◎教皇連続講話「使徒言行録」④「初期教会の『共同体主義』は、この世の『個人主義』の対極だ」

POPE-GENERALAUDIENCE/Pope Francis greets the faithful at the General Audience  (Vatican Media )

(2019.6.26 VaticanNews Christopher Wells)

 教皇はバチカンでの26日の一般謁見で、先週に続いて「使徒言行録」をもとにした講話を、「神の愛と私たちの兄弟姉妹との間で初期教会に活力を与えたこと」に焦点を絞ってなさった。

 講話の中で、教皇はまず、使徒言行録の「(注:洗礼を受け、仲間に入った)一同はひたすら、使徒たちの教えを守り、交わりをなし、パンを裂き、祈りをしていた」(2章42節=聖書協会共同訳を使用)の箇所をもとに、聖ルカが私たちにエルサレムにおける教会を「あらゆるキリスト教共同体の模範」として提示している、と指摘。

 そして、使徒言行録を通して「私たちは初期教会の信徒たちが、使徒の説教を聴き、霊的、物質的な財の分かち合いを通して相互の関係を質を高いものにし、聖体祭儀の中に主を思い起こし、祈りの中で神と対話していたことを知ることができます」と語られた。

 さらに「当時のキリスト教共同体がもつ共同体主義は、この世の個人主義とは対極をなします」とされ、洗礼の賜物を通して「キリスト教徒は神のみ言葉だけでなく、助けを必要としている兄弟姉妹と物質的な財を分かち合うことができました… それはまさに、交わり方と助けを求めている人々への思いやりによるものであり、キリスト教共同体が典礼生活を実践することができるのです」と説明された。

 最後に教皇は、初期教会についての話は「私たちに、主が教会共同体の成長を保証してくださっています」とされ、神とのつながり、人とのつながりを保つことは「多くの人を魅了し、打ち負かす、魅力的な力になります」と述べられて、聖霊の助けを願う次の祈りで講話を締めくくられた。

 「私たちの共同体を、新たな生き方、連帯を交わりの務めを喜んで受け入れ、実行する場となりますように、神との出会い、私たちの兄弟姉妹との交わりをもたらす諸典礼の場となりますように、天なるエルサレムへの道が常にひかれている場となりますように」。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

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2019年6月26日