・Dr.南杏子の「サイレント・ブレス日記」⑳「ラジオ深夜便」のこと-6月21日放送に出演-

 ある新聞の投書に、在宅医療を受けながらラジオを聴いたという体験が描かれている。東京都内に住む70歳の女性がつづったものだ。

 <父は私と一緒に の「ラジオ深夜便」を聴いたものだった。末期がんのため在宅医療を受け、私が介護していた。父は「時間だよ」と言ってラジオをつけ、ベッドの中で番組を聴いた。午前3時台のコーナー「にっぽんの歌こころの歌」が大好きで、昭和の流行歌などを聴きながら、終わる頃には父も私も眠っていた>

 残された日々を住み慣れた家で静かに迎えようとする父と娘。だが父は夜、なかなか眠りにつくことができない。互いに寄り添う形で二人は、真夜中にラジオを聴く習慣に楽しみを見いだしていく――。投書からは、そんな父娘の静かな息づかいさえもうかがえる。二人が耳を傾ける番組が「ラジオ深夜便」であるというのも、大いにうなずける。投書の文章は、<その父は2年前、92歳で亡くなった>と続き、父の愛したラジオへ寄せる思いがつづられていく(2017年6月28日付読売新聞)。

 一般的に、人は年齢を重ねて高齢の域に達すると、若かった時代に比べて睡眠の時間が短くなってしまう。夜中に途中で目が覚めてしまったり(中途覚醒)、朝早く起きてしまったり(早朝覚醒)して、いわゆる不眠症状に悩まされる人が増えてくる。30歳代までは、中途覚醒と早期覚醒はともに25%程度とされるが、70歳以上ではいずれも40%になる。「高齢者の3割は不眠に悩む」などと言われるゆえんだ。

 眠れぬ高齢者が全国の各地に数多くいる日本。投書の主が父と聴いたという「ラジオ深夜便」は、平日の午後11時15分から午前5時まで、祝日は午後11時10分から午後5時までの約6時間、365日休まずに放送されている第1放送の名物番組だ。

 放送開始は、1990年4月。企画のスタート当初から番組が目指しているところは、「若手のタレントが早口でしゃべりまくり、にぎやかに騒がしい民放ラジオ番組の逆を行こう」という制作陣の思いである やベテランのアナウンサーを番組のアンカーに起用し、「ゆっくりとしたテンポで話す」ことを番組の信条に据え、昭和歌謡やクラシック、ジャズなどの音楽で番組を彩り、文芸作品の朗読や、生活の知恵、人生を考えるロングインタビューなどをたっぷり聴かせる。そうした番組づくりが、高年齢層を中心とするファンの心をつかんだ。

 番組のリスナーは全国に300万人を数え、放送内容の再録やアンカーのエッセイなどを売り物とする月刊のファン雑誌「ラジオ深夜便」も、長引く出版不況の中で部数を伸長。10年前に比べて10万部も伸びて約15万部にも達するという。まさに「ラジオ深夜便」のマーケットは、超高齢社会の鉱脈を掘り当てたと言えるだろう。

  ――さて、最後に「手前味噌」の案内である。6月21日に放送予定の「ラジオ深夜便」のロングインタビュー・コーナー「明日へのことば」に出演する。望ましい終末期医療のあり方や介護の問題、私自身が30歳を過ぎて医学部に入り直したきっかけや医療小説を書く思いなどについて、さまざまにお話をさせていただく。ところが放送は、草木も幽霊も眠りたい午前4時台(!)。

 ただ、 「ラジオ深夜便」の公式ホームページにアクセスすれば、放送日から約1週間はどの時間帯でも聴くことができると聞かされ、「家族や友人に中途覚醒や早朝覚醒を強いることなく済みそうだ……」と少しだけ安堵した。

 (みなみきょうこ・医師、作家: クレーム集中病院を舞台に、医療崩壊の危機と医師と患者のあるべき関係をテーマに据えた長編小説『ディア・ペイシェント』=幻冬舎=を1月に刊行
。http://www.gentosha.co.jp/book/b11411.html 終末期医療のあり方を問う医療ミステリー『サイレント・ブレス』=幻冬舎=は5刷出来。日本推理作家協会編『ザ・ベストミステリーズ2017』=講談社=に短編「ロングターム・サバイバー」収録)

2018年5月27日 | カテゴリー :

・Dr.南杏子の「サイレント・ブレス日記」⑲ 人は何歳まで……?

