☩「マリアは、イエスを示し、私たち一人ひとりを祝福してくださる」-年初の正午の祈りで

(2019.1.1 バチカン放送)

 2019年元日、教皇フランシスコは、正午の祈りで、この日典礼暦で祝った「神の母マリア」を観想。「聖母が示す、救い主、御子イエスこそ、全人類のための祝福、平和の源泉です」と強調された。

 教皇は、カトリック教会の典礼暦で「神の母マリア」を祝った1月1日、午前バチカンの聖ペトロ大聖堂でミサを捧げられた後、正午に「お告げの祈り」を巡礼者と共に唱えられた。

 祈りの集いの説教でまず、「この祭日に当たり、ベツレヘムの羊飼いたちのように、私たちの眼差しをマリアと、その腕に抱かれた幼子イエスに注ぐように」とされたうえで、「神の御母、マリアは、世の救い主イエスを示しながら、新しい一年を歩み始めた私たち皆を祝福されています」と話された。

 そして、「降誕祭から新年にかけてのこの期間、私たちが交換するお祝いの言葉の本質は、神の祝福にあります」と指摘され、この日の聖書朗読箇所から「主があなたを祝福し、あなたを守られるように。主が御顔の光であなたを照らし、あなたに恵みを与えられるように。主が御顔をあなたに向けて、あなたに平和を賜るように」(民数記6章24-26節)と、イスラエルの祭司の古い祝福の言葉を繰り返された。

 この古い祝福の様式で、「祭司が神を『主』と呼び、民に向かって手を伸ばし、その主の名を個人や家族、共同体の上に及ぼすことは、これらの民に神から発出する祝福の力をもたらすことを意味しています」と説明された。同様に、ここで祭司は神の「御顔」という言葉を2回用い、神が御顔を民に向け、その光で照らし、いつくしみと平和を賜るように神に祈るが、教皇は「神の御顔は人間には見ることのできないものですが、『時が満ちると』(ガラテヤの信徒への手紙4章4節)、神は『女から生まれた』一人の人間、イエスの顔の中に、ご自分を啓示されました」と語られた。

 そして、救い主、御子イエス・キリストを示す、神の母の姿を観想しつつ、「イエスこそ、すべての人、全人類家族のための祝福、恵みといつくしみ、平和の源泉なのです」と強調された。

 また、新年の最初の日、「神の母マリア」の祭日は、聖パウロ6世が創始した「世界平和の日」であることに言及され、今年の「第52回世界平和の日」のテーマ、「よい政治は平和に寄与する」を取り上げ、「政治は治世者だけのものではなく、私たち皆が市民生活、共通善のための責任を負い、一人ひとりが『平和の奉仕』に招かれているのです」と説かれた。

(編集「カトリック・あい」=聖書の日本語訳は「聖書協会共同訳」を使用)

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2019年1月2日