「愛が冷えないように・・」四旬節の教皇メッセージ

教皇フランシスコ、2018年度四旬節メッセージ発表 – AFP

(2018.2.6 バチカン放送)

 教皇フランシスコは6日、2018年度四旬節に向けたメッセージを発表された。カトリック教会の典礼暦は、今年は2月14日の「灰の水曜日」から、復活祭の準備期間「四旬節」に入る。祈りと償いの時である四旬節を信者たちが有意義に過ごし、主の復活の喜びによりふさわしい形で与れるよう、教皇は毎年この時期にメッセージをおくられる。

 今年の四旬節メッセージのテーマは「不法がはびこるので、多くの人の愛が冷える」(マタイ24,12)。これは、イエスがエルサレムのオリーブ山において、世の終わりのしるしについて問う弟子たちに答えた言葉だ。イエスは、大きな災いと、神を信じる人たちがそこで出会うであろう状況を告げると共に、様々な苦難を前に偽預言者たちが多くの人々を惑わし、人々の心の中の愛、全福音の中心であるその愛が消されかねない危機について述べている。

 教皇は今回のメッセージで、イエスが言われる『偽預言者』たちの存在に注目し、「偽預言者とはどのような姿を装っているのか」を示された。「偽預言者とは、『蛇使い』のように、人間的感情を利用しながら、人を隷属させ、思うようにあやつる存在です」とし、「つかの間の享楽に心を奪われ、幸福を売り渡してしまう人々、お金に魅惑され、卑しい儲けや利益の奴隷になっている人々、自分だけで十分と考えることで、孤独の罠に陥ってしまう人々」など様々な隷属の形を指摘された。

 また、「偽預言者とは、苦しみに対する簡単で迅速な特効薬を謳いながら、実はまったく効果が無いものを与える詐欺師のようなもの」と話され、「薬物依存や、使い捨ての人間関係、簡単だが不正直な金儲け、人間関係や人生の意味を失わせるバーチャルな生活など、若者たちが陥りやすい状況」に言及された。

 偽預言者は「意味の無いものを与えながら、尊厳や自由、愛する力といった一番貴重なものを奪ってしまう」「悪を善のように、偽物を本物のように装い、人々の心を混乱させます」と警告、「私たちは偽預言者の嘘に騙されていないかを吟味する必要があります」とする一方で、「自分の中に善良な長続きする印象を刻むものが、神から来るものなのです」と説かれた。

 さらに、「愛が冷える」状況とはどういうものかを考察され、「私たちの心の中の愛を消す恐れがあるもの」として、特にお金への執着を指摘し、それが「やがて神の拒み、み言葉や秘跡を敬遠する傾向につながり、しまいには、生まれる前の子ども、病気の高齢者、旅人、外国人、自分の期待に沿わない隣人への攻撃」となっていく過程を見つめられた。

 また、教皇は「自然も私たちの心の愛の冷却を沈黙のうちに証します」と述べ、「汚染された土壌や、海、空」などに言及された。

 そして、このような状況に対し、「教会は時に『苦い真理の薬』とともに、特にこの四旬節、祈り、献金、断食といった『甘い特効薬』を与えてくれます」とし、「『祈る』ことで私たちを騙す偽りを心に発見し、『献金』を通して物惜しみする心から解放されるとともに、他人の中に兄弟を見出し、『断食』を私たちの霊的成長の場とすると同時に、飢えている人々との連帯の機会とする」ように促された。

 また、教皇は3月9日(金)から10日(土)を「主のための24時間」とし、各教区で、少なくとも一つの教会が24時間扉を開き、礼拝と赦しの秘跡の場を提供するように希望された。

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2018年2月7日