 厚生労働省は4月22日、横浜市在住で116歳の都千代(みやこ・ちよ)さんが国内最高齢者になったと発表した。これまで国内最高齢だった鹿児島

稲垣政則撮影

県喜界町の田島ナビさんが前日、117歳で死去したことによるものだ。都さんは、国際的な老年学研究団体ジェロントロジー・リサーチ・グループ(GRG)に「世界最高齢」であるとも認定されている。

 日本人の平均寿命は、2016年時点で女性が87・14歳、男性が80・98歳となり、いずれも過去最高を更新した。100歳以上の高齢者数も増えている。2017年度は前年から2132人増の6万7824人に達した。

 それでは一体、人間は何歳まで生きられるのだろうか?

 衛生・栄養状態の改善は著しく、健康に関する人々の意識も向上している。さらに医療技術が進歩すれば、最高齢者の記録も更新されていくのだろうか? 残念ながら、最近の研究結果は逆の方向を指し示している。

 米国のアルバート・アインシュタイン医科大学が2016年、英科学誌ネイチャー(電子版)に発表した論文は、「人間の最大寿命には限界があり、すでに限界に達している」としている。

 研究チームは、19世紀末以降の世界40か国以上に及ぶ人口と死亡の統計を詳細に分析。さらに、百寿者の多い日本、米国、英国、フランスの4か国を対象に、110歳以上の高齢者の生年・没年などを調査した。その結果、各年に亡くなった人の最高齢は、1968年に111歳にまで延び、その後、毎年約0・15歳のペースで上がっていった。だが次第にブレーキがかかり、1995年ごろには「高原状態」(プラトー)となる。いわば、寿命がピークに達してしまった状態だ。

 人の寿命が「高原状態」となった2年後の1997年には、当時の世界最高齢だったフランス人女性ジャンヌ・カルマンさんが122歳で亡くなっている。以来20年以上が経過したが、彼女の記録は更新されていない。

 これらのデータからアルバート・アインシュタイン医大の研究チームは、人間の寿命はおおむね115歳であると推定する。これより多少長生きする人は現れても、人間の究極的な寿命は125歳であり、この年齢を超えて生き続ける可能性は1万分の1未満である――と結論づけた。

 「人間の究極的な寿命は125歳」という米国の研究者による指摘は、別の意味でも興味深い。今から100年以上前、明治の元勲・大隈重信が、<人間は本来、125歳までの寿命を有している。適当なる摂生をもってすれば、この天寿をまっとうできる>と唱えているからだ(大隈重信述「人寿百歳以上」)。 長寿で世界一を走る日本が、長寿論でも世界をリードしていたのは興味深い。

 116歳の都さんは、5月2日に117歳の誕生日を迎える。「現在、食事も自分でとることができ、毎日元気に過ごしております。皆で5月のお誕生日を楽しみにしています」。ご家族が公表したコメントに、皆の幸せな顔が浮かぶ。

(みなみきょうこ・医師、作家: クレーム集中病院を舞台に、医療崩壊の危機と医師と患者のあるべき関係をテーマに据えた長編小説『ディア・ペイシェント』=幻冬舎=を1月に刊行。http://www.gentosha.co.jp/book/b11411.html 終末期医療のあり方を問う医療ミステリー『サイレント・ブレス』=幻冬舎=は5刷出来。日本推理作家協会編『ザ・ベストミステリーズ2017』=講談社=に短編「ロングターム・サバイバー」収録)

 

2018年4月27日 | カテゴリー :

・Dr.南杏子の「サイレント・ブレス日記」⑱ 転ばぬ先の、その先に…

 ギリシャ神話に登場するスフィンクスは、美しい女性の顔と乳房を備えながら、ライオンの体とワシの翼を持つ異形の存在だ。

 このスフィンクスが、山路を行く旅人を捕らえて質したという「謎かけ」については良く知られている。「朝は四本足、昼は二本足、夕べは三本足になるものは何か?」という問いである。

スフィンクスの謎かけには、誤った答えを出して食べられてしまう旅人が相次ぐ。そうした中で、ひとりオイディプスが「答えは人間――赤ん坊の時はハイハイの四つ足で進み、成長して二足で歩くようになり、年老いてからは杖をつく」と真理を言い当てたとされている。

 ではオイディプスの答えに、「夕べ」の人間が強く抵抗したらどうなるか?

 ある事情があって、ステージに立つ必要のある70歳代の女性。足のふらつきや膝の痛みを抱え、さらに筋肉の萎縮や関節の硬化で歩行が著しく困難な状況にある。だが彼女は、「命をかけても自分の足でステージに立ちたい」と涙ながらに言い張り、杖や車椅子の使用を拒否する。その時、彼女からサポートを求められた医師は……。

 3月22日発売の「小説現代」4月号(講談社)では、そんなギリギリの状態にある患者と向き合うことになった医師・菜々子の物語「転ばぬ先の、その先に」という小説を書いた。さまざまな困難を抱えながらステージを目指す人たちを、医療の面から支えようとする医師=ステドク=を主人公に据えた連作短編シリーズの第3作だ。

