◎教皇連続講話「使徒言行録」⑭「キリストを知らない人との間に橋を架け、手を差し伸べよう」

(2019.11.6 Vatican News)

 教皇フランシスコは6日の水曜恒例の一般謁見で、使徒言行録をもとにしたカテケーシスを続けられ、

 そして、異教徒世界の文化の中心地、アテネのアレオパゴスの丘で聖パウロが説教した箇所(使徒言行録17章22節以降参照)を取り上げ、「偶像に満ちた都市で、パウロは、聴衆の『宗教性と真実を知りたいという願望』に訴えることで、福音を宣言します」と述べた。

  パウロは、アテネ市内を歩きながら、アテネの人たちが拝むいろいろなものを見ていると、「知られざる神」と刻まれている祭壇を見つけた。それは「世界とその中の万物とを造られた神」だ、と彼らに説き、世界の超越的な創造主である神が実際に自分自身を明らかにしたと述べ、神は御子を地上に送り、すべての人々に回心を呼びかけた(23節以降参照)。だが、パウロがキリストの死と復活について語ると、聴衆は興味を失い、ある者はあざ笑い、ある者は「いずれまた、聞かせてもらうことにしよう」と言った。

 だが、パウロの説教は「アレオパゴスの議員、ディオニシオやダマリスという女性、その他の人々が彼について行き、信仰に入ることで、実を結びました」と教皇は指摘。「キリストを知らない人々に福音のメッセージを伝える際に、静かに観想する眼差しを彼らに注ぎ、慎重に異文化に合わせる度量をもつよう、聖霊に願うこと」を勧め、「神を信じない人や私たちとは異なる信条を持つ人との間に橋を架ける…常に橋を架け、常に手を差し伸べ、攻撃することのないように」と助言された。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

 

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2019年11月6日