くよう強く促しました」と説明した。

 最後に、「スキャンダルなどが原因で、現在、同国には司祭への召命が不足しています。主が聖なる司祭たちを派遣してくださるよう皆で祈りましょう」と集まった人々に求め、ダブリンの「世界家庭大会」は「結婚・家庭生活を通して福音の証しに励む多くの家族と出会う預言的かつ慰めに満ちた体験となりました。家庭崩壊のニュースが多い今日にあっても、私たちは『一致した家族』という理想を失ってはなりません」と訴えられた。

(バチカン放送のニュースなどをもとに「カトリック・あい」が編集)

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2018年8月29日