 まず、高齢者の転倒については、厳しい現実があることを指摘したい。「転倒は死の前触れ」と指摘する医師は多い。厚生労働省の国民生活基礎調査(2016年)をもとに、40歳以上で介護が必要になった原因を見ると、「骨折・転倒」は、「認知症」「脳血管疾患」「高齢による衰弱(フレイル)」に次ぐ第4位。実に全体の約12%を占める。

 しかも年齢層が上がるにつれて、骨折・転倒の割合は増加する傾向が見られる。「全国で毎年7000人以上が転倒や転落が原因で死亡している」とするデータもある転倒で起きる深刻な骨折としては、大腿骨頸部骨折(太ももの骨の股に近い部分の骨折)や脊椎圧迫骨折(背骨がつぶれる)などがある。大腿骨頸部骨折の大半は、屋内で発生している。住み慣れた家の中を歩く際にも要注意だ。

 知恵の実を食べることを人間に教えたヘビは、神の怒りを買い、歩くための足を奪われてしまったと旧約聖書にある。皮肉なことにヘビは転倒から「自由」になり、一方の私たちは常に転倒のリスクにさらされる。2014年に設立され、転倒防止に向けた運動プログラムの普及などに力を入れる「日本転倒予防学会」のホームページでも、<2本足で歩行する人間にとって、立った位置からの「転倒」は避けることのできない宿命かもしれません>と記されている。

 ならば、「転ばぬ先」にどのような備えをするべきか?

 「転びやすい場所を知る」「転倒予防体操を始める」「家の中を整理する」「骨粗鬆症を治療する」「つまずきにくい靴を買う」「杖を使ってみる」――。
幸いなことに、効果が期待できる取り組みはいくつもある。健康寿命を延ばす賢い工夫が数々ある。これを活かさない手はないだろう。なにしろ、はるか昔に<知恵の実>を食べてしまった私たちなのだから。

 (みなみきょうこ・医師、作家: クレーム集中病院を舞台に、医療崩壊の危機と医師と患者のあるべき関係をテーマに据えた長編小説『ディア・ペイシェント』=幻冬舎=を1月に刊行。http://www.gentosha.co.jp/book/b11411.html 終末期医療のあり方を問う医療ミステリー『サイレント・ブレス』=幻冬舎=は5刷出来。日本推理作家協会編『ザ・ベストミステリーズ2017』=講談社=に短編「ロングターム・サバイバー」収録)

2018年3月26日 | カテゴリー :

・Dr.南杏子の「サイレント・ブレス日記」⑰真夜中の「♯7」

昨年12月、新潟県で新しい電話相談サービスが始まった。

 夜間の急な病気やけがに対して、「今すぐに救急車を呼ぶべきか?」「夜のうちに医療機関を受診する必要があるのか、朝になってからでも良いのか?」などについて、専門家のアドバイスを受けることができるサービスだ。

 新潟県がスタートさせたのは、総務省消防庁が導入を働きかけている「救急医療電話相談(♯7119)」だ。消防庁はこの短縮ダイヤルを全国共通のサービスにして、不要不急な救急車の利用や医療機関の受診を減らし、医師の負担軽減につなげたい考えだ。ただ、これまでに「♯7119」サービスを実施しているのは、東京都、埼玉県、大阪府、福岡県など大都市圏を抱える7都府県にとどまる。新潟県のサービス開始は、日本海側の自治体としては初めてだ。

 では、なぜ新潟県は、このサービスを導入に踏み切ったのか? 「夜間の救急医療電話相談を実施しています」と県民に向けてサービス開始を告知する新潟県のホームページを見ても、具体的な理由は明記されていない。しかし、背景に一つの不幸な事件があるのは明らかだ。

 2016年1月、新潟市民病院の女性研修医(当時37歳)が自殺し、翌2017年6月になって労災認定されたというニュースは記憶に新しい。亡くなった女性医師は過労からうつ病を発症していた。彼女の月平均時間外労働(残業)時間は、「過労死ライン」とされる月80時間の2倍を超える約187時間で、最も多い月では251時間に達していたという。市民病院を運営する新潟市は、医師の労働環境の改善を図るために新潟県に協力を要請しており、「♯7119」サービスの開始はそうした事業の一環である――と地元では報道されている。

 1月25日に筆者が刊行した医療小説『ディア・ペイシェント』(幻冬舎)でも、日々の診療現場で激しく迷い、揺れ動き、自ら命を絶ってしまう医師の姿を描いた。
多くの方が病院の診察室で向き合うのは、孤高の天才外科医でもない、「神の手」を持つ名医でもない。地味で、普通で、ただ誠実であろうとする医師たちだ。そんな彼らが、心の芯から疲弊し、死を選んでしまうような厳しい現実は、社会の誰をも幸せにするものではない。

