☩「使命にふさわしい生き方をするように」-「いつくしみの宣教者」たちに

「いつくしみの宣教者」として派遣された司祭たちとミサを捧げる教皇フランシスコ、バチカン・聖ペトロ大聖堂 – REUTERS

(2018.4.10  バチカン放送)

 教皇フランシスコが10日、教皇庁新福音化推進評議会主催の集いに参加した「いつくしみの宣教者」たちにお会いになり、聖ペトロ大聖堂の司教座の祭壇で共にミサを捧げげられた。

 バチカン宮殿で行われた集いの講話で、教皇は「いつくしみの宣教者らの奉仕は『神のいつくしみは真に果てしなく、教会は御父の赦しに近づく人々を決して妨げないことの具体的しるし』です」と話された。

 そして、イザヤ書の「女が自分の乳飲み子を忘れるであろうか。母親が自分の生んだ子を憐れまないであろうか。たとえ、女たちが忘れようとも、わたしがあなたを忘れることは決してない」(49章15節)を引用して、神のいつくしみの大きさを強調。

 さらに使徒聖パウロの「神がわたしたちを通して勧めておられるので、わたしたちはキリストの使者の務めを果たしています。キリストに代わってお願いします。神と和解させていただきなさい」(コリントの信徒への手紙2・5章20節)という呼びかけを思い起こしつつ、「人々をいつくしみ深い神との出会いと和解に導く使命の重要さ」を説いた。

 教皇はまた、ヨハネ福音書に書かれた「あなたがたに平和があるように。父がわたしをお遣わしになったように、わたしもあなたがたを遣わす」「聖霊を受けなさい。だれの罪でも、あなたがたが赦せば、その罪は赦される。だれの罪でも、あなたがたが赦さなければ、赦されないまま残る」(20章21-23節)という、復活された主が弟子たちに述べた派遣の言葉と、弟子たちに委ねられたその使命を観想し、「この責任はわたしたちの手の中にあり、わたしたちが受けた使命にふさわしい生き方をするようにと招いているのです」と語られた。

 そして、「神の協力者となるための鍵は、自分自身が神から受け取ったいつくしみを思い出すこと」とし、「いつくしみを体験した者は、いつくしみのために働く者に変容されます」と語り、「告解者と接する時に大切なことは、この人の心を恵みによって開き、『ゆるしの秘跡を受けるまでに至らせた神の愛との出会いの最初の実り』を、今、自分は目の前に見ていると認識することです」とされ、「神のいつくしみは、人に尊厳を取り戻させます。司祭は悔悛した人を悪に定めず、むしろ未来を新しい眼差しで見つめるように励まして欲しい」と司祭たちに求められた。

 「いつくしみの宣教者」は、教皇は2015年末からおよそ1年にわたり記念された「いつくしみの特別聖年」の際、世界中に派遣された5大陸約千人の司祭のこと。世界の様々な場所で、イエス・キリストの福音と共に救いと平和のメッセージをもたらし、特にゆるしの秘跡を通して、人々が神の偉大ないつくしみを発見できるよう、奉仕することを教皇は望まれていた。

(バチカン放送日本語版をもとに「カトリック・あい」が編集しました)

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2018年4月11日