☩「人身売買撲滅の戦いに加わるように、政治指導者も積極的取り組みを」-日曜正午の祈りで

(2019.2.10 VaticanNews Christopher Wells)

 教皇フランシスコは10日の主日の正午の祈りの説教で、今月の教皇の祈りの意向でもある「人身売買」の問題を取り上げ、世界で起きている男女、子供たちに対する搾取、人身売買を強く非難するとともに、こうした犠牲者の保護に努めるよう、改めて訴えるとともに、世界の政治指導者たちに積極的な取り組みを強く求められた。

 教皇は説教の冒頭、人身売買を終わらすための努力を皆で続けていくために「祈りが力となります」と述べ、聖ペトロ広場に集まった人々に、キリスト教徒となる前に奴隷として大きな苦しみを味わった聖ジュゼッピーナ・バキータ(注:1868年-1947年=スーダン、オルゴッサ村の有力者の家庭に生まれたが、7歳のとき誘拐され、奴隷として5度も売買された。16歳の時、イタリアの駐スーダン領事に救われ、イタリアに行って受洗、カノッサ修道女会に入会。やさしく、穏やかで、いつもほほえんでいた彼女は、皆に愛され、晩年、病に苦しんだ2000年10月1日に教皇ヨハネ・パウロ2世によって列聖された)を思い起こし、次のように祈られた。

 「聖ジュゼッピーナ・バキータ、あなたは子供の時に奴隷として売られ、言葉では説明できないほどの困難と苦しみを味わいました。奴隷の状態から解放されて、キリストと教会との出会いの中に、本当の救いを見つけました。聖ジュゼッピーナ・バキータ、奴隷にされている全ての人を助けてください。こうした人々の名において、彼らが繋がれている鎖が打ち壊されるよう、慈しみの神に取り次いでください。人間を取引し、売買する行為によって、恐怖を味わわされ、傷つけられ、酷い扱いを受けている人々を自由にしてくださるように、神ご自身にお願いします。奴隷状態にある人々に安らぎをお与えください。信仰と希望の模範としてイエスを見るように、彼らに教えてください。それによって、傷が癒されるでしょう。聖ジュゼッピーナ、私たちはあなたにお願いします。私たち皆のために、祈りと取り次ぎをお願いします-私たちが無関心に陥らないように、目を見開いて、尊厳と自由を奪われた数多くの兄弟姉妹の悲惨と傷を見つめることができますように。助けを求める彼らの声をお聞きください。アーメン」。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

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2019年2月11日