 新潟市民病院で研修医が自殺したというニュースが報じられたのと同じ昨年のことだ。宅配便ドライバーの長時間労働や残業代の未払いが、同じように大きな社会問題になったことを多くの方が覚えておられるだろう。

 そして私たちは、小さな一歩を踏み出した。再配達の時間短縮を認める、宅配ボックスを増やす、運賃の値上げを受け入れる。今まで「当たり前の仕事をしている人たち」と思い込んでいた、大切な荷物を家まで運んでくれる宅配便ドライバーさんたちの存在に心の目を向ける――。社会の空気は、確かに変わり始めた。

 同じことが医療の現場でも進んでほしい。真夜中に少し体調を崩したとき、「119」の前に「♯」と「7」を押すだけでもいい。そんなことを感じている。

(みなみきょうこ・医師、作家: クレーム集中病院を舞台に、医療崩壊の危機と医師と患者のあるべき関係をテーマに据えた長編小説『ディア・ペイシェント』=幻冬舎=を1月刊行。http://www.gentosha.co.jp/book/b11411.html 終末期医療のあり方を問う医療ミステリー『サイレント・ブレス』=幻冬舎=は5刷出来。日本推理作家協会編『ザ・ベストミステリーズ2017』=講談社=に短編「ロングターム・サバイバー」収録)

2018年2月27日 | カテゴリー :

・Dr.南杏子の「サイレント・ブレス日記」⑯ 親愛なる患者さんへ

またもや胸の痛む出来事が起きた。名古屋市の大学病院で1月25日午後、外科診療室にいた男性医師(42)の首を何者かがナイフで刺して重傷を追わせ、逃走するという事件が発生した。

 約1時間半後に殺人未遂容疑で逮捕された犯人の男性(68)は、この病院に通院する患者だった。男は「診察の待ち時間が長い」とクレームをつけて、病院側とトラブルになったことがあったという。

 類似の事件は少なくない。

 ・2017年1月、岐阜市の歯科医院で、院長の歯科医(50)が患者(58)に襲いかかられ、包丁で刺殺される。
・2015年5月、大阪府門真市の耳鼻科医院で、受付の女性職員(58)が元患者(45)に顔や首を大型の包丁で切りつけられて重傷を負う。
・2014年8月、札幌市東区の総合病院で、診療中の消化器内科医(50)が患者(67)に刃物で脇腹など5か所を刺される。

 ・2013年8月、北海道三笠市の市立病院で、精神科医(53)が患者(55)に胸を包丁で刺さされて死亡する。
・2012年5月、福岡市東区の大学病院に、「明日朝に爆発させるぞ」と爆発予告の電話が入り、元患者(45)が威力業務妨害容疑で逮捕される。

 ・2011年11月、沖縄県西原町の大学病院で、耳鼻科医(36)が患者(70)に左脇腹を刺される。

 医療従事者向けの情報サイトを運営する「ケアネット」が昨年3月、会員医師1000人を対象に行った調査によると、患者・家族からの暴言や暴力、過度のクレームや要求を受けた経験がある、と答えた医師は、55・1%に達した。全日本病院協会が2008年に発表した調査結果でも、全国1106病院の52・1%が、患者からの暴力・暴言を経験したことがある――と回答している。

 いわゆる「モンスター・ペイシェント」や「クレーマー患者」の問題ばかりではない。過労死ラインを超える長時間労働で、大勢の医師が疲弊している。診療の場に立つ者のひとりとして、私たちの医療が直面している厳しい状況から目を背けてはならないと感じる。

 医師と患者の信頼関係をテーマにした医療小説を書きたい――。そうした思いから、このたび書き下ろし長編『ディア・ペイシェント』(幻冬舎)を上梓した。

 医師や患者、そして医療に関わるすべての人の「本音の叫び」を拾い上げて小説にまとめるのは、筆者にとって苦しみを伴う作業でもあった。きれいごとで済まない現実の重みを受け止める必要があったからだ。

 患者と医師が歩み寄るには、どうしたらよいのか? そのために医師は何をすればよいのだろうか?

