☩「この21世紀の世界でマリアのように『影響を与える者』とは」教皇、夜の集会で若者たちに

(2019.1.26 Vatican News Seàn-Patrick Lovett)

 パナマ訪問中の教皇フランシスコは26日夜、首都パナマ市のメトロパークで若者たち60万人が参加して行われた集会で、”神に影響を与える方”、マリアに倣うように強く求めた。

  三つの人生、三つの物語、信仰、希望、愛の三つの証し-それが若者たちに対する教皇の深い思いの裏にあるインスピレーションだった。

 人生の物語、愛の物語。教皇はまず、「主は最初に『はい』と言われます。そして、私たちに、ご自分に倣って『はい』と言うように希望なさいます。イエスが私たちに『愛の物語の一部』になるようにお招きになります」としたうえで、マリアを、「はい」と言い「神の愛と約束に信頼」を置く最高の模範として示され、「マリアを『神に影響を与える方』にしたのは、まさに、そのことによるのです」と強調された。

 そして「マリアの『はい』は、すべての世代に響き渡り、広がります」と述べ、ダウン症と診断された後、娘を出産することの困難とリスクに直面する中で、それを証しした若い夫婦を感謝とともに例示し、「主に『はい』と言うことは、これから来る人生を、そのすべての脆弱さとともに、丸ごと受け入れることを意味します」「主が私たちの愛の物語を書きたいを思われるのは、私たちのもろさと傷を通してなのです」とされ、さらに「私たちの不完全さにもかかわらず、丸ごと受け入れてくださる父がおられる、ということを知るのは、何という贈り物でしょうか」と語られた。

 続いて、教皇は、麻薬中毒と闘った自身の経験を語った若者に感謝を宣べるとともに、私たちにとって「自分を支える強い根」-教育、雇用、家族、共同体社会-を持たずに成長することが、いかに不可能か、ということについて話され、「そのような根を持たずに、未来について夢を見ることはできません。なぜなら、未来の夢をみることは、自分が何のために生きているのか、誰のために生きているのか、という問いに答えることだからです」と訴えられた。

 さらに、この21世紀において「影響を与える者」であることは、「根の守り手」であること、自分たちを「互いの一部だ」と感じさせ、「一員である」と感じさせる、「全てのものの守り手」であること、と指摘され、ダウン症、麻薬中毒に続く、三つ目の具体的な証しとして、クラコフで二年前に開かれたWYD大会で信仰を見つけたパレスチナの若い女性の例をあげ、「彼女は、自分を歓迎し、一員であることを実感させた生き生きとして、幸せな共同体を知りました。そして、イエスに見つけられた喜びを生きることができるようになったのです」と語られた。

 このように語られたうえで、教皇は会場の若者たちに「あなた方は『はい』と進んで言いますか?」「マリアのように『影響を与える者』に進んでなりますか?」と問いかけ、「だだ愛だけが、私たちをもっと人間らしく、満たされた者、とするのです」「ですから、イエスに『私は、この世界であなたの愛の物語の一部となりたいのです』と言うことを恐れないように」と諭された。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

 

このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年1月27日