・Sr.阿部のバンコク通信㉞ タイは今、雨季。でも、悪いことばかりではありません

 亜熱帯地方の人々の生活は朝が早く、涼しい暗いうちに始まります。今朝も渋滞を避け、午前四時半に修道院を出て、街中のパウロ書院に向かいました。既に暗がりに立っている人々の姿。大通りで時刻表無しのバスを待っているのです。時には30分以上も来ない事もありますが、ひたすら待機。

 紺色の空に映える月や明の星を見上げて、同じ空を仰ぐ人々の事を偲びながら、朝の祈りと黙想を、パウロ書院への道中に捧げます。今日も主に栄光、人々に平和ありますように、と。

 バンコクの天候は熱帯モンスーン気候に左右され、季節は主に 夏期3 ~ 5月、雨季6~10月、乾季11~2月です。今は雨季で、忽ち黒雲がたちこめ、集中豪雨、さっと止むこともあれば、水が引く間も無く、道路は洪水状態になり、ひどい交通渋滞になります。

 それでもこの雨のお蔭で稲科の植物がよく育ち、乾季には樹木が落葉し、日照時間が長く肥沃な土壌で、亜熱帯特産の豊富な果物、山岳地帯には珈琲やサトウキビ、歯ごたえのある味わいのある陸稲が栽培されます。

 タイ生活25年。主観的な体験や常識で見渡せば、言いたい事が際限なく湧いてきますが、それは大変失礼な、心無い事だと思っています。そこそこに、背景も長い歴史の営みも、理由もあります。仲間に入れてもらい衣食住を共にして生き、ここに在る事を喜ぶー私は一介の日本人修道者です。

    人々と共に喜び悲しみを噛み締め、今日も細やかな奉仕、平素の生活に勤しんでいます。タイで味わう令和年の始まり、主の福音のために全てを捧げ、感謝と賛美を奏でながら。-読者の皆さん、日本をよろしく。

(阿部羊子=あべ・ようこ=バンコク在住、聖パウロ女子修道会会員)

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2019年7月3日