 「どうぞお大事に――」。患者さんひとりひとりに声をかけながら、医師として、作家として、今日も考えている。

(みなみきょうこ・医師、作家: 「クレーマー患者」と医療崩壊などを主なテーマに据えた長編小説『ディア・ペイシェント』=幻冬舎=を1月25日に刊行しました。https://www.amazon.co.jp/で。終末期医療のあり方を問う医療ミステリー『サイレント・ブレス』=幻冬舎=は5刷出来。日本推理作家協会編『ザ・ベストミステリーズ2017』=講談社=に短編「ロングターム・サバイバー」収録)

2018年1月26日 | カテゴリー :

 Dr.南杏子の「サイレント・ブレス日記」⑮「63歳・芥川賞」への期待

  2018年1月16日に選考が行われる第158回芥川賞で、遅咲きの新人作家・若竹千佐子さん(63歳)の候補作「おらおらでひとりいぐも」(文藝賞受賞作)に注目が集まっている。

  「おらおらで…」の主人公は、70歳代半ばの「桃子さん」。東京オリンピックの頃に東北から上京した専業主婦だ。物語は、夫と死に別れ、子供も巣立って一人暮らしになったところから突然始まる。封印していた故郷の言葉が内面から湧き上がり、何人もの「おら」=自分=となって自身に語りかけるようになる。

  <あいやぁ、おらの頭(あだま)このごろ、なんぼがおがしくなってきたんでねべが>。複数の声が東北弁で聞こえる事態に困惑し、先行きを不安視する主人公。彼女は大勢の「おら」たちと会話を交わし、次第に自分の過去を振り返るようになる。

  作品は50年にわたる家族との暮らしを回想する。その中で主人公は、15年前に夫・周造を失った悲しみに再び見舞われ、激しく涙する。 <周造、逝ってしまった、おらを残して><周造、どごさ、逝った、おらを残して><周造、これからだずどぎに、なして>。コントロール不能な感情が荒れ狂うシーンは、読む者の胸を打つ。東北弁が標準語を押しのけて地の文へ浸出していく展開は、幻想的でもある。

  悲しみの記憶の先に、これからの「生」を見いだすシーンも印象的だ。体の痛みを押し、長い坂道を登って夫の墓参りをした時。おかしな形で赤いカラスウリが卒塔婆に絡まっているのを見つけ、主人公は笑い声を上げる。ひとしきり笑った後に達観がある。<まだ戦える。おらはこれがらの人だ。こみあげる笑いはこみあげる意欲だ。まだ終わっていない>――と。従来の老境小説とは大きく異なる新しさが感じられる。

  文藝賞の選考会でも、選考委員から同様の声が上がった。「若竹さんの言葉が四作品の中で一番若々しくもあった」(保坂和志選考委員)。「力強く新しい次元を感じさせてくれた」(藤沢周選考委員)。

  若竹さんは岩手県出身。現在は千葉県に暮らし、夫を8年前に亡くした過去を持つなど、作中には自身の人生が投影されている。夫の四十九日の翌日から小説教室の受講を開始し、8年間の修練の後にデビューを果たした。(筆者も師事する文芸評論家の根本昌夫氏の指導を受けたという事実には、ご縁も感じる)

  2013年、当時75歳の黒田夏子さんが「abさんご」で芥川賞の最高齢受賞者となったことは記憶に新しい。黒田さんが残した「生きているうちに見つけてくださいまして、ありがとうございました」という受賞の言葉は、出版界の流行語になった。そして若竹さんも、同じニュアンスのコメントを発している。「数ある原稿の中から桃子と私を見つけ出してくださりありがとうございます。どこまでご期待に応えられるか。私はこれから勇躍出発いたします」。

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2017年12月26日 | カテゴリー :

 Dr.南杏子の「サイレント・ブレス日記」⑭ 夫婦で過ごす「100年」

 それは、やわらかな朝日が差し込む病室での光景だった。

 私の勤務する高齢者専門病院には、夫婦で入院生活を送る患者のための病室がある。 歳の大迫優司さん(仮名)と 歳の栄子さん(同)も、病棟の一角にある陽当りの良い部屋で日々を過ごしている。

 午前9時 自らは言葉を発することもできなくなった優司さんの胸に、栄子さんはそっと頭を乗せる。すると、その栄子さんの背中を、優司さんがトントンと指で優しく叩き始める。「お父さん、叩いてくれてるのね。ありがとう」。しばらくすると、優司さんは手を止める。「お父さん、疲れたの?」。栄子さんの声に、優司さんは再び手をトントンと動かす――そうやって夫婦の間では、ふんわりとした時間が過ぎてゆく。ベッドの傍らで私たちスタッフは、声にはならない夫婦の「会話」を耳にしているのだ。

 寒い晩だな、寒い晩です。妻のナグサメとは、まさに斯くの如きもの也

 明治期に活躍した小説家・評論家の斎藤緑雨が1899(明治 )年、格言集「眼前口頭」に記した言葉である。ともに暮らす夫婦がお互いを思いやって交わす 会話 は、緑雨の時代から120年近い時を経ても、大きく変わるものではない。
ただ一つ、はっきりと変わった点がある。ここで紹介した緑雨の言は、彼が 歳で早世する5年前、 歳になったばかりの時点で残した言葉なのだ。

 明治の世と、平成の現代――。食生活の変化、衛生状態の改善、医療技術の進歩、そのいずれもが国民の平均寿命を押し上げる方向に働き、平成時代の終幕を迎えようとする今、日本は「人生100年時代」と言われるまでになっている。
事実、私の勤務先の患者の平均年齢は88・5歳だ。年齢構成で言うと90歳以上がほぼ半分、100歳以上のいわゆる百寿者も約20名を数える歳の優司さんと 歳の栄子さんというカップルは、院内で特別に高齢というわけではない。夫婦が会話を交わす年数は、とにかく格段に長くなっている。

 私事に及んで恐縮だが、終末期医療をテーマにした小説「ロングターム・サバイバー」が日本推理作家協会の編集による「ザ・ベストミステリーズ2017」(講談社)の一編に選ばれるという栄誉を受けた。この作品の発想も、一組の夫婦の会話にあった。それは、「末期がんを宣告された老齢の夫は、妻に何を、どのように語るだろうか?」というものだった。
厳しさを増す寒い晩に、あるいは朝の日差しの中で、あなたは大切な人にどんな言葉をかけるだろうか どのような会話をつむぐだろうか。

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2017年11月25日 | カテゴリー :

 Dr.南杏子の「サイレント・ブレス日記」⑬ 「幸せ」な介護の日々のために

  直木賞受賞作「女たちのジハード」などで知られる作家の篠田節子さんが、お母様の介護を続ける日々を率直な言葉で語った新聞記事に、大きな反響が集まってい る。10月8日付の読売新聞朝刊に掲載された生活面の連載「ケアノート」。紙面 の大きなスペースを占める形で、記者のレポートと篠田さんの声が紹介されたのだ。

篠田さんのお母様は93歳になる。約20年前から認知症を患っており、今では 毎日、篠田さん宅で朝から夕方までの時間を篠田さんと二人だけで過ごしていると いう。病状は数秒前のことも忘れてしまうほどで、一人では満足にできないトイレ や風呂の世話を一から十まで篠田さんが手を差し伸べる必要のある様子が読み取れる。

記事の中で篠田さんは、「仕事ができるのは、母が(実家から)来る前の朝と、 母が寝ている間ぐらいです」と言い、「風呂からあがって気持ちよさそうに眠る母を見るとき、『このまま逝ってくれれば、幸せだな』と思うこともあります」「国 を挙げて推奨されている在宅介護の現実を知ってほしいです」とまで語っている。

<親の最期は、自分の家で家族そろって見送ってあげたい><在宅で世話をする ことこそが親孝行にほかならない>――。そんなふうに考えて、在宅介護や在宅医 療を希望する人が増えている。

ただ、施設や病院で受けるのと同じクオリティーのケアを自宅で行うとなると、 かなりの人手が必要になる。家族の負担がそれだけ大きくなることは避けることが できない。それは、冒頭に紹介した篠田さんの例を引くまでもない。

 私は「ケアを受ける人と家族が楽しい時間を過ごせること」こそが、幸せな介護 の形だと思っている。介護で家族が疲弊してしまい、楽しい思い出づくりもままな らないような状態では、愛しい人を愛しいと思えなくなってしまうこともあるから だ。

 施設や病院に入るためには、経済的な負担が増すイメージがある。だが、入所先 の種類によって、かかるコストはまさにさまざまだ。それぞれの家庭の経済状況に合わせて施設や病院を選ぶことは、決して難しいことではない。

 在宅で介護する場合でも、ヘルパーの力や訪問介護、デイサービス、ショートス テイなどを積極的に利用することが大切だ。とりわけ終末期の患者を支えるために は、「キュア」(治す・癒やす)、「ケア」(介護する・世話する)、「カンファ タブル」(快適な・心地よい)という「三つのC」を踏まえることが大切だと言われる。「キュア」することができないのであれば、せめて「カンファタブル」には してあげたい――。そのためには、プロの力を借りるべき場合も多い。

 大変なところをプロに任せれば、家族はマッサージをしてあげたり、おしゃべり をしたりと、患者と楽しい時間を過ごす余裕も生まれてくるはずだ。

 慣れない家族がオムツを交換したり、イライラしながら風呂にいれたりしても、 当の親も幸せな気分になれはしない。その点、介護のプロであれば、手際よく、親に後ろめたさを感じさせることなく日常生活の介助をしてもらうことが可能だ。「 その方が親にとっては幸せだ」という考え方も成り立つ。

 残念ながら篠田さんのケースでは、「母は他人を一切受け入れず、介護サービス を利用できない」という。過去にショートステイに預けた時は、一晩中「帰せ」と 大騒ぎしたことがあり、有料老人ホームの入所についても、「入居させても戻ってきてしまうだろうと思うと、なかなか踏み切れません」。篠田さんは苦しい胸の内を語っている。

 親の介護と見送りは、家族と医師や看護師、介護スタッフなどによる共同作業であってほしい。できるだけ多くの人がケアに関わる環境を得る選択肢があるのなら、一人で頑張りすぎないで、と言いたい。その上で、ケアに携わる全員が「こうし たらお母さんは心地よく過ごせるのではないかしら?」とよく話し合いながら進める――。そうすることが、互いに悔いを残さず、幸せな時間をゆっくりと迎える一番の方法ではないだろうか。

(みなみきょうこ・医師、作家: 終末期医療のあり方を問う医療ミステリー『サイレント・ブレス』=幻冬舎=は5刷出来。5月24日発売の日本推理作家協会編『ザ・ベストミステリーズ2017』=講談社=に短編「ロングターム・サバイバー」が収録されました。アマゾンへのリンクは、https://www.amazon.co.jp/dp/4344029992?tag=gentoshap-22

2017年10月25日 | カテゴリー :

 Dr.南杏子の「サイレント・ブレス日記」⑫エレベーターの通学路

 2017年1月に新校舎となったその学校は、さいたま新都心の駅前、さいたま スーパーアリーナやおしゃれなショップ・レストランが隣接する街区にある。ただ、始業時刻前の時間帯、「県の木」であるケヤキ約220本が立ち並ぶこの地に立っても、にぎやかな歓声を上げて通学を急ぐ子供たちの姿を目にすることはない。
ここは、埼玉県立けやき特別支援学校。地下1階地上13階、ベッド数316床 を擁する県立小児医療センターの7階部分をそっくりそのまま「学舎」にしている小中学校だ。児童・生徒の多くは毎朝、病棟から専用のエレベーターに乗って、「 登校」してくる。治療状況や体調がかなえば、授業は1日6時間。授業の後は一般の学校と同様に学活を行い、病室へ戻るのは午後3時過ぎ。「下校」ルートもエレ ベーターだ。
病気で入院中の児童・生徒に教育の機会を提供する場としては、<病院内の一室 を活用した小さな院内学級>をイメージされる方が多いだろう。だが、けやき特別 支援学校は事情が違う。普通教室を11室備え、音楽、理科、家庭、美術・技術各 科の専門教室、図書室や体育館、さらには年間を通じて使用できる温水プールもあ る。「児童・生徒が、入院前と変わらない学習に参加できる」ように配慮された病弱教育の推進校だ。
小児医療の技術は確実に進歩している。例えば、血液のがんである急性リンパ性白血病では、15歳未満の子供の場合、5年以上の長期生存率は約80パーセント にまで高まっている。
専門医の診療のもとで、決められた時間に投薬や注射を受け、適切な感染防止対 策や体調管理を続けていれば、入院中でも学習指導を受けられる状態にある児童・ 生徒は少なくない。病院内で治療を続けながらも、学習の機会を十分に与え、将来の夢に向かって成長していく子供を支援しよう――という学校側の方針がそこにある。
こうした積極的な支援が、すべての子供に行き渡っているわけではない。
文部科学省のまとめによると、病気などで長期入院(年間延べ30日以上)して いる児童・生徒は全国で約6300人。このうち約半数は、学習指導を受ける機会 を失っている。在籍校の教師が病院を訪問して指導をしているケースでも、その実施頻度は「週1日以下、1日75分未満」という回答が大半だ。
「小説現代」10月号に一編の医療小説を発表した。病院に入院して急性リンパ 性白血病と闘う小学6年生の男子児童が、ピアノの発表会への出演を強く希望する 。だがその子は、抗がん剤治療の影響で免疫力が極端に低下しており、大勢の人が集まる会場に出向けば、感染症にかかる危険性が非常に高い。子供の夢をかなえる ために、主治医や周囲の大人たちはどのようにサポートするべきか――。物語には 「屋根まで飛んで」という題名をつけた。
闘病中の子供たちからチャンスを奪ってはならない。現実の世界でも教育者はあ たたかいメッセージを送る。「治療中でもできることはたくさんあります。入院中 だからこそできることもあります。そして、皆さんを応援してくれる人も大勢いま す。自信を持って、今できることにひとつずつチャレンジしてください」(けやき 特別支援学校「学校だより」4月号)。
夢に挑む子供の姿は力強く、頼もしい。それは健康であろうと、病気であろうと 、どんな環境のもとで育てられようが変わらない。ひとりひとりの子供たちが大きく成長する秋を迎え、私はそう信じている。

(みなみきょうこ・医師、作家: 終末期医療のあり方を問う医療ミステリー『サイレント・ブレス』=幻冬舎=は5刷出来。5月24日発売の日本推理作家協会編『ザ・ベストミステリーズ2017』=講談社=に短編「ロングターム・サバイバー」が収録されました。アマゾンへのリンクは、https://www.amazon.co.jp/dp/4344029992?tag=gentoshap-22

2017年9月27日 | カテゴリー :

 Dr.南杏子の「サイレント・ブレス日記」⑪太宰の「津軽」2017年

 

  昭和19年、太宰治が3週間にわたって旅した津軽半島を8月中旬、急ぎ足で回った。太宰の旅は、出版社から執筆を依頼された風土記の取材のため。私のそれは、津軽地方の地域医療現場を視察させていただくことが目的だった。

 「きょうは、どうされました?」。若い医師が、ゆっくりと丁寧な問診に努めて いる。この日の外来担当は、ふだんは東京の病院で勤務している医師だ。定期的な派遣要請を受け、東京から一泊二日の日程で外来診療、入院患者や関連施設に入所 する高齢者の回診などを担当している。

 医師の問いかけに、ほんの短い言葉だけを返す患者もいれば、早口の津軽弁で主訴を詳しく語り始める患者もいる。「先生、咲江ちゃんは昨日から熱が下がらない んですって……」。医師の傍らに立つ看護師が、患者の話す地元の言葉を医師に向けてひとつひとつ“通訳”する。

 この診察室で、患者は「ちゃん付け」である。ただし、医師の前に座った小柄な患者は80歳をとうに過ぎたと見える高齢女性だ。集落内に同じ名字が多いため、 患者の識別を明確に行いたいという対応側の知恵でもあると同時に、医療者と患者 の距離の近さをも感じさせる。それを証明するように、看護師の頭の中には、「咲江ちゃん」の年齢や既往症をはじめ、前回の受診時期、詳しい家族構成などがすべ て入っている。「息子さん、あした仙台に帰るんでしょ? 今回はゆっくりできて 良かったね――」。津軽半島の町で診療の合間に交わされる会話は、どの患者に対してもそんな具合だった。

 だが僻地医療が直面する現実は、厳しいと言わざるを得なかった。医師の確保と定住問題、更新が必要な医療設備といった医療供給側の問題だけではない。医療を受ける側の集落や町そのものが、やせ衰えている現状が横たわっているのだ。

 本州最北端の新幹線停車駅「奥津軽いまべつ駅」がある今別町を例に取ると、良く分かる。

 70年以上前に発表された小説「津軽」の中で太宰は、「今別は(中略)明るく、近代的とさえ言いたくなるくらいの港町である。人口も、四千に近いようである 」と書いている。その今別町の人口は、今や約2700人だ。世界最長の海底トン ネルが開通し、新幹線が通る町の人口が、太宰の生きた時代の約7割にまで落ち込んでいるのだ。「人口急減」と「地方消滅」という言葉の重みが胸にしみわたる。

 人口減少は、医療の形態も変える。

 辺地であれば、医療の中心は在宅診療であろうと想像していた。だが、私が訪問 したあるクリニックでは、訪問診療は数年前に止めてしまったという。集落の中で、高齢の患者を支える若い家族、あるいは同居する家族そのものがいないために、 在宅医療そのものが無理になっているのだ。独居高齢者ばかりが増え、もはや「老老介護」をもできない現状。患者は治療も含めて身の回りの世話を病院に頼るしか なく、いわゆる「社会的入院」が高齢者を守る最後の砦になっていた。

 身寄りのない高齢者であふれる病院&高齢者施設――津軽地方の現実は、決して 他人事ではなく、日本の将来の姿とも思えてくる。

 ただ、大きな救いもある。冒頭で紹介した外来診察室の風景だ。クリニックを訪ねる患者をはじめ、入院中の患者、施設の入居者たちは、みな穏やかな笑顔であっ た。年をとり、病気になり、身寄りがなくても、人は心穏やかに老後を過ごすこと ができる。少なくとも、医療者と患者の信頼関係があれば、そうしたケアや優しさを提供できる施設を作りうる――基本的だが重要な事実を、津軽の人たちと風土が私に教えてくれた。

 ところで、今回の小さな旅の途中、「津軽」を再読して驚いた。太宰の津軽旅行 に同行した青森の学友・T君、今別町のMさん、蟹田のSさんは、みな医師や薬剤 師、病院事務長といった医療関係者ばかりだった。

(みなみきょうこ・医師、作家: 終末期医療のあり方を問う医療ミステリー『サイレント・ブレス』=幻冬舎=は5刷出来。5月24日発売の日本推理作家協会編『ザ・ベストミステリーズ2017』=講談社=に短編「ロングターム・サバイバー」が収録されました。アマゾンへのリンクは、https://www.amazon.co.jp/dp/4344029992?tag=gentoshap-22

2017年8月26日 | カテゴリー :